4/01/2010

バンカーにレーキ突き立てたヤツ誰よ?! (裁定集から-6)


trimetalさん、2つ前の記事では嬉しいコメントを、ホントにありがとうございました。♡


さて、題記の件ですが、お友達のひゃっぽさんが強風の中をプレーされて、そのときに出くわした珍しいルールの事例を書いていらっしゃいました。

疑問にお答えすると言うような権威は私にはまるでございませんが、いつも楽しくルール談義をし、理解を深めて行くことを我がゴルフ・モットーのひとつに掲げている者として、この良い機会に是非私の見解を書かせていただこうと思い至りました。m(__)m


これは余談ですが、以前はルールブックをキャディバッグにいつも携帯していたんですが(今もしてますが)、ひゃっぽさんもおっしゃっているとおり、それだけではどうにもジャッジできない事例が多いです。
裁定集を持っていくとけっこうジャッジ出来るんですが、分厚すぎます。

で、最近は、blackberryをいつも持っていますので、USGAの裁定集のURLをbookmarkして置いています。
これは便利。
調べる時間はラウンド後とかになっちゃうかも知れませんが、分厚い裁定集を携帯しているようなものですね。(^^)



という訳で、まずはひゃっぽさんのブログ記事から問題の部分をコピーして再録。


~~~~~

9番 Par5
ティショット1Wがヒールシャンクっぽくなり左ラフ
シッター中の子が「左のバンカーのレーキが立ってる!」
よく見るとクシの部分をアゴに突き刺したのか柄が上向き
誰がやったんだろうねーと話しながら打った3打めが
横風に乗って左にバウンドしてそのバンカーへころりん・・・・
今のってレーキに寄りかかってボール止まってそうだよね

近づいてみると
アゴに刺さってるレーキに乗っかるような形になってたけど
これを抜くと自動的にずっぽりと斜めに深くついた
足跡の中に落ちて止まるのが誰の目にも明らか

レーキはムーバブル・オブストラクション。
よけて転がった球はリプレースできるけど
アゴに刺さったレーキに転がる途中で止まってたから
リプレースは絶対無理で全部足跡に落ちちゃうよね


ハザード内の止まらない球は元の場所に一番近い止まるところに
リプレースできるけど
最初のリプレースが足跡の穴で止まるからそこから打つ?


この足跡はアブノーマルグラウンドコンディションになる?
うーんやっぱりアンプレになっちゃうのかなぁ・・・・・


どう処置するのが正しいんだろう??????

後続がまだ9番ティにいないので
ルールブック引っ張り出してみたけど結論が出ないまま。

仕方ないので
リプレースの球が絶対に止まってしまう足跡の穴から
2打かかって脱出して7歩ちょい上りスライスを
Aで打ちショートして残り1.5歩。

~~~~~


この場合のルールの解釈ですが、レーキがあごに刺してあったということは、バンカー内の斜面になっている砂の部分にレーキが刺さっていた状況と理解しますね。


砂の上にボールが居てレーキに寄りかかっている場合と、レーキの上に完全に乗っかっている場合で、微妙に処置が違ってきます。


前者の場合は、用心深くレーキを取り除きますが、障害物が無くなった結果ボールが動いてしまう場合には、元の場所に「リプレース」することになります。

後者の場合は、バンカー内にあるものと「みなされ」(13-5)、グリーン上“以外”のスルーザグリーンやハザード内では、元の場所に最も近い真上に当たる場所で「ドロップ」をすることになります。


前者のリプレースの場合、砂が硬くなってて転がってしまってどうしても元の場所に置けない(止まってくれない)場合、おっしゃるとおりバンカー内でホールに近づかず、一番近くの物理的にボールを置ける場所にプレースすることになりますよね。
レーキを抜いた穴or凹みがあろうかと思いますのでそのあたりで上手く置けるんじゃないかなー?って思ったりしますが(^^;、足跡以外で砂の微細な凸凹とか無かったんでしょうか?

