3/25/2016

Taylormade SLDR 430 TP Driver スペックの整理


ローリー・マキロイは今季からナイキメソッドのオリジン B2-01 というパターを使っていますが、今週の月曜日から販売開始になったようです。


どうやら今回は、B1-01とB2-01がAnserとAnser2に相当したスタイルになっているようです。



画像をクリックでPGA.comの記事にリンクしています。


最初にナイキメソッドのパターが出た時、001というモデルをタイガーが使いましたが、あのころはかなり角ばってましたし、プロ用というか速い硬いグリーン用といいますか、ロフト角が2度とか2.5度とかで最初から順回転を与えて転がりを良くするとかだったのですが、今回のオリジンシリーズはやや日和ったのかロフト角 3度になっています。


フェースには、RZNというボール用に開発された樹脂が採用になっているそうで、ものすごくソフトな打感になっているみたいです。



画像をクリックでPGA.comの記事にリンクしています。


青い樹脂インサートがショックアブソーバーのようにサンドイッチ構造になっているようですね。

ソールにはウエイトが4個装着されています。

ちなみにあの時はタイガーがトーナメントで初使用して、3日目にはもう元のキャメロンに戻してしまったのですが、そのキャメロンはロフト3.5度に調整されていたそうです。



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先月の記事でご紹介していましたテーラーメードのSLDR 430 TP ドライバーですが、ここ3年ぐらいの中では ずば抜けてあまりにも調子が良いので (←ただし本人比。) 、スペックを整理してメモしておきたいと思いました。

テーラーメードのウエブサイトに行っても、重心距離や重心深度、重心アングルといった細かいデータは出ていませんでした。

画像をクリックでTaylormadegolf.comにリンクしています。


検索してみましたところ、マーク金井さんのブログに、SLDRの特徴が解説されていました。 もちろん2014年の発売の頃に書かれた記事ですが。

さて、このSLDR。ソールに配されたウエートを移動させることで重心距離が約6ミリ調整できます。ドローポジションにすれば重心距離は約32ミリになって、フェードポジションにすれば重心距離は約38ミリ。フェードポジションでも体積(460CC)を考えると重心距離は決して長くはありません。ですが、実際にスイングしてみると「なにこれっ!!」っていうぐらいフェースが返ってくれません。捕まりづらさが手に伝わり、フッカースペシャルなドライバーになります。 
では、なぜ重心距離が38ミリでも捕まりづらいのか? その答えは重心の深さにあります。例えば、テーラーメイドのグローレは捕まりやすいと評判のドライバーですが、SLDRと比較すると重心距離はやや長めです。 
SLDR   重心距離32~38ミリ
重心深度33.5ミリ
重心アングル17.5度
 
グローレ   重心距離41.2ミリ
重心深度38.5ミリ
重心アングル24.7度
 
SLDRの場合、重心深度が浅めで、重心アングルが非常に小さい。これが原因で捕まりづらい(フェースが返りづらい)のです。対してグローレは重心距離が長めですが、重心深度も深い。重心アングルもやや大きめ。なのでフェースが返りやすく捕まりやすくなっているのです。「重心距離=捕まり指数」というのが常識だと思っている人が少なからずいますが、重心距離だけを見てしまうと本当の捕まり具合は見えてきません。マーク金井は重心距離と重心深度のバランス、そして重心アングルの大きさをチェックして、捕まり具合を判断しています。

マークさんによりますと、ヘッドは 約208g程度ということでSLDRは近頃のドライバーとしてはやや重い目だそうです。
さらに、米国仕様のSLDRの重心位置調節用のスライド式ウエイトは 20gあり、日本仕様の 18gよりも 2gだけ重いのだそうです。


ずばりのデータは見つかりませんでしたが、Golf Spec.comというサイトに、かなり近いところのデータが載っていました。


SLDR 460
体積
表示ロフト
実測ロフト
ライ
FP
453.7cc
9.5
9.2
59.0°
18.8mm
重心距離
重心深度
重心高
重心高2
重心角
34.5mm
34.0mm
31.1㎜
26.2mm
19.8°


