11/05/2010

SFSS打法に恐怖のDHSシナリオなし?!


「パット・エイミング教本」という本のご紹介を致しました記事続きを読むのところで、著者の細貝隆志さんがサイドサドル打法を実践し、推奨なさっていることに触れました。



(画像は細貝さんのサイトからのフィードで、クリックでリンクしてます。)


細貝さんの「パット・エイミング教本」を読みましたときに、「狙いの目標は、曲がり幅の2.5倍の位置になる。」という法則を目にしたときに、「んん?これは」と思いましたのですが、

それは、デーブ・ペルツの言う、「ほとんどのゴルファー(ツアープロも含む)は、本当の狙いに対して約1/3しか曲がりを読んでいない。」という記述との合致でした。


細貝さんの場合には、カップの中心から測って2.5倍という表現ですが、ペルツの場合はカップの縁からどのくらいの位置という測り方で、しかも対象は物理計算ではなくて個人差のある数多のゴルファーということで「約3倍」という表現になりますので、それは2.9倍なり2.8倍なり・・・ということで考え、カップ径の半分を差し引けば、

いうなればこの二つの記述は完全に一致します。

ペルツのバイブルにも、多くのゴルファーが曲りを小さく読んでしまう理由として、目に見えて印象に残るボールの軌跡のラインの曲りの頂点に気がいってしまうためだと書かれていまして、細貝さんと同じ見解です。


ボールを打ち出す本当の目標方向は、カーブの接線方向であって、思っているよりもずっとずっと外側なんだ、ということは私自身も自分で気がついてこのブログの初期に「パッティング・ラインと目標」という記事に書いたりしています。

しかし、2.5倍(もしくは約3倍)も外側に! っていう意識を持った方は少なかろうと思われます。
なぜならペルツによれば、ツアープロでさえそこまで外側だとは読んでいないそうですから。



私が思いますに(勝手な想像ですが)、細貝さんはイップスにかかってしまいこの対策のためにサイドサドルを取り入れた結果、副作用的に、本当のラインが見えてきたのではなかろうか?
という感想をもちました。

恐らく大きくハズレては居ないと思います。

ペルツの場合は、ゴルフでは大学のチームでプレーするほどのトップアマであったにもかかわらず、(NASAの研究者魂がそうさせたのでしょうが、)他のゴルファーがラウンドするのについてまわり、データを取りメモを取りながらクラブを持たずに1日じゅうゴルフ場を歩けてしまうという、ある種の変態です。(笑)

真後ろから正面を向いてパッティングのボールの軌跡を見ていて、本当のラインが見えるに至ったことも想像に難くありません。


往々にして、ゴルフを‘なさらない’キャディーさんの中に、グリーンの読みが恐ろしく上手い方が居らっしゃる現象も、この辺りが原因になっていそうな気がいたします。



そんなに大幅に読みが外れていて、ツアープロはなぜあんなにパットが決まるのか?
という疑問はもっともです。

ペルツの本によれば、ゴルファーは少なからず無意識に調整を入れているのだそうで、例えばかなり大きめに曲がる右打ちのフックラインだったとしますと、

ゴルファーは、まず読みは1/3程度を読んでいる。
構えたときに、パター・フェースは若干右を向く。
ストロークした時に、インパクトの時点でパターフェースはもう少しだけ開き、さらにストローク自体がインサイドアウトになる。

という調整をしているらしいです。

ハイハンディのアマチュアは読みもより浅く、調整量も少ない。
ローハンディやプロになるほど、読みは少し深くなるが本当の目標ラインには程遠く、しかし調整量はぐっと増えてくる。

というのが、観察された現象だそうです。


「いやいや、ボールに線は引いているし、目標に構えるときはスパットを決めてそこに構えているし、そんな調整はしていないよ。」と思われる方がほとんどだと思います。

しかしながら、subconscious(無意識)が行っていることをconsciousに認識することは、容易なことではありません。

ビデオで撮ってみた自分のスイングが、「自分で思っていたイメージと全く違う!」ということは誰しも経験がありますが、これこそがsubconsciousに支配されて動いている証拠なのだそうですから。



能書きはこのくらいにしまして(笑)、

ここで私は仮説を立ててみました。


以前書きました、「ダウンヒル・スライダー その1」、「ダウンヒル・スライダー その2」という記事をご記憶でしょうか?