後者の場合は、2クラブレングス以内でホールに近づかず、バンカー内の場所に止まったのであればドロップの結果はOKで、そこからインプレーになります。
(この方が平らで良さそう。)

もし2クラブレングス以内に止まらない場合はもう一度ドロップ。 それでも止まらない場合はドロップしようとした位置(つまりは元の位置)から一番近くの物理的にボールを置ける場所にプレースですので、この場合には結果的には、前者と同じ位置に帰着します。


砂がずいぶん硬かったんでしょうかね?
残されていた深い足跡の中よりももう少しは打ちやすくて元の位置に近い場所にボールが置ける(物理的に止まる)位置を探すのが最善策だと思います。

どうしても無ければ、その足跡の中の打ちやすそうなところを利用して置くことになろうかとは思いますが。
砂にちょっとでも押し込むのはもちろんNGです。


ちなみにですが、ドロップと異なり、リプレースしようとした球が転がって止まった位置(今回は足跡の中)は、2クラブレングス以内だろうが30cmだろうが関係ありませんです。
転がって止まった位置がインプレーになることは無いという意味で。(←要確認。)




それと、もうひとつ。

刺さったレーキや、バンカー内の均していない足跡は、非常に理不尽ではありますが、
これがゴルフ・ルールのやや納得行かないところでして、異常な地面には該当しません。

グリーン上のスパイクで出来た跡に付いても同様で、直せませんのはみなさんご存知ですよね。

マナーに属する問題、として片付けられてしまうんですね。



プロ・トーナメントなんかで、忘れたふりしてバンカーにわざと足跡を残しておけば後続の組みに不利になりますから、私はプロならそういうのもありかも知れないと思ったりするんですけど(冗談です。)、そこはゴルフの精神に拠り所を求め、ゲームを成立させているんですよね。
例えば、片っ端からカップの周りをソフトスパイクで引っ掻いておいてもかなり後続に影響すると思いますしね。



判りやすい例に、こんなのがあります。

裁定集、1-4/3。

1-4/3 Flagstick Stuck into Green Some Distance from Hole by Practical Joker

Q. A practical joker removes the flagstick from the hole and sticks it into the putting green some distance from the hole. The players approaching the green are unaware of this action and they play towards the flagstick and not the hole. Do the players have the option to replay?

A. No. In equity (Rule 1-4), the players must accept the resultant advantage or disadvantage.



(JGAの和訳)

1-4/3 ホールから離れた所に旗竿が突き刺してあった場合

質問: 誰かがいたずらして、ホールから離れた所に、旗竿を突き刺してあった。そのことを知らずに(ホールにではなく)旗竿に向けてプレーしたプレーヤーは、本人が望めば再プレーできるか。

回答: 再プレーは認められない。公正の理念(規則1-4)にしたがって、プレーヤーは結果的に有利な場合も不利な場合もあろうが、それを甘受しなければならない。



・・・なんだこれ?(笑)

Practical Jokerて。(x_x)  ・・・実害のあるいたずら者ですからね。


どうも、英語でいう「equity」と、日本語でいう「公正の理念」の間には、

・・・微妙で深いニュアンスの溝があるような気がいたします。(笑)



***

シリーズの過去ログ

バンブル・ビー(裁定集から-1)
ルース・インペディメント(裁定集から-2)
ボールはあるがままにプレーすればいいってもんじゃないんだよ?!(裁定集から-3)
池の方に打ったとき(裁定集から-3の2)
誤球のプレーをやってしまった思い出
誤球のプレー、最近のニアミス編 (裁定集から-4)
マッチプレーではルールが違う?!(裁定集から-5)


3/31/2010

パター・グリップ 難民 → 落ち着きました。



ひゃっぽさんにもアドバイスいただいたりしているのですが、パター・グリップが今いっちょ決まりません。

「なんであんたはそんなにしょっちゅうパターのグリップを 換え 変えなくちゃなんないのよ?」って感じがしますが、逆なんです。

変えたくないんですけど、それで困っていると言う。(^^;


時系列的に申しますと、まずはこのブログを始めるに至った辺り (08年5月) にさかのぼります。

私はそれまで、ダニー・エドワーズのロイヤル・グリップから出ていたピストル型のオーソドックスなグリップを15年以上変わらずに使っていました。
でもね、今は手に入んないですよね。

どんな感じのグリップかって言いますと、(ちょいと画像検索。) ↓

(画像をクリックでリンク元に。直フィードです。)



そうそう、ちょうどこんな感じの・・・

ん? あ、あれ?
手に入るの、これ?