SLDR430ツアープリファード
体積
表示ロフト
実測ロフト
ライ
FP
418.3cc
10.0
9.3
56.0°
17.4mm
重心距離
重心深度
重心高
重心高2
重心角
33.7mm
33.2mm
30.6㎜
25.2mm
19.2°


私のは米国版のSLDR 430 ですので、ウエイトの重さとヘッドの大きさを鑑みまして、重心距離 33.5mm、重心深度 33mm、重心角 19° 程度、という感じになりますでしょうか。


私の友人の説明でも、重心深度が浅いドライバーは上がりにくくて許容度 (forgiveness) が小さく難しい。ってことだったのですが、どういうわけか私にとってはとにかくフックが出にくいですし、逆方向の右肩が突っ込んでのスライスもなぜかかなり出にくいということで、左右への散らかり具合がすごく小さく収まってくれるのでありがたいドライバーです。


またこのドライバーは、標準のロフト10.5度のままでもフェースが若干オープンです。
私の場合は、Lowerのサイドに2ポイントアジャストしていまして 9.5度相当にしていますが (ただし飛ばし屋だからではなく低い弾道が好きなため)、この設定ではさらにもうほんの少しフェースがオープン目になります。

これはひとつ前のFT-3もそうでしたが、パーシモン時代からのストレートから若干オープン気味のフェースの見た目を好んでおります私にとっては非常に構えやすくて、SLDRを気に入っている大きな理由のひとつになっています。(^^)


シャフトは標準のフジクラの 57Sよりも若干重い 65Sというシャフトと、もう一本フジクラモトーレ 6.3 TPの 67Sというトルクが 2.7 と非常に小さいシャフトと、2本いっぺんに買いましたのですが、両方を 5ラウンドずつぐらい使ってみまして、TPのシャフトの方がバラつきが少なくて肩が突っ込んだスライスも出にくいと分かりました。
画像をクリックでTaylormadegolf.comにリンクしています。


飛距離は若干 65S の方が、もっと言いますと 57S の方が距離が出るときは出るようですが、安定性を取りたいと思います。 そんなに大きく変わりませんしね。

今度、今まで8年来の一番のお気に入りシャフトだったアルディラのNV 65Sもスリーブを付けて用意しまして比較してみようと思ったりしています。

スイングが若干変わっていますので、どう出ますかどうか楽しみです。



3/22/2016

オデッセイ Toe Up パターと、ニュートン・プロライン・パター


今週はいよいよWGCマッチプレーですねー。

マッチプレーの放送、普段のストロークプレーと違った攻め方とかも見られますし、格闘技めいている部分もあって、観るの好きです。


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ここのところ、トルクバランスのイーデル・パターっていうのが巷で話題になっていましたので、

Edel Putter (イーデル・パター) と Axis1 Putter (パターヘッドのトルクってなんだろう?)」というエントリーを書きまして、その後パターの芯とか重心とか、軸周りのトルクとかいろいろ考えていたのですが...、


お友達のしょぼさんから、コメントをいただけまして、
ニュートン・プロラインパターというのが、国産で、トウが上を向くバランスの設計ですね。これはよさそう!と思って昨年入手しましたが。アイアンのようなフィーリングが出ず、距離感がめちゃくちゃになり放棄しました。端っこに乗せてLPで勝負するタイプの私?には不向きでしたね。 
#マニア受けするのか、買った時よりずっと高く売れました(爆)

マジか? 日本にはなんでもあるなー。 と思ってとりあえず検索したんですよ。

クリックで、トップゴルフ工房さんのサイトにリンクしてます。


おおー、これかー。

確かに起き上がりこぼしみたいにトゥが上を向くわけで、しかもシャフトの中心線がパターの重心を向くというシンプルな設計です。

左右に振った時に、ルール上ライ角が付いている関係でシャフトは若干自分に向かって斜めになりますから、パターヘッドが勝手に真っ直ぐ向きたがるっていうわけですね。

ショートパットには本当に良さそう。
直進性が高そうです。

イーデルパターも、Axis 1 も、基本的にはこれと同じ設計思想ですよね。

・ シャフト周りのトルクをゼロに近くする。
・ トゥが上を向く位置でバランスさせる。


でも、しょぼさんが使った感想を書かれているように、アイアン感覚でロングパットをトルクを掛けて打つっていうことが出来ませんから、確かに距離感は出しにくそうです。
出ないことはないのでしょうけど、違った感覚と練習が必要になろうかと思います。


