前記事 「ピュア-イン-ライン-スクエア (pils) パッティング・ストローク」の
続きです。
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デーブ・ペルツによれば、(前記事の写真のパッティング・アーク練習器具を使った時のような)アークを描くストロークでパター・フェースをわずかにでもオープン/クローズするには、腕(もしくはリスト)のロールを入れる動きが入る、と言うことなのだそうです。
基本的にはペンデュラム・ストロークでありながらわずかに腕の筋肉の力を入れる、いわゆるミックスのストロークと分類されるのが、こうしたストロークなのですね。
ベン・クレンショーやブラッド・ファクソンなどが、このストロークのようです。
ジャスティン・レナードなどは、もっとスクリーン・ドアに近いストロークをしているようです。
シンプル度では、やや劣るものの、決してこうしたストロークが否定されているわけではありません。
デーブ・ペルツは分析の達人であって、理想のストロークの求道者では無いのです。
前記事のリンクのページのひとつにある、このイラストをご覧になって下さい。
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ここで動いているような、ショート~ミドル・パットの範囲では、まぁ誤差範囲と言えないこともありません。
この振り幅よりも大きく振ったときには、フェースの開き具合に差が出てきそうですが。
以前、テークバック相関グラフという記事で出しました打つ距離とテークバックの大きさの相関のグラフ上に、「パッティング・バイブル」の中にあった、デーブ・ペルツ本人のデータを赤線で重ねてみました。
図をクリックで拡大します。
ここで、D. P.として引かれている赤い線と比較してみて判ります点が、いくつかあります。
1) デッド・アームにして完全な振り子に近いストロークを実践しているペルツの線はテークバックとパットの距離が比例する1本の直線になっています。
(ただし、9mよりも長い距離をどうコントロールしているのか、テークバックの大きさは如何に?というところはデータが書かれて居りません。)
2) そして、腕の筋肉による力を極力加えないため、同じ距離を打つのにより一層大きなテークバックを必要とします。
(これは、その事自体に優位性が出る、という説明がされています。距離を打ち分けるためのテークバックの大きさを区切って付ける差が付けやすいためです。)
3) 7歩以内の私のデータと、デーブ・ペルツのデータは、非常に近く近似しています。
(D. P. ラインの方が上にあると言うことは、ペルツ先生の方が同じ距離を打つのに少し振り幅が大きいと言うことです。)
デーブ・ペレツは、1歩の歩幅をちょうど91cm (3フィート)にするように歩く
練習もしているそうです。
デジタルパットは実践していなくても、テークバックとパットの距離の相関関係など、やはりさすがは物理研究者、細かくデータを取っているんですよね。
ペレツ先生は、チップ・ショットなどのショートゲームの本も出していますが、チップ・ショットのストロークとパッティングのピュア-イン-ライン-スクエア(pils)のストロークは、全くの別物だ、と述べています。
一方私は、チップ・ショットもパッティングも、極端に言うとドライバーのストロークさえ、ほぼ同じものと捉えていました。
超スロー動画を撮ったときに、私の場合はテークバックにかかる時間が、トップからインパクトまでのストロークにかかる時間の3倍ぐらい、つまり(テークバック):(ストローク)のスピード比ではほぼ(1:3)という事実を知りましたが、これは、そのひとつの裏付けとなる証拠だろうと思います。ドライバーのスイングでも同じような比率です。
また、パターを持って腕をリラックスさせ左右にブラブラと自然に任せて振りますと(というかむしろ揺らすといいますか)、大きく振った部分で自然とパターフェースが少し開き/閉じします。
そしてその量はほとんど一定です。
そう言った意味では、自分自身の自然な動きを優先し、今のところもうしばらくはこのまま改造せずにベン・クレンショー派の、ミックスのストロークで行ってみようと思いました。
ちなみに余談ですが、真っ直ぐに打ち出すストロークの正確性は、パットの結果に17%しか影響しないが、ボールをヒットするときのパターフェースの角度の正確性は、83%も影響してしまうため、ショートパットでは特に、
パターフェースの角度をきちんと打ち出し線に直角に合わせることの方が、真っ直ぐ引いて真っ直ぐ出すことよりもずっと重要である、ということも書かれています。
もうひとつ、距離のコントロール(ボール打ち出しのスピードのコントロール)を身につけることは、パッティングを想定ラインに乗せる以前の重要事項である、ということも明確に書かれていまして、デジタルパット(決め打ち)でノリさんや我々が感じていることが、ズバリと書かれていました。(^^)
おはようございます
返信削除携帯のちっちゃい画面で見てると写らない映像もあります。
こうして前記事と通しで精読すると、
これは、論文・・もう学術論文そのものですよ。