ん? キャメロン? 日本語のページ? なんで?
・・・ってか、9,450円?! (@@)!

当時は、1,000円ぐらいだったよ? キャメロンじゃなかったし。

あ゛―、びっくりした。(x_x)


長く使ってもそれほど硬くならない、非常に質の良いゴムだったと思われます。
(たしかダニー・エドワーズは元カー・レーサーで、レース・カー用のゴムを応用して作った、とかだったと思います。)


で、そのパターですが、真面目にパッティングに取り組むようになってから、こんな不具合を発見。



そりゃないぜ、きんぼう!って思いましたね。(笑)

で、とりあえず直し方を考えつつもう1本買うことにしたってのが、上の画像をクリックして出てくる 「パター買い替え」っていう記事です。

その時に、ショップのオーナーに奨められて、winnのAVSというグリップを使うようになる訳ですね。
(買い換えるって言っても、オールド・アンサーからオールド・アンサーでして、大して変わる訳ではありません。(^^;)


で、買い替えで探していた流れで、もっと非常に程度も良くて、憧れのデールヘッドのKersten CO. のオールド・アンサーにも出逢いまして、またまた買っちゃうわけですね。(笑) ↓

画像をクリックで拡大します。


このパターは、マジで最高です。   ラブラブです。(笑)

上の画像をクリックして出てくる記事中にも書いてありますが、スコアの40%はパット数だって考えると、パターは少々高くても、少なくとも全クラブに使う金額に対して40%の金額をパターにつぎ込んでも罰は当たらない、ってことね。 なんて屁理屈を編み出しまして(笑)、悦に入りつつ入手しました。

これにもグリップはwinnのAVSを装着しました。


そして、このパターには、必殺の宇宙兵器(笑)、カウンター・ウエイトを装着するという経過を経まして、



写真の通りになかなかカッコイイ、PINGのRedwoodシリーズのパターに使われるOEM供給のwinn AVSを、カウンター・ウエイトを中に仕込む形で使うに至ります。


ところがこの頃になって、masan72pt。さんに、winnのグリップは濡れるとめちゃめちゃ滑りますよ、と教えていただき(私、僭越ながら典型的な南カリフォルニア・ゴルファーで、雨中のプレーにトンと縁がありませず、気が付いておりませんでした。(^^;)まして、んー、ちょっと代替案を考えとかないといけないなぁ、と思うようになります。


むしろザーザーとたくさん振ってくれる場合には、雨対策用のグローブ(レイン・グリップ)を使うと、ぬるんぬるんのwinn AVSでも全く滑らずにホールド出来ることを確認しました。

しかし、朝露とか、降ったり止んだりの雨の時に、めちゃめちゃ滑ることがひとつと、素材の柔らかさ故にかなりグリップの摩耗が早く傷みやすいということについ最近になって気がついたことがふたつ目と、ちょっと真面目に代替え案を見つけないとなー。と思うようになった次第です。


しかし、Redwoodのwinn AVSは私的には非常に気に入っておりますのでそうそうは変えたくない。

慎重には慎重を期し、スペア・パターの方にもカウンター・ウエイトを装着した上で、タイトリストから出ているキャメロンのピストル型パター・グリップを試してみて、良ければプライマリ・パターにも同じものを付けよう、という段取りにしよう、と書いたのが この記事です。

ただこのグリップも、ショップの古いキャメロン・パターを参照しますと、古くなるとテカって硬くなるようですし、もうひとつ手の感覚がしっくり来なくて(しっくり来すぎて?)、全面的に満足ではありませんでした。


以上が時系列で追った、どうして難民しているのかの経緯です。(^^;


で、今回選びましたのが、このグリップです。 ↓

画像をクリックで拡大します。

(石鹸水でよく洗ってから写真撮ったんですが、グリップエンドの文字の中が濡れて残っていてやけに黒く写ってしまいました。)