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で、そんなこと言っている矢先に、オデッセイから出ましたよ、おんなじの!

www.odysseygolf.com/families/toe-up/
( オデッセイのウエブサイトのリンク ↑ です。)


4月15日以降に、こちらの2モデルから店頭に並ぶ予定だそうです。

クリックで画像のリンク元へ。


こちらの写真に写っているのは、#9 と #1 っていうモデルです。 ソールに番号がありますね。

装飾こそ違いますが、基本的なコンセプトは全く同じですね。
ソールの方から見て、どこがトルクの中心になっているかひと目で分かるデザインになっていますですね。


オデッセイのサイトの説明図がこちらです。 ↓


画像をクリックでオデッセイの該当ページへ。


なんか安定しそうな起き上がりこぼし的な感じ。

実際にこんな感じでバランスするようです。 ↓

クリックで画像のリンク元へ。


なにやらトルクバランスはひとつの方向性として業界のムーブメントになりつつあるような感じがします。


が!

これは多分に私見であって、まだいずれの4種類のメーカーのパターも試してないのにこういうこと言うのはナンですが、

例えばキャッシュインとか、IMG5とか、PING アンサーとか、・・・みたいな感じの、ロングランで銘器として生き残る感じがどのパターにも感じられないのは私の気のせいでしょうか?


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追記 (4/24/016) : ショップに行って試し打ちをしてきました。

->  「オデッセイ Toe Up パターを試し打ち



3/19/2016

Ping TR 1966 Putters ~ ピン・アンサー 50周年


ベイヒルでのアーノルド・パーマー・インビテーショナル、ブライソン・ディシャンボウが出場していますね! 3日目終わって、3日間 72、72、72 と毎日パープレーのトータル、イーブン・パーで 57位タイと頑張っています。


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PINGから、PING Anser 50周年をお祝いする意味も込めた新しいピン・アンサー & アンサー2 のパターが今年の1月末頃発売になりまして、先月ぐらいから私が行く界隈の店頭でも見かけるようになりました。


画像をクリックでPINGのウエブサイトにリンクしてます。


オリジナルのアンサーは1966年にデビューしまして、PAT Pendingで発売されましたが、特許そのものは1967年に承認されたんですね。
それで、1982年に特許が切れてからは、それはもうあらゆるメーカーから同型のデザインのパターが発売されて今にいたっています。

私がこのパターが出るほんの少し前の昨年12月に買ったキャメロンのニューポートもその内のひとつですね。
地クラブ的なメーカーのものも含めたらいったいいくつ同型が出ているのでしょうか、とても数えきれません。


PING社自体も、アンサーと名のついたモデルはずーっと販売していますが、今年出たやつは50周年だけあって、当時のいわゆるスコッツデール・モデルと言われるオリジナルのアンサーの雰囲気を醸し出した風格あるモデルになっていて、良いですねー。

画像をクリックでPINGのウエブサイトにリンクしてます。


すごくイイ感じです。
とくにバックフェースのデザインとか、これまでのMilled AnserとかTR Anserとかよりもノスタルジックな良い雰囲気が出ていると思います。
今のエースパターもすごく気に入っているのですけど、これも欲しいなぁ。(笑)


ヘッドの色もブラス素材風に塗られていますが、ヘッドは 17-4 ステンレス製だそうです。
17-4っていうのはクロムとニッケルの含有量の%ですので、SUS201ステンレス鋼あたりに相当します。
いわゆるステンレスとしては汎用鋼の種類で、キャメロンの使うSUS303鋼の半額くらいのステンレス鋼ですね。 (SUS303鋼はすごく削りにくい鋼材ですけど鋳造には向いています。)
まてよ、キャメロンは自分で商標登録したGSS素材 (ドイツ規格の切削性改良型SUS303鋼) でしたっけね。

