1/29/2019

Flag in ... or flag out? (ピンは立てたままパットする? それとも抜く?)


先々週末は友だちとMarshall Canyon GCに行ってきました。



紅葉がきれいですね。
(南カリフォルニアですので、こんな時期に紅葉してたりします。)
コース内に、何組もの鹿の家族が暮らしている模様です。

山のへりにありまして コース全体がかなり傾いていますので、ティーショットも斜面を考えて打っておかないと全部流れていきます。
グリーン上に立ってしまうとホール全体の傾きが見えなくなってしまって、なんだかボールが坂を上る方向に曲がっていくような錯覚を起こしてしまします。
前半のパッティングはものすごく苦労しました(というか外しました)が、後半は長いのがやけによく入ってくれました。



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今年から新ルールで変更された中に、旗竿をカップに立てたままパッティングしてよい、というのがあって、みんなこれについて議論しあったりしていますが、そろそろ落ち着いてきた感じでしょうか。

PGAのツアー・プロも、まずはいち早くブライソン・ディシャンボーが『僕はなるべくピンを立てたままプレーするよ。』って表明して物議をかもしましたし、先週のトーリー・パインズで行われたファーマーズ・インシュランス・トーナメント見ていましても 2位に入ったアダム・スコットはショートパットに至るまで全部ピンを立てた状態でパットしていました。

立てたままパットした方がカップインする確率が高いのは実証されて証明済み、という空気に落ち着いてきています。

ただし、ツアープロの間でも、我々通常のゴルファーの間でも、やっぱりピンを抜いてパットしたい、という方々は少なくない様子です。

そもそもね、プレーのスピードアップのためにこのルールが導入されたのですけれども、ピンを立てたままカップインして、さらにピンを立てたままボールをカップから拾おうとする人が多いんですけど、これが結構時間かかったりします。(笑)


私としても、この議論にカーブボールを投げておこうかと思います。


まずはこちらのデータ。

イタリアのプロモリナリ兄弟のお兄さんが実験してみたところ、ピンフラッグを抜いてパットした方が有利な場合があるという結果を得ました。
このデータ、あまり出回っていませんので意外ではないでしょうか?

Edoardo Molinari conducts pretty scientific putting/flagstick experiment — and the results may surprise you

クリックで元記事サイトの画像にリンクしてます。


表の中で緑に塗ってある部分のデータはピンがあった方がカップインしやすいけれども、赤く塗られているデータは、ピンを抜いた方がカップインしやすい。という結果になっています。

モリナリの実験では、カップの中央にちょうどカップインするスピード、カップの後ろの淵(壁)にボールが当たるスピード、空中に跳ね上がるスピード、の 3種類のストロークの強さで比較しています。

カップの後ろの淵(壁)にボールが当たるくらいのスピードで打った場合は、ピンに当たるアングルとピンを擦るアングルの両方でピンが無い方がカップインする確率が高いというデータですね。

これはピン立て派に対するひとつの反旗を翻すデータになっています。



My Golf  Spy.comで掲載されていたデータも載せておきます。
こちらは基本的には1990年にデーブ・ペルツがすでに行っていた実験の焼き直しですね。
ツールも同じもの (True Roller) を使っています。

TESTED: FLAGSTICK IN (VS) FLAGSTICK OUT?

クリックで元記事サイトの画像にリンクしてます。


ほぼすべての条件において、ピンを立てたままパットした方がカップインの確率は高い、という結果になっています。

ストロークの強さとしては、(カップがなかったら) 3フィートオーバーするスピード、6フィートオーバーするスピード、9フィートオーバーするスピード、の3種類です。
ピンに当たる角度としては、ど真ん中と少しずれてあたる位置の2種類。

二つの表がありまして、真っすぐなピンと、ハイコアになっていて下の方を細くしてあるピンの2種類で行われています。



どちらの実験も、詳しくは書かれていませんが、平らなグリーンで行われた実験のようです。

これに加えまして、デーブ・ペルツの本に書かれている実験は、1990年に、グリーンの外からチップインを狙うケースを想定してグリーン上で True Roller を使って転がして実験されていまして、もっと条件は多く球数も多く実験されています。

スピードは3種類でMy Golf  Spy.comのと同じ、3フィートオーバー、6フィートオーバー、9フィートオーバーの3種類で、エイミングとしては、ピンの中心、ピンの左右の端の位置に照準したもの、それからその間の位置に照準したものの5種類、さらに上りのラインと下りのライン、サイドライン、という実験を、2種類の違った芝のグリーンで行った、と書かれていました。
そればかりか、ピンが手前方向に傾いている場合、向こう側に傾いている場合、横向きに傾いている場合、なども想定してテストしたと書かれていました。

さすが元NASAの Researcherです。いつもながら半端ないです。

そして、そのほぼすべての条件において、ピンは立てたままの方がカップインしやすい、と結論付けています。

以前私のブログにも、ペルツ・コーチの実験をご紹介しています。
ご参考まで。 ↓

     「ピンフラッグは「抜かずにお願いします。」の巻


ゴルフのマッド・サイエンティストとの異名を持って呼ばれているブライソン・ディシャンボーはデーブ・ペルツの本は熟読していますから、このデータは当然知っていての発言だったと思われます。


ですから、ピンは立てたままパットしましょう。・・・と結論すべきところですが、私はモリナリの実験も踏まえてちょっと考えました。



1/19/2019

レイアップはグリーンまで100y残しますか? 本当に?!


