2/20/2009

ボールはあるがままにプレーすればいいってもんじゃないんだよ?! (裁定集から-3)


裁定集からシリーズの第3弾です。

バンブル・ビー(裁定集から-1)
ルース・インペディメント(裁定集から-2)



私の知る限り、ルール上で「最も悲惨で悲しい状況」があります。

ゴルフ規則の第3章、規則28、アンプレアブルの中の、裁定集の28/5に記されている事例です。


28/5 アンプレヤブルな状況の場所からの脱出が、1回の救済を受けただけでは不可能な場合

質問: あるプレーヤーが球をA点からB点に打った。B点は球を脱出させるのが非常に困難な場所にあったので、プレーヤーはその球をアンプレヤブルとみなすことを考えたが、アンプレヤブルにするとすればストロークと距離の罰(規則28a)のもとに処置するしかなさそうであった。すなわち、規則28bにより球のあった箇所の後方にドロップすることはアウトオブバウンズの境界柵があって不可能であったし、規則28cにより球のあった箇所の2クラブレングス以内にドロップしようとすれば、その区域から脱出するために何回もそのようなドロップを繰り返さなければならないような状況であった。結局、プレーヤーは救済を受けずにB点からプレーすることにしたが、球は数フィートしか動かずC点に止まった。ところが、今度こそは明らかにアンプレヤブルであった。この場合、規則28aに基づいて、プレーヤーは、

(a)C点の球をアンプレヤブルとみなし、1打の罰を加えて球をB点にドロップしたあと、
(b)B点にドロップしたその球をアンプレヤブルとみなし、更に1打の罰を追加して球をA点にドロップすることができるか。


これはどういうことかと言いますと、下の写真のようなところに打ち込んでしまったが、たまたまボールが黄色いこんもりした部分とかに乗っかって浮いていて、打てそうだったとします。↓

画像をクリックで拡大します。


もしくは、下の写真のような、

画像をクリックで拡大します。


サボテンの一種が、まるで草のようにくるぶしぐらいの高さで密集しているところがコースのラフの外側にあったりすることが、私の周りのコースには少なくなくて、時として、この上にボールが乗っていて、いかにも打てそうな場合があります。

ホールに近付かない後方線上に下がろうにも、良い場所がまるでありません。
で、頑張ってあるがままに打ってみる。
ミスる。

数フィートしか飛ばなかった上、今度はボールが奥に沈み込んでしまいます。
今度は完全にアンプレアブル。

そういう状況ですね。



問題は、B点であるがままに打ってしまったことによってすでにC点に来てしまっており、その前のA点に戻って打ち直す、という選択肢がなくなってしまう訳です。

裁定集の回答を見てみます。


回答: 規則28aにより処置する場合、プレーヤーはその球を最後にプレーした箇所(B点)にできるだけ近い所にだけ球をドロップすることができ、A点にまで戻ることは認められない。
質問のケースのような場合、認められる唯一の方法としては、球をプレーすることが可能な箇所に到達するまで、プレーヤーは規則28cを繰り返し適用する(C点から始め、その都度、横へ2クラブレングス以内に球をドロップする) しかない


「認められる唯一の方法」とされているのが、2クラブレングスずつ1打罰を払ってドロップしていき、脱出できるまで繰り返す、という方法だけなのです。

なんという作業! & 罰打!(x_x)


最初にB点でアンプレアブルしておけば、A点に戻って打ち直せたのに!
という事例です。



もうひとつおまけ的なケースを。

ちょっと盲点な感じの、気が付きにくいかも知れない事例があります。


17-4/4 プレーヤーが旗竿を抜いたら、旗竿に寄りかかって止まっていた球がホールの外に出る(ホールのふちに球をプレースしなかった場合)

質問: プレーヤーの球が旗竿に寄りかかるようにして止まっていたので、プレーヤーが旗竿を抜いたところ、球がホールの外に出てしまった。プレーヤーはその球が止まった所からプレーしてホールアウトしたが、この場合、どのように裁定すべきか。



旗を抜いたところ、ボールが出てきて上の写真のような感じの状況で止まり、これをタップインした、という訳です。



・・・どういう裁定になるのでしょうか?
回答を見てみましょう。


回答: プレーヤーはその球をホールのふちにプレースすることを要した(規則17-4)。
マッチプレーでは、プレーヤーはそのホールの負け……規則17-4と規則2-6。
ストロークプレーでは、競技者は2打の罰。球はホールアウトされたものとみなされる……規則17-4と規則3-5。


ボールに触らなければいけなかった』という事例です。


加えまして、間違いを正すためにリプレースして打ち直す必要が無い (というか許されない)、ということも意外に落とし穴だと思います。


***

追記:

ルール関係の記事、シリーズ化になることになりそうです。




9 comments:

Anonymous said...

