こちらは先日の Santa Barbara GCをプレーした時の、5番ホールパー4、340yです。
写っているのは一緒にラウンドした地元のMichealです。
ティーからはズドーンと40フィートぐらい下がっていってグワーッと登ってくる斜面が見えています。向こう側の平らなところまで打てれば、そこから左ドッグレッグしていって100yぐらいのセカンドショットが残るのでしょうけれども、DRの"キャリー"が250yくらい必要です。
私にはそこまでの飛距離がありませんので、見えている壁のできるだけ上の方へ行くようにお願いしながら打って、着弾したボールが後ろへゴロゴロゴロゴロ戻ってこないように祈るしかありませんでした。
なるべくグリーンに近いFWの左寄りにドローを打っていきまして、残りは多分120-125yぐらいだったのですが、ピンが見えないどころか、その後ろの木さえも目の前の斜面で見えず、しかも強烈に左足上がりのライ。写真ですとそこまでには見えませんが、傾斜きつかったです。
斜面を上の方まで登って行ってピンの方向を確認、傾斜の地面に目印を見ながら後ろ向きにボールまで下がってきて、そして3クラブくらい足して150yくらい打つ換算で打っていきました。上手く打ったと思ったのですが、登り傾斜が急であまりボールが上がったように見えません。方向は良かったのですが、行ってみるとグリーンのちょい左手前にボールが止まっていました。足らないのかー。ワンバウンド目から登り斜面のKIKUYU芝にボールの勢いが止められてしまったに違いありません。
チップショットが1歩に寄ってくれまして、パーセーブできました。
---
というわけで題記の件、こちらが「例えば」、ということで考えてみたい状況の一つです。
グリーンまでほぼ平らの軽い上りでグリーンは若干受けています。ピン(白旗)の立っているカップ位置はグリーンの左寄りで、グリーンの手前エッジからは 20yくらいのグリーン真ん中やや後方くらい、カップの手前に緩い段差があって、是非ともピンハイに打っていきたいという状況。
ボールの位置は短く刈られたフェアウエー上で残り60y程度、カップ位置より1.5フィートくらい低い感じです。
グリーンの左側にはバンカーが二つあって要注意です。右側にもバンカーがありますがピンが左寄りのため、そこまでは行かないかなー(場合によってはミスして行くかもしれませんので気を付けないと)、それからグリーンの後ろは傾斜で向こう側に落ちているので、そこまではいかないように注意したい、っていう感じでしょうか。
ライの芝は特に逆目になってはいないけど芝はピチっと短か目。
…このような状況で、どのクラブを持って、どんなショットを打ちますか?
この状況からは、「確実にここから 2打で上がれる」というほどにはやさしくはありませんが、逆に難しい状況でもありませんので、できれば 2打で上がりたいし、悪くてもここから 3打でホールアウトできれば、という場面と捉えることができるかと思います。
意外にも、この状況から4打も5打もかかってしまったり、なんとなく苦手意識を持ってしまっていたり、っていうアベレージ・ゴルファーが少なくない模様です。
これが問題提起です。
特に難しくはないのですけれど、一緒にラウンドしている私の友人界隈で言いますと、このくらいの距離が嫌だっていう人が実に多いです。
まず、本当に 60yなのかどうかが定かでない人が多いです。グリーンが近いとほぼほぼフィーリングで打つため、距離そのものを測らない人がけっこう多いのです。
で、もしも測って60yピッタリだって分かっても、この 60yを「中途半端な距離」と感じる人が少なくない模様です。
多くのアベレージゴルファーは、例えば 40-70yぐらいを中途半端な距離と捉えているようなのです。
千葉市民ゴルフ場で普通にパープレーでラウンドするマーク金井さんですら、こんなことおっしゃっています。
ちなみにパー5で一番リスクが高いのが40y~60yです。この距離はハーフショットで距離感がつかみづらいですし、案外、ザックリやダフりが出やすい。そしてザックリやダフりが出ると精神的なダメージも大きいです。加えて、ボールがディボット跡やラフに入ると距離感が出しづらく、グリーンオンの確率も下がるのです。グリーンに近づけるとホッとできますが、実は中途半端な距離というのはミスが出やすく、落とし穴も多いのです。これはプロも同じだそうで、2オン狙って失敗して40y~60yを残すと、ボギーを叩くことが多々あるそうです。
(アベレージゴルファーにはそういう傾向もあるかなと思いますけど、『プロも同じ』ではないでしょうさすがに。)