MyGolfSpy.com にこんな記事がありました。


COURSE MANAGEMENT 101: WHAT LAYUP YARDAGE IS YOUR SWEET SPOT?」  by MyGolfSpy.com

(和訳) 「コースマネジメント101:レイアップするときのあなたのスイートスポットは何ヤードですか?」

という内容で、データは記事中にあります下の画像にまとめられています。

60−80yから打ったときのアマチュアのハンディキャップ別にカップまでの残り距離のアベレージをとったものと、100−120yから打ったときの比較のデータです。

クリックで元サイト(MyGolfSpy)の大きい画像にリンクしています。


この記事の結論は、簡単に言いますと「できるだけ近づいたほうがいいんじゃないの?」ってなってます。
HDCPが 0から20以上まで、どのレベルのゴルファーの場合であっても、100-120yからより、60-80yからの方がアベレージの残り距離がカップに近い、っていうデータになってまして。


で、この結果って 今まで信じられていたセオリーとは違うんですよね。

私もこう思っていましたが、

グリーンまで 10−30y辺りまで近づければチップショットで寄せができるのでそれは良いとして、『中途半端な 60−80yを残すくらいなら、PWとかのフルショットで打てる 100y前後を残すようにマネージメントした方がスコアが良い。』っていうセオリーです。


ざっと簡単に検索してみましても、以下のような記事が出てきます。


パー5(ロングホール)で手堅くパーでホールアウトするコツとは!? 」
 by ▼▼
マーク金井の場合、100yと115y、130yが得意な距離です。これらはAW、PW、9Iのフルショットの距離。この距離ならば、池越え、谷越えでもプレッシャーがかかりません。ちなみにパー5で一番リスクが高いのが40y~60yです。この距離はハーフショットで距離感がつかみづらいですし、案外、ザックリやダフりが出やすい。

グリーンから20ヤード以内に寄せられなければ迷わず“レイアップ”!?
 by Gridge
アベレージゴルファーにの場合は、30~60ヤードくらいのアプローチってミスショットしやすく大叩きにつながりやすいんですよね。レイアップするときに気をつけたいのは自分の得意距離を残すことです。
ちなみに私の場合は100~120ヤード、できれば100ヤードか120ヤードのどちらかの距離が残るのがベストです。理由は簡単でして、ピッチングウェッジとアプローチウェッジのフルショットの飛距離がそれぞれ120ヤードと100ヤードだからです。

100ヤード大作戦が大成功 岡山絵里が首位発進 」  by JLPGA News
「ピンを狙わない。グリーンに乗ればオッケー。私は残り100ヤードの距離が、得意で好き。それを残してPWで打つ。きょう1日、それを徹底しました」。

主旨は皆さん同じですね。
私もそう思っていました。

...思ってはいましたが、でも私は実際には障害物がない限りできるだけグリーンに近づけたいクラブ選択をしますね。
レイアップで残す距離は、バンカーまで届かないように、とか、木が邪魔であの辺りまで行くのが一番確実だから、とかの理由でない限り、120y、100yをわざと残すっていうのはやっていません。

これはですね、冒頭のデータが頭にあったからとかではなくて、以前ご紹介しました、「3x4システム by デーブ・ペルツ」っていうのを実践しているからなんですよね。

こちらをクリックすると出てきますが、→ 現在の私の3x4システム
..は、表にあるようなヤーデージです。
実のところぴったり 100y打つクラブは無かったりします。(笑)


でもですよ、冒頭のデータからすれば、HDCPが0−5、6−10、11−15、16−20、20+、のアマチュアゴルファー全員が、100−120yからよりも、60−80yからの方がカップの近くに付けています。

ちょっと意外じゃありませんか?
でも実際はそういうデータになってるようです。


*ちなみにPGAのツアープロの場合、100−125yから打ったときの平均は、19.7フィートだそうです。 さすが。 HDCP 0-5のアマチュアの平均 41.4フィートとはかなりの差がありますね。

ですから、上記3つのリンクの中でも、岡山プロの記事の場合はちょっと事情が違ってきます。 本当に100yをよく練習していて得意なのだろうと思います。



で、私が思いますに、そもそも100yからっていうのは、ぴったり残せるんだろうか?っていう疑問ですね。

レイアップを慎重に打って100y残そうとして、117y残っちゃったり、84y残っちゃったりしますよね? 私は、します。

で例えば、まぁまぁ上手く行って106y残るとしますよね?
ピッタリ100yで打っていきますか?
上手く行ったら6yショートするの分かっていて?

セカンドショットをもうちょっと頑張って、60y−80yまで行ったほうが良いんじゃないでしょうか??