なんか日本人の店員さんがいらっしゃり、日本スペックのクラブもかなりの勢いで手に入る(もしかしてLA店舗だけ?)と言う、ラスベガス・ゴルフさんに試しに立ち寄ってみたときに奨めていただきました、IOMICのabsoluteというシリーズのグリップです。


配色も揃ってますねー。流石に日本製品。(^^)


(いつものように、白抜きのペイント文字はアルコールで洗い落とすか黒マニュキュアを入れるかして、真っ黒にしてあります。(^^;
グリップエンドの文字も本当は白色です。)


その方曰く、エラストマーという樹脂で出来たイオミックのグリップは、耐水性、耐紫外線に優れ、耐摩耗性も非常に高く、また、手に馴染むペタペタ感も良好で、しかも長期に渡る耐久性に優れている上、中性洗剤で良く洗い水洗いをしてよく拭いて乾かせば、新品同様のしっとり感が戻る、という至れり尽くせりの商品で、しかもすべて日本製 (made in Japan)なのだ、ということでした。

最初気が付かなくて、この店員さんとは英語でやり取りしていたのですが、次第に日本語の堪能なおそらく日本人の方だということに気が付いたのですが、私のパターをえらく気に入って下さって(以前ピン・アンサーのコレクターだったみたいですね)すでに散々長い間お話していたので、カミングアウトが気恥ずかしくなってしまったのでそのまま英語で通してしまいました。
ごめんなさい。m(__)m


少ーしだけ形状がAVSと違うんですが、そのうち慣れるんじゃないか?と、素人判断。

他には、Carbite社の古い在庫グリップ(多分廃盤で安売り)とかが握りがすごく近くて気に入ったりしたんですが、今後のグリップ摩耗後の安定供給性とかを考えると、かなり二の足を踏みます。

Adamsの黄色いグリップも感触としてはかなり気に入りましたが、 ・・・色がね。(笑)
それと、グリップ単体で販売していませんので、取り寄せないとダメです。


ということで、しばらくこれで頑張ってみます。

難点を上げれば、お値段が高いです。 交換賃込みで$20払いました。
winn AVSなんて$3.99なのに。(笑)



あと1点。

いきなり練習グリーンで打ってみまして、いい感触でした。
特にロングパットに関しては、AVSよりよいかも知れません。

・・・が。

2フィート~3フィート(60-90cm)ぐらいのほとんどタップみたいなパットの時に、気を抜くとブレることしばしば。
この点は、タイトリストのキャメロン・グリップでも感じたことなのですが。

これはまだちょっと気になります。


で、考えてみたのですが、ひゃっぽさんのアドバイスで、ハタ!と思い当たることがありました。

手に(特に左手に)しっくり来過ぎているのでは?

デーブ・ペルツの本に、スキーのグローブをはめてパッティングするドリルが在るのですが、“Feel”を増幅するためにもパターのグリップ圧は極力ソフトに握らないと駄目なんだそうです。
(注: 英語の語感的には「soft」と「ゆるゆる」は違うように思います。)

しかも小さい振り幅のストロークほど、波打たないように静かに動かすには、グリップ圧を上げてはダメな傾向にあると感じました。


その点で、思い起こしてみますと、当初あまり好きでは無かったwinn AVSのとてもソフトなグリップが、ある種スキー・グローブ効果で助けてくれていたのではないだろうか?

これはけっこう当たっているんじゃないかと確信します。


以前、「生命線(Life Line)を使おう」っていう記事で、何故か自分でしっくり来る34インチのパターよりも35インチの方が結果が良かった。 と書いたんですが、

私の場合、あまりしっくり来てしまうグリップはかえって凶報(bad news)の様です。(笑)


***

追記:

2つ後の記事、ティヘラス・クリーク (カントリー・クラブ)を このグリップでラウンドしましたが、どうやら気持ちの上でもストロークの面でもかなり落ち着きました。

このグリップと、長いお付き合いになれそうな予感。
・・・ちょっと高いけどね。



3/29/2010

史上最高のパー・プレイ・・かも?


って言う題目で書かれたデーブ・ペルツのブログの記事のご紹介です。


その前に、史上最高のパー・プレイというと、誰の、どのホールでの、どんなパーを思い出すでしょうか?