もしご記憶が鮮明でなければ、もう一度読んでみてください。
私が自分で読み返してみても、なかなか面白い実験/練習法です。



グリーンの読みのズレの他に、エイミングの読みが足りないことを本能的に知っているsubconsciousが勝手にしてしまう調整に、“無意識に強く打ってしまう”という現象がありました。

このままでは入らないことを知っていて、無意識に強く打って浅いラインに合わせようとしてしまうんですね。


追記です。;

yamacchiさんが、またまた素晴らしいシミュレーション結果をグラフにしてくださいました。
是非ともグラフをクリックしてyamacchiさんのサイトに行って、yamacchiさんの記事を読んでいただきたいとおもいます。



以上のような理由から考えました仮説は、

決して長くない距離から3パットしてしまう恐怖のシナリオ、ダウンヒル・スライダーは、サイドサドル打法には起きないのではないか? ということです。

もうこれはやってみるしか無いでしょう。(笑)

(↑クリック!!)

(画像はサイトからの直接フィードで、クリックで記事にリンクしてます。)


いかにダウンヒル・スライダーが危険で難しいパットなのか一目瞭然で、グラフを見ているだけでヒヤヒヤしてしまいますね。(^^;



この長尺パター、ホワイト・ホットのRossieで、49インチです。
中古品ですが、破格の$29で売られていました。

これを持ち出して、練習グリーンへ。


前フリが長かった割に、結論はあっさりです。(^^;





生まれて初めて使う長尺パター。
しかも生まれて初めてトライするサイドサドル打法。

当然苦戦が予想されましたが、意外や意外。

「恐怖のダウンヒル・スライダー・シナリオ」、思ったとおり、 ・・・起きません。


なんということでしょう。

Subconsciousが引き起こす現象を充分に理解し、本当のエイミングラインが2.5倍もしくは約3倍の位置にあることも十二分に理解し、そんな私が心して打っても、なおかつボールがするするするーっと行ってしまいがちな、あのダウンヒル・スライダー現象が起きません・・・。


細貝さんとのやり取りでは、「サイドサドル打法、いざやるとなりますと、かなりパットを決める腕前にならないと人前で披露するにははばかりますから採用は躊躇せざるを得ませんですねー。」 と申し上げさせていただいたのですが、明らかなるメリットはこの実験だけでも十分に感じることが出来ました。

長尺の扱い自体に全く慣れておらず、サイドサドル打法におけるテークバックの大きさをControlする術もまるで持ち合わせていない私が実験台でしたから、数打つうちには、遥かにカップを過ぎてしまうパットもありましたが、打った瞬間にデカかったか!と分かる当たりですから、現象が違います。

この実験、出来ればダウンヒル・スライダーが起きるメカニズムを知らないゴルファーさんに長尺サイドサドル打法をトライしてもらって、本当に起きないのかどうか実験してみる必要があるかも知れません。


誰か居ないかなぁ・・・。(笑)




Bubba Watson


10 件のコメント:

  1. Zさん、おはようございます。
    デイブペルツパッティング博士の下り
    ・・クラブを持たずに1日じゅうゴルフ場を歩けてしまうという、ある種の変態です。(笑)
    思わず吹き出してしまいました
    私も今、変態扱いされています。
    「一歩ずつの打ち分け~?しかも計算ずくで?勘に頼らない~?あり得ね~だろ!そんなこと。」ってな罵声を浴びてます。シングルさんですよ、こういう人達。だから、Zさんって凄いと改めて思いますね。
    ・・・デーブ・ペルツの言う、「ほとんどのゴルファー(ツアープロも含む)は、本当の狙いに対して約1/3しか曲がりを読んでいない。」という記述との合致でした。
    ・・・
    頷けますね、距離が合わせられるようになっても少なく見積もっていました。距離を合わせられるようになってからこの誤差が次第に明確になって来るようです。そうか!3倍か!今度これを意識を持って検証してみます。

    Posted by:ノリさん at 2010年11月05日(金) 07:16

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  2. ノリさん、コメントありがとうございます。


    グリーンの読みが正確なキャディーさんについて、頷けるところありませんですか? (私の主観ですが。)


    もうひとつの記事(パット・エイミング教本紹介)の方のコメントに書きますが、距離の打ち分けをテークバック量で行う場合、ストローク幅の2乗に比例した数値にはならないと考えています。


    細貝さんは、4m徹底練習せよ、とお書きになっていて、4.9mを徹底練習した私には非常に頷ける内容だったんですが、

    他の距離の実際の打ち分けは、やはりノリさんのデジタルパット方式が拠り所なのですよ。


    Posted by:やきそばパンZ at 2010年11月05日(金) 10:55

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  3. 「DHSが起こらない」というところ、方向を浅く読んでしまわず、きちんと正しい方向に打ち出せたということでしょうか?
    ひさびさに例のエクセルファイルを開いてこのへんの計算してみました。
    計算上では、方向を修正しないことにはあまり良い結果になりません(初速を調整しても寄らないです)。

