2/01/2010

ノリさんの、誠に鋭いご質問への回答


記事の予定を変更しまして、ノリさんへのお返事を先にします。(^^;

前記事: 「ダウンヒル・スライダー その2



ノリさんから誠に鋭いご質問をいただきました。

一言で「◯◯歩です。」と答えても意味がありませんので、キチンとお答えするため、

・・・というよりもむしろ、私の回答が正しいのか間違っているのかも含めまして、いろいろと追加で考える機会としてもとても有用だと感じました。
・・・ので、記事に書くことにします。
(これだから、ただの自分のゴルフノートじゃなくて「ブログ」を書くって言うのは貴重です。 ノリさんいつもありがとうございます。m(__)m)


まぁ我々デジタルパット派なら当然の質問とも言えるかもしれません。(^^)
いったい何歩で打つべきなのでしょう?
無意識も込み?なるべく排除?

物理的な条件はどうでしょう?

本当にでだしは軽く登っているのか?
左への斜度はどのくらいなんだ?
お前の歩測は上り下りで影響ないのか?
ボールからカップへ真っ直ぐ歩くのか、ライン沿いに歩くのか?

画像をクリックで拡大します。


この写真の傾斜はですね、ボールからカップへ直線で真っ直ぐの方向には、緩やかに下がり途中から左へ斜度を増す感じです。

True Breakの目印のティーの方向へは、最初気持ち登る感じになります。

つまり、取るラインで距離的な感覚も変わって来ちゃうんですよね。




ここでまたまた、理科系おやじの机上の空論的な推察を炸裂させます。
わはは。(笑)
画像をクリックで拡大します。


もしグリーンが、この絵のような板状の「一定の斜面」だったとしたら、どのくらいの強さで打てば良いのでしょう?

ボールからカップまでは、ちょうど7歩、そして完全な横のラインだったとしますね。

白い方の線のようなボールの軌道を想像してしまいますが、それだとAのボール地点での打ち出しの初速と、Cのカップ地点での終速が同じ、つまり速いスピードでカップに到達しますので、カップの上は通るものの、とても入りそうにありません。
(まぁ、この白い方の線は忘れて下さい。(^^;)
青い線のような軌道を取り、段々にボールのスピードが緩くなってカップインするイメージです。
カーブの頂点Bの位置から、下りの触るだけのパットをするようなイメージですよね。

つまり、完全な横のラインって言うのは、言わば、「登って、下る」距離感の難しいラインに他ならない訳です。
打ち出しのX軸方向成分にはカップに届く程度の初速を与えられ、Y軸方向には、初め登っていって位置のエネルギーがあがり、頂点Bを過ぎると今度は高さの位置のエネルギーで加速しておりてくるのと、芝との転がり摩擦の兼ね合いで降りてくる、そんな感じに考えてみます。


それでいてちょっとトリッキーなのは、打ち出しの角度が右へずれればずれるほど登りの斜度はよりきつくなる訳ですよね。
左へずれれば、斜度が緩くなりますから打ち出しが同じ強さを保ったとすると、強すぎてしまいます。


「真っ直ぐ登って、尾根を越えたら真っ直ぐ下るライン」も難しいですが、だいたい尾根をちょうど越え切るまでの強さで打つことができれば、・・・って目安が付くのでデジタルパットで対処出来ないこともありません。

しかしこの完全横の傾斜の場合は、頂点に向かっていく角度によって、尾根の位置が変わってくるって言うことになりますから、距離だけでなく、打ち出しの方向性も精度が無いと対処が難しくなってきます。

ボールが通る軌跡の距離は明らかに直線の7歩より長いですし、それと、ボールの移動中は常に芝からの転がり抵抗摩擦がかかりますから、登って最後下るとは言え、7歩より強いスピードで打たないといけないでしょう。


で、結局、元の写真のラインに戻りますが、何回も打ってみて実感してみるしかありません。


ターゲットのティーに合わせてパターを構え、ボール軌道の頂点位置をイメージしてストロークしてみます。
とりあえずは、7歩の強さで。

これだと強すぎるみたいです。


6歩はどうだろう?
・・・これはちょっと弱いか。


などとトライするうちに、(笑わないで下さいね)一度なんかは、目標のティーに集中するあまり、subconsciousが勝手に補正かけまして、ボールがティーをヒットしてしまったりしました。(笑)
ずいぶん右に出てしまったもんです。


あくまでもこのラインの場合ですが、カップ周辺の斜度がなかなかにきついため、写真の位置にボールを止めるのは至難の業でした。

どうしても、かなり上手く打ったなと思ったボールも、後ろに置いた棒に触ってしまいます。
カップインしちゃったりとかも。

7歩ではどうしても若干強く、6歩では明らかに短くなってしまう感じでした。
どこまでsubconsciousが働いてしまっているかも含めて、かなりの練習と慣れが必要です。

読みは足らなくないはずなので、強く打ってしまう必要はないんですが、
subconsciousがちゃんと認識してくれるかどうか?と言う意味で、ちゃんと7歩の距離を正確に出せていたかどうかもやや自信がありません。

敢えて表現するなら、6.75歩ぐらい(←ホントか?(^^;)のやつが、あそこへ止まったと思いますが、意識してビシッとデジタルに打つには、こういうラインは難しい。 ということが判りました。