こんな本もあったりします。

レイアップでも距離を稼ぐ」  by ゴルフデータ革命
たとえラフであっても30yまで近づいたほうが、80yのフェアウエーから打つよりも、0.3打、打数が少ないというデータになっている。ほとんどのゴルファーにとってはよりグリーンに近づいた方が得策である。
っていうことが書いてあります。


もうひとつ、私は 3x4システム を実践していまして、実はショートアイアンなどの場合や特にウエッジ類の場合は、ロフトが大きければ大きいほど、フルショットよりも 9時のテークバックで打つスリークォーター・ショットの方が、全然安定した飛距離が打てるんですよね。

ロブウェッジ や サンドウエッジ などのロフトが大きくて短いクラブのフルショットは実はそんなに易しくないと思います。

4 x 3 System by Dave Pelz (yspz用)

Loft
7:30
9:00
10:30
PW
46°
54
81
108
AW
50°
46
69
92
SW
54°
38
57
76
LW
58°
32
48
64
よく使うのは青い数字


20-30年も前のゴルフラウンドでは、距離表示杭が100yのところに目印されてて、そこから歩測して残り距離を予測していましたから、100y近辺にボールがあるとより正確に残り距離が把握できて便利だったのはあるんですよね。
それもあって、是非 100y前後を残したい。(^^)


でも近頃は、レーザー式のレンジファインダーで旗まで距離測ったり、カートやスマホのGPSで残り距離が1y単位で表示されてたりしますよね。かなり正確に。

...近代ゴルフにアジャストしましょう。
グリーンまでの残りは短い方がより良いと思うことにします。
実際にデータ的には結果が良いはずです。

2打目をぴったり100yに残すように打てる技術・技量・腕前があるなら、そもそもこんなこと考えなくってもよいんじゃないでしょうか?? 



1/15/2019

TOUR PREFERRED EF WEDGE の58度を導入


Jack Nicklausのグループ設計のコースで、とてもダイナミックな造りのゴルフコースです。
冬ですので、フェアウエーのバミューダ芝は茶色くなっていますが、ベント芝のグリーンは濃い緑色でした。



国立公園のAngeles National Forestに隣接しています。
日本人経営のコースだそうで、スナック・バーにお弁当セットとかがありました。
何年も前ですが、古閑プロや丸山プロがこっち来たときに練習ラウンドしてる、ってサンディエガンさんにお話伺いました。

過去にラウンドした記事があります。 
  → 「エンジェリス・ナショナル (ゴルフクラブ)

難しいですが、楽しいコースです。
今回は82で少し雪辱できたかも。(^^)


−−−


かれこれ 10年近くバッグにロブウェッジは入れておりませんで、一番大きいロフトのクラブが 54度のサンドウエッジという状態で来ていたわけなんですが、今回思い切って 58度のロブウェッジを導入してみることにしました。


いままで使わずにいた理由は単純に難しいと感じていたからです。

ロブウェッジは上から構えて見るとフェースが大きくて易しそうに見えるのですが、ボール側からウエッジのフェースを見るとすごい薄くてボールの幅の半分もない、まさにブレードって感じに見えるんですよね。
それだけ正確にボールに入るように打たないといけないということなので。

以前こちらの記事に写真を撮って記事にしています。

ボールの目線で考えてみました。

(60度のウエッジ)


で、今回ロブウェッジを導入してみようかな?と思ったきっかけはデーブ・ペルツの本を読んでいて、「なるほどなー。」と思ったからなんですよね。

from Dave Palz's Short Game Bible

こうやって視覚化されてみますと、約80y以下をほとんど 1本のサンドウエッジでカバーするよりも、もう 1本短い距離を打てるクラブを入れるというのは確かに理に適っているなと思いました。 

...ちゃんと打てれば、ですが。
しばらく試験的にトライしてみます。


で、とりあえず購入したのはロフト58度、バンス角10度、ライ角64度のこちらのロブウェッジです。

クリックで画像元のGolf A Lotの記事にリンクしてます。

EFっていうのは、Electroformed Nickel Cobalt Grooves の、ElectroFormedからの命名のようです。


次はフェースとグルーブ(溝)。

クリックで画像元のGolf A Lotの記事にリンクしてます。

Faceははめ込みになっています。
これがあんまり好きじゃなくて、サンドウエッジはTOUR PREFERRED WEDGEの方を選んでいたのですが、今回 Pre-Ownedの中古品を買ってみて思いましたが、このニッケル−コバルトの処理がされているプレートは摩耗が少ないですね。
スピンが効く期間が断然長そうです。


クリックで画像元のGolf A Lotの記事にリンクしてます。

サンドウエッジもこっち買っとけば良かったなー。
今となってはこのモデルは新品では売っていませんが。

でもまぁ54度のサンドウエッジは TOUR PREFERRED WEDGEの方のスペアまで買っておいたので、つい最近良い状態のウエッジをおろしたばかりです。


ドラインビングレンジとシミュレーターで数十発のボールを打ってみまして、飛距離としては、

10:30 → 64y
 9:00 → 48y
 7:30 → 32y

だいたいこのくらいの距離が打てそうです。


グルーブもけっこうスピンが効く様子ですし、トップして歯で打ったり、あるいはざっくりダフったりすることが少ないように十分に気をつけて有効な武器として活かせていけたら、と思っています。