おじゃまします
ほぉ~勉強になりました
しかし、ゴルフの規定の解説ってとても分かりにくい説明や表現の仕方をするなぁ..といつも思います
もっと平たく表現できないものでしょうかね

Posted by:Shu at 2009年02月20日(金) 14:33

yspz said...

Shuさん、はじめまして。

ゴルフのルールは、規定集(いわゆるルールブック)も、裁定集も、英文の原文を、出来るだけ一言一句忠実に訳してあるため、やや不自然な日本語になってしまう面はあると思います。

もう少し意味が汲み取りやすいように意訳すれば読みやすくなると思うのですが、見解の相違を生みたくないのだろうと思います。


もっとも、法律用語とかもそうですが、規則を作ると非常に分かりにくい文になってしまうのも理由でしょうかねー。


ゴルフルールは、用語の定義もいちいちちゃんとなされていまして、非常によく書かれています。
(例えばゴルフルール上の梨はかじってあっても近くに木が無くてもあくまでも自然物だ、とか。(笑))

それでも、公正の理念にのっとってジャッジしなければならない珍しい事例が出てきてしまうんですよね。

ホント、いろんなことがあって面白いです。(笑)

Posted by:やきそばパンZ at 2009年02月20日(金) 15:02

Anonymous said...

> プレーヤーは規則28cを繰り返し適用
これ、私昔やったことあるんですよ確かPar4で9オンだったはず
行ける!と思ってもそれがミスショットになったその後のことも
きちんと考えないととんでもないことになっちゃう典型

アンプレイヤブルって"完全ギブアップ"で使ってしまいがちですが
その前の勇気ある決断も戦略のひとつ。
頭ではわかっていてもカーッと頭に血が上っちゃうと…

Posted by:ひゃっぽ at 2009年02月21日(土) 02:34

yspz said...

おお!それはすごい!
ひゃっぽ+さん貴重な経験をお持ちですね。

普通は、アンプレアブルしたんだからって思ってブッシュを抜け出たラフにドロップしてプレーしちゃったり、ルールをよく分かってない人もすごく多いと思うんですよね。

最後にブッシュとラフの境界を横切ったところを基点にドロップしちゃったり。赤杭も無いのに。

もしくはもしくは、C点からA点に戻って打ったり、とか。

きっと競技会に出場なさっていたのでしょうかね?
それともごじっぽくんから聞いていてご存知だったのでしょうか。



私なんて、普段のラウンドですと、分かっていて違反することもあります。
例えばこういうケース。

ティーショットが、どう見ても上記のような区域に打ち込んでしまって、アンプレになりそうだな、と思って暫定球を打っておきます。
で、案の定、下に潜っていて打てないので、暫定球でラウンドを続けてしまいます。

まぁ、なるべくスムーズにラウンドするための妥協ですね。


厳密には、ロストボールの恐れがあるときにしか暫定球は打てません。アンプレアブルの可能性があるから、は理由にならないのです。


まぁ、それは、ロストボールになる可能性も十分なので、ルール違反までしなくてもロストボールの可能性を理由にして暫定球を打つことは出来るのですが、

違反というのはこちらで、
アンプレアブルを宣言した場合、手順として改めてティーイング・グラウンドに戻って打たなければいけないのです。
暫定球はあくまでもロストボールの恐れのためであり、ボールが見つかった以上、そのボールがインプレーのボールで、暫定球はその時点で有効ではなくなっているのです。

でも普段のラウンドで、暫定球もあるっていうのにいちいちティーに戻っていたら、後ろの組の人に怒られちゃいかねませんからね。

私は分かっていてルール違反をし、暫定球でプレーを続けるのです。

普段のラウンドは、1グリップ以下のパットをOKもしますしね。厳密には違反だらけです。


Posted by:やきそばパンZ at 2009年02月21日(土) 05:50

Anonymous said...

私、競技ゴルフの経験は過去に一度もありませんで
>ブッシュを抜け出たラフにドロップ
しようとしたらママそれルールが違うと…

まぁ後続と2ホール以上離れてた日なのでできたわけですけど
普段のラウンドだと前のショットを打った地点まで
打ちに戻れない事がほとんどなので
「本当はそれオマケなんだからね」と言われつつも
プロビジョナル(&前4:これはにひゃっぽ専門)はよくやります

by:ひゃっぽ at 2009年02月21日(土) 09:56

yspz said...