それは置いときまして、私の観察では、こういうときに多いのが 何気に56°を持って(人によってはなんと60°を持ちます。)、かなり振ってズバーンって打って、グリーンにはかろうじて乗るけど、ピンには15yぐらいショートします。もしくはグリーン手前の芝に喰われてグリーンの手前でストップしてしまいます。20yぐらいショート。
このパターンをすごく多く見かけます。
グリーンオーバーも絶対したくないし、下りのパットも残したくないし、って思うと、まぁグリーンには乗ったんだから。って自分に言い聞かせて納得してしまうんですよね。
トップしてグリーンをオーバーするようなケースもなかには見かけますが、それ以外はだいたいショート、それも大ショートしています。
しっかり狙い通りに打ってカップをかなりオーバーする、っていうショットはまず見かけません。
上記状況のライからは、56度や60°では実はものすごくショートしやすいんですよね。
あるいは左に引っ掛けやすいです。
ロフトの大きなウエッジは距離を出すときにはあまり扱いやすいクラブではありませんので。
フェースを開いて上手に使うアベレージプレイヤーもいますが、一般的にはスイングが大きくなるとロフトの大きなウエッジはブレやすくなります。
地面の硬さとか芝目の向きとか、その場の傾斜とかいろんな原因でバラつきやすくて。実はダフリやすくもあります。ライによってはトップも出やすい。
ピンの手前に 15yとか20yショートっていう結果って、グリーンには乗っていますが、よく考えたら、打とうとした距離の、下手したら「2/3」しか打っていないのに、満足しちゃっているのです。2パットでボギーは取れますし。少なくともトップして往復ビンタとか、ザックリで2yとかの事態は避けてグリーンに乗ってはいますしね。
(この、『「2/3」しか打っていないのに、満足しちゃう』、っていう表現は以前、『ゴルファーに愛を』というテニスコーチのブログの中のどれかの記事で読んで、「目から鱗、その通りだな。」と思ったことです。 どの記事も面白いブログですので、よろしかったら探してみてください。)
でも難しくはない60yの状況なのに...、このままで満足してると、スコア減りませんよね?
本で読んだちょっと古い10年くらい前のデータですが、60y前後からのアプローチで、PGAツアー・プロはアベレージで大体カップから平均16フィート(約4.8m)内外に付ける、というデータがあります。 (このカテゴリーの数字が特に良いのはジム・フューリックで、平均でなんと8フィート(2.4m)を切っています。)
上の写真のような「簡単な状況」に限れば、ツアープロなら16フィートじゃなくてワンクラブ以内に付けてくることでしょう。トーナメントの、ピン位置がギリギリのアンジュレーションのきついグリーンの状況の 60yではありませんから。
グリーンの前もバンカーとかでガードされていなくて、グリーン上もカップまで20yもあって球足が使えるという状況なのに(a lot of green to work withって英語では言います)、SWやLWで行くのはなぜなのでしょう?
短い距離だからですね。フルショットに近いショットで打っていきたい、っていう一点かと思います。実は利点があまりありません。
例えばですが、LWのフルショットがたまたま65yで、受けグリーンならその場で止まるから、とかの理由だとすれば、アリではあるかな?とは思います。でもロブウェッジってボール側から見るとフェース面がすごく薄く見えて、いかにもトップしそうな気配がします。
(参考:「ボールの目線で考えてみました。」)
使うのが得意な方もいらっしゃいますが、相当な練習量が必要だと思います。(得意って言っても、平均で 16フィート以内につけていますでしょうか?)
私自身は、LWのフルショットとかはミスが出やすいし左にも引っ掛けがちですし、下を抜けて右へショートなんてのもありがちですから、まず使わないことにしています。
さらにこの写真の状況とかですとカップの手前に傾斜があって、カップをショートしたボールは傾斜で戻ってきてしまいかねません。
---
私が思うには、60yのショットを身につければ良いと思うわけなんです。
ミスの少ない、大きくないスイングで方向性を重視してラインを出すなら、PWかAWで。
事前に練習をしておいて、50yキャリーとか 55yキャリーの 60yを打てるショット、とか、トータル 60yぐらいのショットがあれば、それで打てばいいだけなので。
転がり分を増やすなら、9番アイアンを使っても良いと思います。
ちょっとだけ高低差があってカップの方が少し高い位置にいるのを計算に入れれば、63-65yぐらいの計算で距離が合いそうなストロークを使って、キャリーで50-55yくらいでしょうか?