私が思い起こしますのは、92年のマスターズの最終日の最終18番。
フレッド・カプルスが優勝したときのパーにはとても感動しました。

当時、Boom Boomというニックネームで呼ばれていまして、すば抜けた飛距離を誇っていました。
しかしあの頃はドローボールが持ち球で、たまに大きくフックすることがありました。

マスターズの最終日、前年の全米オープン・全英オープンでも3位に入ったほか2勝を挙げ、この年の序盤にもLAオープンを含む2勝を挙げて世界ランキング1位になっていたフレディは、最終日にはオーストラリアのグレイグ・ペリーを2打差で追う形でのペアリングとなりました。

このマスターズで話題になるのは、やはりどうしても12番パー3のパープレイだと思います。
ややショートして、グリーン前のクリークに向かうガラスの坂を転がり落ちかけたボールが、まるで物理法則に逆らうかのように奇跡的に止まり、パーを拾った、有名なあのプレーです。
この時点では逆転してトップに立っていて、2位に3打差を付けていました。

そして、マスターズでのメジャー初優勝がかかった18番のティーショット。

2打差の2位に居るのは、49歳にしてマスターズで11アンダーで回ってきたフレディの師匠、レイモンド・フロイドです。
実は、89年のライダーカップのチームで、キャプテンだったフロイドに可愛がられたフレディはメンタル面でのアドバイスを受け、大きく実力が開花した経緯があったのです。

最終日、フレディは1番、2番のティーショットを左に曲げ、コントロールにやや苦しんでいました。
解説からも、あの大きな二つのフェアウエイバンカーに届かないクラブで攻める選択肢が、推奨されていましたが、Boom Boomが持ったのはバンカーに届く3Wでした。

(昨年のアンヘル・カブレラが右の林に打ち込んだものの、木に跳ね返ってフェアウエー中央に戻って来るラッキーで勝てたのは記憶に新しいですが、このホールも実によく設計されていますね。)

あのゆったりしたリズムで放たれたボールは、・・・やはりかなり大き目に左へ曲がり、グリーンに遠い方のバンカーの中央へ。

この時に私は、フレディの自分らしいプレーに徹した頑固さ、男気を感じました。

バンカーから7Iでクリーンに打ったボールはグリーンを捉え、2パットのパーで優勝を果たしたのです。

この時の自分のスタイルを貫くパープレイは、私の心に強く刻まれました。


これはまぁ、大場面というシチュエイションとか、どのくらい重要なゲームでのパーか、といった観点での「最高の」パー、という位置付けですが、単純に技術的に(特にリカバリーとかが)素晴らしいパープレイと言う意味合いでの「史上最高?」かもしれないパーを、デーブ・ペルツのブログでは取り上げられています。



そういった観点で私が思い起こしますのは、これまたフレッド・カプルスで恐縮ですが、99年のプレイヤーズ・チャンピオンシップの初日、あの有名なTPCソーグラスの17番パー3、アイランドグリーンで達成した驚異的なパーです。

この↓VTRの、1:45~2:30のところにその様子が映っています。



ティーショットをわずかにショートしてウォーター・ハザードに捕まってしまいますが、フレディはドロップエリアには行かず、ほぼ同じ位置にティーアップして打ち直した3打目が、直接カップイン。

ホール・イン・ワンならぬホール・イン・パーの達成でした。




さて、またしても前置きが思いの他長くなってしまいましたが(笑)、2002年にフィル・ミケルソンがやってのけた驚異的なパーが、こちらです。


舞台は、2002年ベスペイジ・ブラックで行われたUS Openでのお話です。

実はデーブ・ペルツ自身も知らなかったそうですが、昨2009年にベスペイジ・ブラックにUS Openの舞台が戻って来て、フィルの練習ラウンドに付き添ったときにフィルから直接聞いた話しだそうです。

こちらです。↓

Maybe the Best Par Ever?