んー、やはりごじっぽくんの線でしたか。

ちなみに私はまだ2クラブレングスずつ移動して脱出した経験はありません。


まぁ、戻って打つってことは、競技会ぐらいでないと、周りの人の理解を得られませんよね、特にビジターですと。
それは日本でもアメリカでもそうだろうと思います。

Posted by:やきそばパンZ at 2009年02月22日(日) 03:41

Anonymous said...

またまた勉強になりました。
ピンを抜いたとき・・・
自分も同伴競技者でも未体験ですが、何時発生するか分かりませんからね、覚えておきましょう。「飛び出てしまったら、一度ボールに触れておくことがポイント!」ですね。
アンプレの場合は元の場所から打ち直しの方が良いという状況の方が意外と多い様に思います。必ずしもではありませんが、ロストの危険がある場合が多そう・・・暫定球を打っておくという習慣を身に付けておきたいと思います。
暫定球を打っては行けない場合も知っておくべきですが、ハッキリしているのは一つあります。
池の方向に行った場合の暫定球は、認められなくて、暫定球を打った瞬間に正球と見なされ、しかも練習???おっ、何打罰だったっけ・・調べておかなければ・・・・
兎も角、池方向の場合は行ってみて、池に入った確証がなく、ボールが無い場合は戻って打ち直しをするものだと先日教わりました。
池に入ったかどうか分からなくてロストの危険がありそうな場合、暫定は打てないと言うことなんです。
おっと、池方向??池が見えなくて初めてのコースの場合はどうなんだろう?・・
二つ調べておかなければ・・・
ルールて面倒だけど面白い。
何故そういうルールが出来たかを知るともっと面白いですね。

Posted by:ノリさん at 2009年03月05日(木) 05:37

yspz said...

ノリさん、こんにちは。

お分かりになっていると思いますが念のため、アンプレの球に、暫定球を打っておくこともまた出来ません。
あくまでもロストボールまたはOBの可能性がある球に対して暫定球を打ってください。


池に入ったのが確実に思われる場合は、おっしゃるとおり暫定球は打てません。
さすが、ノリさん。

>暫定球を打った瞬間に正球と見なされ

おっしゃるとおりですので、3打目をすでにプレーしたことになります。
そんなに厳しいペナルティーではないですね。(言わば前3に近い有利かも知れないウォーターハザードの措置を取り損なった、というだけで、普段のプレーでは、アリだと思います。)


>兎も角、池方向の場合は行ってみて、池に入った確証がなく、ボールが無い場合は戻って打ち直しをするものだ

これは明らかにスロープレイに繋がる、私に言わせればルール的には間違ってはいないけどマナー的には好ましくない、その方の思い込みだと思いますよ。


Posted by:やきそばパンZ at 2009年03月05日(木) 10:29

yspz said...

池の“方”へ行っただけなら、池の外でロストをする可能性があるということで暫定球を打つことは実は出来るんです。
ちょっとファジーな感じの裁定ですね。27-2a/2.2
でも合理的だと思います。

果たして池の中で見つかった場合と、結局見つからなかった場合で、次打の処置が変わってきます。


初めてのコースなどで、池の周りの状況が判らなくてロストの可能性を考えて暫定球を打ったが、池に向かうにつれ、「ありゃー、このでかい池じゃどう見ても池だわ。」ってなった場合は、面白いのですが、暫定球は暫定球として扱われます。3打目をプレーしたことにはなりません。

しかしながら、池に入ったことが確実になったので、この時点で暫定球は破棄し(破棄しって言ってもポケットに戻していいんですが(笑))、ウォーターハザードの処置を取ります。


まぁ、競技会で無い限り、戻って打つのは「やり過ぎ」と私は考えます。
その程度のルール違反は、40km制限の道路を42kmで走った程度の違反で遵守してらんない、という見解です。

我々素人はフォアキャディーも居なくてラウンドしてるんですから。


私は、他人にルールに厳しく指導するようなことをおっしゃるような人よりも大概詳しくルールを把握している自負はありますが(もちろん判んないことも多いです。)、“普段のラウンド”からルールを“完全に”遵守するのは現実的でないと思ってます。

例えばですよ、ラウンド中にマジックでボールの自分マークを書き直しました。ハイ2打罰。って、・・・やってられます?(笑)
1グリップ以下OKとかもやることも多いです。ルールには違反ですけど。


Posted by:やきそばパンZ at 2009年03月05日(木) 10:30