そういうショットを、あまり高く上げずにポーンと、ゴミ箱にゴミを放るかのように、シンプルに打てば良いケースです。
この写真のピンまで 60yの状況は、難しくはない状況であるべきだと思います。
100yがちょうど良い距離で打ちやすいと思ってるゴルファーが多いと思うんですけど、...本当に? (←過去の記事)
16フィート(約4.9m)以内に付いてますか?
あるいは、ちょいズレて 93yとか 107yからだったらどうなんでしょう?
---
PWで50y打ったり80y打ったり、AWで40yとか60y打ったりを練習でもコースでも意識して経験しておけばデータになるし、後々のラウンドにも応用の効く練習になるんですよね。
練習場でも目標物を決めて距離さえ測れば、大体の感じは練習できます。
旗などの目標物があれば打席からそこへの距離を測って。転がっているボールが 3つ集まってるところ、とかで十分ですのでレンジファインダーで計測してそこに打つ。
仮にLWが60yをぴったり打てるクラブだったとしても (私のLWフルショットは推定64yキャリーです。まったく使いませんが。)、ただでさえ難しいLWのフルショットで、っていう選択肢だけですと、その先の発展性がなくて経験値の積み上げにもならないんじゃないか?っていう風に考えています。
...かと言って、私の場合はプロのように毎日ゴルフ場にいて練習している訳ではありませんので、フィーリングだけで距離をコントロールしてベタピンにつける、っていうのは無理だと思っていまして。
例えば「50yなら寄せられる」っていう基準のショットが一つでもあれば、そこをベースに+/−してみることもできなくはないですし、得意ヤーデージが 50yだけじゃなくて、もし他に 40y、60y、70yとかの 4つぐらい基準値があれば 30−80yくらいは十分カバーできてしまうと思うのです。
4種類も?!って思うかもしれませんが、基準の打ち方を一つ作ったら、ウエッジ 4本で4つの距離を打ち分けられますから。
前の記事の中で「1.3x4システムを 2x6システムに再構築 (30-100y)」という項目を書きました。私の場合、2x6 システムを構築しまして、この30-100yの範囲の距離の打ち分けを心掛けています。
この 60yのケースなら、PWの1/2ショットでキャリー54yを打っていく、っていう選択になります。ファーストバウンスからどう転がる挙動になるか、グリーン次第ですが、まずまず良い結果になってくれるのではないかと思います。スムーズに練習通り打てた場合ですが。
球足を使いたいこの状況では、低く出てちょうどよいと思います。
少し安全目に保険をかけて、カップよりも少し右にエイミングをして打ちたいと思います。
あまり大きく振りませんから、方向性はすごく良いので。
別なケースで、もう少しだけ短めに止まって欲しいな、というような場合には、SWの3/4ショットで 52yキャリーを打っていくことになるかと思います。57-58y行って、カップの 2-3y手前まで行ってくれたら、練習していたショットがスムーズに打てた、ってことになります。
2x6システムを構築しなくても、「30-60yはAWを持って SLJで打っていく」っていう方法でも、十分に用が足りると思います。
これが私の場合の、上記の写真のような状況の 60yのショット選択になります。(今のところ)
−−−
もう一枚、難しくはないけど簡単ではない 60yの状況を写真に撮ってみました。
こっちは別な河川敷のコースです。
これも比較的平らな状況で手前にハザードもない 60yの状況ですが、こちらの場合はピン(赤旗)の位置が手前寄りでグリーンの手前のエッジから 6yぐらいしかありません。
グリーンかなり手前の左サイドにはバンカーがあります。右側はカート道で、グリーンからグッと下がっています。右には外したくないかな。
グリーン上のカップの手前が短い分、先ほどの状況よりもう少し簡単ではない状況になってしまいます。
グリーン手前でワンバウンドさせて乗せていくのが理想的かと思いますが...。
この場合は、グリーン手前の芝の様子(芝の向き)、地面の様子(硬さ)、手前の部分の傾斜とかを認識しないと、思うようにはバウンドしてくれませんですね。
(ヘッドスピードの速いゴルファーならグリーン上カップの奥に乗せてバックスピンで戻して寄せることも可能なのかもしれません。でも50y以下だとバンカーからでない限りスピンで戻りはしないですよね。もうちょっと距離があるところからのショットじゃないと戻して寄せるのは難しいと思います。)