詳しくは上のリンク先の写真を、順を追って見ていただくとしまして、お話を端折って説明しますと、問題のホールは13番のパー5。

昨年は、605yに延長されていましたが、2002年当時は545yの、フィルなら 2つで届く距離のパー5でした。
2打目を、当然2オン狙いで4Wを打ちましたが、やや右に逸れグリーンから25yぐらいのところへ飛びました。
キャディーと共に、ピンまで40yぐらいのピッチショットを想定してグリーンへ向かったフィルは、とんでもないことが起きていたことを知ります。

ギャラリーの居た軽いラフに落下したボールは、ほとんど止まりかけましたが止まらず、ころころと転がり始めた後、なんとカート道へと転がってしまい、今度はそのアスファルト敷のカート道をどんどんどんどん転がり落ちてしまい、カート道がT字になっているところまで145yも転がり落ち、T字のところの4インチのラフでようやく止まったのです。


転がり落ちたカート道がこれ↓で、




レフティのフィルの代わりにペルツが構えている写真がこれ↓


グリーンまでは187y、6番アイアンで弾道の低いインテンショナル・スライスを打ち、なんとこの穴を通してグリーンのフロントエッジまで持って来たのです。

なんなくアップ&ダウンを決めて、このホール、パー。

信じられない神業です。


リンク先の写真は残りすべてはあちらで見ていただくとしまして、私の方は、ちょっと上空から検証してみます。

ベスページ・ブラックのコース図は、こんな感じです。


13番のグリーン東側のカート道は書いてありませんね。



Google Mapからコピーしてきた航空写真を載せてみます。↓

クリックすると拡大します。


向きは上下(南北)を入れ替えてあります。

2002年当時のティーイング・グラウンドは私が付け加えました。
白線が、1打目と2打目の大体の想定で入れた軌跡です。

そこから、黄色線で転がり落ちる軌跡を入れてみましたが、ギャラリーに踏まれたラフを転がり落ちて行き、カート道に届いた後はカート道沿いに最初カーブしてそこからは延々と転がり落ちて行って、カート道がT字になったところまで行ってようやく止まった、という説明でした。

こんなこと起きるんですねー。
USオープンなのにカメラがカバーしてなかった場所って書いてありましたけど、そりゃぁこれはカメラ無いでしょ。って感じです。

そして3打目、これを6Iの低弾道スライスでくぐり抜けてグリーンサイドまで戻す、っていうショットは本当にすごいですね。

アップ&ダウンを難なく決めてパー。


普通は、アンプレアブルを選択して2打目地点に戻って4打目って対処しかしようがありませんよね。

ペルツのブログには、Phil のこのパー・プレイの何がすごいって、このショットをUSオープンでやってのけてしまうところがすごい。 って書いてありました。

もし途中の枝に引っかかりでもして、さらに林の中、とか、転がり戻って来てまた元の位置、とか、いろいろなシナリオを考えますと、確かにこれを
打ってしまうジャッジがすごいです。
打ってしまってもしも失敗したあかつきには、2打目地点に戻るオプションはもう存在しません。

私はやはり「アンプレアブルを選択して2打目地点に戻って4打目」の方が正解だと思います。
めちゃめちゃうまく行けばパーもありますし、ボギーにするのはそれほど大変ではないでしょう。


フィルはちなみにこの大会トータル・イーブンパーで、優勝したタイガーに
3打差の7位タイでプレイを終えています。




***

追記:

KIAクラシック11番ホールでの、ミシェル・ウィーのクラブがハザード内で地面に触れたペナルティーの件、

本人が延々20分以上にわたって抗議をして、「私にとってフェアじゃない。」「バランスを崩してクラブを助けに使ったケースで、ノーペナルティーだ。」とビデオ室で競技員二人とリプレイを見ながら主張した場面がTVで丸々、長々と放映されました。
優勝も決まった後でしたし、注目されてますし、放送時間も余ってたんでしょうね。

まずは、一見にしかずですから、このビデオを御覧下さい。


以下、私の感想に代えまして、昨日友人とやり取りしたtext messageを。


(友人)
Subject: wie
did u see? or hear? that michelle wie grounded her club and she was
penalized 2 strokes...


(私)
I watched it and had to hear her lengthy does-not-make-sense-at-all
appeal for about 25 minutes.

Her appeal did not have any point.
...and it was painful to hear/watch such whining from Wie.


She lost it and was down from T2 to T6 which cost her about $89,000.



こちらにその、見ちゃいらんない抗議の一部がビデオに収まっています。