    Posted by:yamacchi at 2010年11月05日(金) 11:10

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  4. yamacchiさん、こんにちは。

    以前yamacchiさんにシミュレートしていただいた曲線は、今でも持ち歩いています。

    しかし、この記事に書きましたように、それでも私は距離のコントロールの方が打ち出し方向よりも重要だと考えます。

    距離の短い横のラインを残すよりも多少長めでも縦のラインを残した方が次が楽だからです。
    (詳しくは記事を参照方。)



    しかし一方(上記記事で書いたことの良し悪しとは別に)、
    ダウンヒル・スライダーは、Ture Break(本当の狙い位置)が分かって本当の強さが分かっている前提の、yamacchiさんのカーブ9本“以前の問題”で、読みが浅すぎて無意識に強く打ってしまう現象です。


    ですから、2つの点でサイドサドル打法ではこの現象が起きにくいと思われます。


    ・ボールから打ち出し方向に対して正対しているので、subcinsciousからの補正がかかりにくい。

    ・打ち出し方向が見えておれば、そこへ乗せていくことは通常の構えよりもズレが出にくい。


    しかしながら、今ここで挙げた2点は、今度は逆に、yamacchiさんが書いてくださった曲線の前提に戻って来た条件になってしまうわけです。

    それで、ダウンヒル・スライダーのシナリオのメカニズムを知らない方にサイドサドルで打ってもらったらどうなるのだろうか?
    という疑問が残ったという訳です。

    なんか、書いててすんごい分かりにくいような気がして来ました。


    サイドサドル打法が、「本当の狙うべきラインが見え易く」、また「そのラインに乗せやすい」 打ち方であることは事実だと感じました。


    Posted by:やきそばパンZ at 2010年11月05日(金) 15:33

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  5. 方向性が改善したのですね。
    何も知らない人は浅く読むでしょうからDHSしてしまうような気がします。
    新しいグラフを記事にしていますのでまた見てくださいね

    Posted by:yamacchi at 2010年11月05日(金) 18:00

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  6. yamacchiさん、拝見してきました。


    あまりにも一目瞭然、分かりやすくて感激しました。


    おっしゃるとおり、何も知らないゴルファー
    (とは言っても下りとかの横のよく曲がるラインが難しいのはゴルファーなら知ってるでしょうけど)が、サイドサドル打法でパットしたらどうなるか、DHSしてしまいそうですね。
    実験してみたいな。

    でもですね、サイドサドルで何度か失敗するうちにライン見えてきて改善するような気がしますね。


    私、乗り換えようとは思っていませんですけど、優位性はある、と感じました。


    Posted by:やきそばパンZ at 2010年11月06日(土) 00:21

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  7. 再コメです。
    グリーンの読みが正確なキャディーさんについて、頷けるところありませんですか?

    いますよ、います!ホームでS藤さん、F田さんというお二人がグリーンの読み抜群です。証拠に倶楽部選手権決勝には必ず出番があります。
    私、曲がるラインでは、自分の考えを必ず先に言います。「狙いはこれだと思いますけど、どう?」って。「私もそこだと思います」と言われたラインは、入らなくともカップを嘗めますね意見が合わないときは、キャディーさんの方が大きく読んでいますね。自分の方が膨らませすぎというのは殆どありません。
    長尺を使う大きな根拠は、やはりより振り子式にするためという印象を持ちました。
    自分のパッティングにまた自信を持ってしまいましたです

    Posted by:ノリさん at 2010年11月07日(日) 06:17

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  8. ノリさん、こんにちは。

    コメントありがとうございます。


    ゴルファーとしての先入観なしで、ボールの転がるラインを記憶していくキャディーさんは、本当の狙い目をよく分かっていらっしゃいますよね。


    GGさんが、雪山で雪玉を転がした時のような目で見ることがとても助けになると思います。


    Posted by:やきそばパンZ at 2010年11月07日(日) 08:57

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  9. 前記事にコメントすみません。

    長尺サイドサドル打法のゴルファー知ってます。と言うかご一緒したことがあります。→その時の記事

    Zさんの記事で、かなり前のことでしたが鮮明に思い出しました。(笑)

    Posted by:koba at 2010年11月09日(火) 15:00

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  10. kobaさん、こんにちは。

    こちらの方こそ、ブログは時折拝見させていただいていてご挨拶せずにおりましてすみませんでした。


    4年も前の出来事を鮮明に思い出すのですから、強烈な印象だったのでしょうね。

    一部の研究家の間では、「超弱パターを許可したのは R&A 最大のミステイクだ。」と言われていたりします。
    (その真意は、長尺サイドサドルであろうと思う次第です。)


    ボールの横回転はともかく、ラインが良く見えてくるということでしょうね。

    ビリヤード式は禁止されていますからね。


    Posted by:やきそばパンZ at 2010年11月09日(火) 23:46

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