この写真のコースの状況は、グリーン手前の地面も固そうですし、芝も短く刈られていますし、砲台グリーンではありませんが少しグリーンの方が持ち上がっている状況で、手前からバウンドして転がし上げる方法も使えそうに見えます。でもスピンとかかかっていると意外に転がり上がってくれないかも。
少し左から右に跳ねそうな感じもします。
(ちょっとこんもり目の伏せたお椀型とかの砲台グリーンの場合は、勝手が違ってきます。)
この場合は仮にグリーン手前でバウンドさせたら、地面が柔らかくてとか、芝目がこちらを向いていてボールがグリーン手前の淵とかカラーに止まってしまった、っていう結果になっても、次のショットはそこからパターで行けますね。8鉄の転がしになるかも知れませんが、そう悪くない状況に次打をお膳立てできるでしょう。
下手に、上げようとか、スピンを強くかけようとか思わず、60yのショットを打てば良いと考えればシンプルに攻めていけると思います。
54度・中・ヘタコの肩肩・AAスイングで60yと出ました~。
返信削除54°の中・肩肩・AAですね。
返信削除これだと、キャリーが52-53yくらいでしょうか?ちょうど良さそうですね。
syoballさんは、へタコで他にもいろんなクラブで打つことが出来ますから、良いですよねー。
1個めの写真の方は、PWの腰腰でもいけますよね。
その方が、カップ前の段差を転がり上がってくれそうな気もします。
ヘタコのデータの熟成期間は、OVしたりSTしたりでしょうが、だんだん収束したいです。
返信削除色んなクラブ使うのは、【やってみたい】精神の表れで、スコア的には好ましくないです。
今回、Wさんの真似っこで導入した54度君には期待しています。ヘタコ熟成もさることながら、30以下で真ん中らへんにぽ~んでいきなりY1P達成というのを望んでいます。
54°って使い勝手良いですよねー。
返信削除僕はバンカーもほとんど54°です。(バンス角でかくて出やすい58持ってるんですが...)
僕の場合はSLJには50°使ってますが、元々のサミュエルLジャクソンは54°で打ってました。
syoballさんおっしゃる通りで、1:1で打てるクラブが使いやすいですよね。
PING芸人さんは、ニブ56が、1:1になるそうです。
Costsoのウエッジは、52、56、60°で、そっちのラインナップの方が一般的なのかもですけど、
50、54、58°のラインナップ、気に入ってます。
HF度合にもよるから、何度が1:1とは決められませんね。Gの速さにもよるし・・・
返信削除でも、いろんな要素と、長年の試行錯誤のガチャポンで、54度がアバウト1:1であることが多い!と判定しまた(笑)
そうそう、個人差ありますからね。
返信削除でも大体52-56°くらいが1:1なのかなー。
今時のPWは1:2が一般的ですよね。(12の法則的にも)
60yardをロフトの大きいウエッジでショート!
返信削除わかります。
1本のウエッジを基準にするとなると僕は49.5度UWですね。
ここ最近ショートゲーマー(コヤマカズヒロ氏命名)になるべく、練習場で半分以上ウエッジです。お金がかかるのが難点ですが・・・・
さすらいさん、こんにちは。
削除良いですねー、ショートゲームの練習、僕もブログの前半ではあんまり記事がないくらい、どうして良いかわかりませんでした。
UWを基準で作っていくの、良いと思います。たくさん打つ必要はなくて、レンジファインダーを練習場に持って行って、1球1球キャリーの距離を測ることが重要かと思います。
室内練習場がありましたら、そこのシミュレーターで打ってキャリーとランの距離のイメージ(というかデータ)を掴むのも効果的です。
UWでこうやって打つと50yくらい(キャリーで40y)打てる、もしくは50y地点にキャリーする、みたいなデータが必要です。
それ1個が自信ついたら、あとは周辺データが溜まるのは早いと思います。
数打つ必要はあんまりないですけど、練習行くたびに「毎回」、基準になるUWの 50y(決してピッタリ50じゃなくて40でも60でも良いと思います)を確認するショットを2回くらい、できているかどうか打つ方が重要と思います。
(僕の場合は打ち方のほうを先に決めてしまったので、52とか45とかの数字の表になってますけど、1y刻みで打てるわけではありませんです。)
https://yspz.blogspot.com/2022/06/blog-post_16.html
今は、60yは・・・・50度でヘタコ腰ですかね~。10yくらいSTするかも。
返信削除もし、パターの気持ちになれたら、50度でSLJですね。届かせるために、ちょっと長めに持つかも。