打ち出しの方向が自分の狙いとずれていたのでは、折角距離をある程度打ち分けられるのにもったいない・・と思い知らされたのは、キャディーの斉藤さんのひと言でした。
「打ち出しが狙いとボール半分ずれてます」
目印を置いて検証した結果、目で見る狙いと実際のボールの打ち出しが確かにずれていました。
それを修正しようと今実際にやっているのがビリヤード式練習です。
ボールの芯と芯を当てようとするにはフェースをスクウェーなまま、真っ直ぐテークバックする方が易しい!確かにクロスハンドだからやりやすかったと思います。
打ち出したい、狙いと真反対に真っ直ぐ低くテークバックができれば・・・・
この意識がTBでフェースがオープンにならないようにしている結果だと思います。
膨らませ具合のデジタル化はとっても難しいですこれが出来たら5mのパッティングがワンパット圏内になっちゃう
グリーン回りの寄せのデジタル化は大雑把ではあるものの出来そうな感触を持ち始めています
グリーン回りとグリーン上は、今年ますます楽しめそうです。
いつも脳みそが沸騰するような記事ありがとうございます。
Posted by:ノリさん at 2010年01月03日(日) 05:29
ノリさん、こんにちは。
返信削除図や写真は、大抵クリックすると別画面で開くか、または元のサイトを別画面で開くようにしてありますので、携帯でもなんとか見えるとよいのですが。
デーブ・ペルツは上のグラフのようなデータをこまごまと出していますが、方法論的には、subconcious(潜在意識)の持つ能力を最大限に引き出そうと言うやり方です。
(データは残念ながら30フィート(約9m)以上のところは載っていなかったのです。)
先日、フィニッシュの重要性(パッティング)という記事に書きましたが、8秒間のショート・メモリーをsubconciousで有効活用するのです。
ショート・メモリーは8秒毎に30%ずつ失われるため、構えてからできるだけ短い時間で素振りストロークの感覚を使う方が有効なのだそうです。
パットのとき、構えてから打つまでが10秒以上もかかる長い人にパットの上手い人が居ないのには理由がある、と説明されていました。
パッティング・バイブルの後半には、グリーンの読みの分析も丁寧に書かれています。
私なりに消化して実践してみた後には、また記事にしてみますね。
Posted by:やきそばパンZ at 2010年01月03日(日) 08:56
おはようございます
返信削除Xくんへのコメントでは、自分のモヤモヤを文字にして下さってありがとうございます。
ペルツ先生のペンデュラム式ストローク・・・
両脇に挟んだ長い棒が両サイドのガイドに沿って上下に動く動画・・・・
自分のストロークと全く違うし、あれでは自分のボール位置では打ちにくいだろうな~と思ってました。
それがZさんの分析で、自分のことなのに改めて納得してしまいました
距離の打ち分けと方向性を求めての試行錯誤・・その結果集約された形で、そこには計算や設計図のようなものはなかったですね~。
変な話ですけど1時間あるいは2時間パッティングやっていても腰はもちろん、どこも痛くなりません。
姿勢までもベストな形を作ったようです。
ホントにいつもありがとうございます。
Posted by:ノリさん at 2010年01月15日(金) 06:08
ノリさん、こんにちは。
返信削除デーブ・ペルツは、(これは必ずしも言い切れる訳ではないが)背の高い人の方がパットが上手い。と言っています。
TVで解説者が、「大柄なプレイヤーなのに小技が上手い。」とか言ってるの聞くと笑っちゃうそうです。
ノリさんは身長がありますから、縦振りの、非常にいい形のストロークを作り上げていると思います。
ホントにね、何から何まで理に適っているんですよ、ノリさんの決め打ちパット。
パターのスペックもしかりで。
少し長い、肘より上で脇の下近くまで来る“長尺パター”を、文字通り左腕と一体化して持ち、左腕に添え木のようになっているパターと左腕の一部を右手で持つようなグリップにしたら、もっとロボットみたいに正確になるんじゃなかろうか?
とか、いろいろ勝手に想像してしまいます。
スタンス幅を変えると、連続性が断続性に切り替わるのはちょっと新鮮な驚きでしたが、それとて、とてもいい具合にシステム化されていると感じました。
例えばノリさんシステムに4足分開けたスタンスを追加(するのは簡単ではないと思いますが)して、少しだけパンチを入れる長距離にも、デッド・アームで完全な振り子式で挑戦なさると良さそうだ、とペルツの理論を読んで思ったりしました。
私がいつもノリさんのシステムをべた褒めしているのは、本当に心の底からすごいと思っているからなのです。(^^)
一方私はと言いますと、例えばスパイダーのクランクネックのやつは私にも比較的打ち易いのですが、あれはフェース・バランスしていないんですよね。
すべてをピン・アンサーで作った私としては、完全なペンデュラム式はかえって不自然になってしまうので、向いていないと判りました。
もっと他に改善すべき点が多々ありますので、まずそっちを優先します。
それでも、デジタル・パットの方法論自体は、私のストロークにも非常に有効です。
Posted by:やきそばパンZ at 2010年01月15日(金) 10:20