PINGは今までのステンレスヘッド製のAnserモデルにSUS304鋼を使ってミルド・アンサーなどのモデルを出していましたので、今回SUS201鋼にしたのは価格を抑えるためもあるのでしょうか。
それとも今回のTR1966パターは、パターヘッドを鋳造(Cast)してからフェース部分を切削加工(Milled)して作っているらしいですので、きっと両方の加工をしやすくするための素材選択だったのでしょうかね。

SUS201鋼はクロムとニッケルの含有量が若干低めでステンレス鋼なのに錆が出ることもあるのですけど、ブラス素材風コーティングが塗られていますから大丈夫ですね。
ブロンズPVDフィニッシュと名付けられています。


画像をクリックでPINGのウエブサイトにリンクしてます。


今回のTR1966は、当時のオリジナルのパターを3D スキャンして復刻するとともに、当時の図面も合わせてアレンジし、雰囲気、ニュアンスを保ってデザインしたとカーステン(息子) さんがコメントしていました。

トップブレードの厚さを含めた構えた時の見た目、バックフェース側のデザインやシンボリックなサウンド・スリットやネックのクランク形状など、注意深く作られているそうですが、パターヘッドの重量は昨今のパターに主流な重さ340gにしてあるそうです。 1966年当時のパターヘッドは個体差がいろいろあったのですが、総じて250-320gぐらいでしたから、どこかに上手に配分して重くしてあるのですね。



それからやはりTR Anserと同様、今回のパターにもTRグルーブが採用されています。


パターヘッド全体に横に走る溝が、ボールに順回転を与えて転がりを良くしてくれるのだそうですが、さらに注目なのが、影で微妙にひし形に見えている部分です。

TR溝につきましては、Green Keeperさんのブログで拝見して

Club PINGのこのページを読みまして、


ほほーっ! すごいなー。と思いましたのですが(是非リンク先を読んでみて下さい。)、スイートスポット“付近”で多少ズレてボールをヒットした際のボール初速の変化が少なくなるのだそうでして。



画像をクリックでClub PING JPのウエブサイトにリンクしてます。

レーザー加工だと思いますけど、ひし型の真ん中ら辺が溝が深く、周辺部分は浅く加工されているそうです。


このひし形の真ん中がこのパターのスイートスポットになっている訳ですが、冒頭の写真を見ていてふと、「ん? パターフェースの真ん中には見えないぞ?」と思いましたのです。

パターの芯については、こちらの2つの記事で考察していたわけですけれども、

パターの芯についての再考察とサイトラインの調整
アンサー (PING Anser) 型 パターの芯について考察

いろいろパターぶら下げてティーペグで突いてみたりして探っていたスイートスポットの位置は、アンサー型パターの場合、やはり若干ヒール寄りに位置しているのがオりジナル設計のようです。


フェース正面を向いた写真がないかなー、と思って探しましたら、さすがGOLF WRX、写真がありました。

画像をクリックでGOLF WRX.comにリンクしてます。


約3-4mm程度でしょうか、ヒール寄りにズレている様子がハッキリと分かります。


キャメロンのニューポートの場合は、パターフェースのほぼ中央にスイートスポットが来るように設計されていた様子でしたが、ソールに錘が入る仕様であるのを良いことに私のエースパターもほんの少しヒール寄りにスイートスポットが来るように調整しなおしました。

よく分かっていませんが、その方が良いと直感したのです。(^^;


ピシっとサイトラインの入っているアンサー2のモデルの方が愛用しているゴルファーは多いのだろうと想像していますが、私は線も点もないアンサー・モデルの方が好きです。

構えた時の見た目のためだと思いますが20年以上も使っているせいでしょうか、目標にきちんとパターフェースを向ける、という部分でアンサー型にまさるモデルは私には今のところありません。
ゴルフショップや友人のパターなど、機会ある度に興味を持ってストロークしてみるのですが何がどうしてかどう言ううわけなのか、一番きちんと目標を向いてくれるのです。


実は、キャメロン・セレクトのニューポートは、2016年型からサイトラインが入ってしまいました。
アンサー2 (ニューポート2) に入っているようなサイトラインです。

ラインがない方のが良いと思う人は私だけではないようですので、このTR1966はすごく気になる (というか買いたくなる) パターです。(^^)