まぁ、デジタルであろうが無かろうが、ダウンヒル・スライダーは難しいには違いないのですが。


ちょっと思ったのですが、Bのやや内側にティーを立てて、そのティーを回り込んでカップに向かうように練習する方法も良いかも知れませんね。
Subconsciousにむしろ頼ってしまって、サンディエガンさんにアドバイスをいただいた、上50cmぐらいに止めるイメージで打ってみる。

目標を、True Breakに合わせて構えますと、確かにことごとくA側に外しますねー。
このAiming lineは違ってるんじゃないか? って思ってしまうのも、気持ちが分かります。


もちろんラインにもよる訳ですが、曲がりの頂点Bまでの距離を打つ計算をして、その距離を見極めて打てるようにすることも、ライン取りの修正以上に大切だと、あらためて思いました次第です。





1/29/2010

ダウンヒル・スライダー その2


前回の記事、「ダウンヒル・スライダー その1」の続きです。


まずはまた写真に線を引いたものからご覧下さい。

画像をクリックで拡大


本当のAiming lineに打ったボールの軌道(ライン)は、黄色い線のようになっていました。
カップインするボールも、大体この辺りを通ります。

線が重なって見えにくくなることを避けるため、ボールのところの線の起点を少しだけずらして記入してありますが、本当のAiming lineの白矢印と、実際に打ったボールの打ち出し接戦(図中の紺色の矢印の線)は、最初のラインの読みが1/3しか読んでいなかったにも関わらず、それほどかけ離れた角度にはなっていません。


ここまでは、前回の記事で説明されたとおりになっています。


ツアープロでさえ、こうした補正が入ってパッティングしているのだそうです。
経験から、補正を強めにかける術を身に付けているのでしょう。


ちょっとすんなり飲み込んで信じるのが難しい仮説だと思ってしまいますね。
(私自身がこうして写真入りで正しいと確認しているにも関わらず、そう感じてしまいます。)

デーブ・ペルツ本人も、発見当時はまったく信じ難かったが、これは仮説などではなく、単に数重ねたリサーチの結果の事実である、と。
人間のsubconscious(潜在意識)のすごいところなのだそうです。


おいおい、完全ペンデュラム式の真っ直ぐ引いて真っ直ぐ出すストロークはどこ行っちゃたのさ?

実際に生徒さん達も、いくら説明されても信じることができず、また、頭で理解したとしても、「ではトゥルー・ローラーで割り出した本当のAiming lineに構えて、潜在意識に引きずられること無くラインに沿って打ち出すパットの打ち方を練習しなさい」ということで練習を重ねても、結局は心からの理解が出来ずに疑いを持ち始め、スクールを辞めてしまう人が続出したそうです。


ちなみに、本当のAiming lineに対して正しく構えさせた上でパットをさせると、みんなことごとくA側に外し始めるんだそうです。

なぜに、こういった事実をデーブ・ペレツ以外の誰も気が付かずに来ているのでしょうか?

subconscious(潜在意識)は、誰にも、本人にさえ気が付かせること無く、考えて意識した動きを凌駕してこうした補正を入れて体の動きを支配しているのです。

それが証拠に、スイングの動画を撮影して本人に見せると、誰もが「自分の頭でイメージしていたスイングとぜんぜん違う!」と言って驚くのだから、意識していないsubconsciousに支配されて体が動くということは、全く不思議ではない、ということなんだそうです。

本を読まずに私の短い説明だけで納得しろと言う方が無理かも知れませんが、ペルツ先生が行ってきた色々なリサーチの内容を読み、実際にグリーンで実践してみて、私は本心から「これは凄い。」と納得するに至りました。

以前パッティング動画を撮影してみた記事でも、無意識に行っていたスタンスの補正や、ストロークの補正が映って捉えられていました。


中には、「なんだよ、どうせsubconscious(潜在意識)からの補正が入るんなら、それで良いじゃん。」と考える生徒さんも出てきます。

これは私も思いました。
ツアープロみたいに究極に上手い人も、subconscious(潜在意識)からの補正込みで打っていてあそこまで上手いのだから、それはそれでいいんじゃないか?

別のお話ですが、長い距離のパットを寄せる「Lag putt」の打ち方に、subconsciousを大いに活用して距離感を作らせるという、ペレツ先生のsubconscious積極利用姿勢からしても、それで良いじゃん。という意見はもっともな部分もあります。

(またまた余談ですが、このラグ・パットの記事書いたときにも、「意外に9歩以下で3パットしてる、それもDSのラインがほとんどだ」とか書いてますね。
ご多分に漏れず、グリーンのスピードの読みの間違いだ、と勘違いな分析をしています。 ←これもペルツ先生の指摘通りの間違いです。)





本来のAiming lineに対して、breakの読みが大きく足りない1/3程のラインに構えますと、subconscious(潜在意識)は、ここままでは全くカップインしないことを無意識に知っていますので、補正を入れてきます。
ひとつには、パター・フェースのセットする角度を右にずらす。
ついで、ストロークを無意識な範囲でインサイドアウトに出してなんとかカップに近づけようとします。


実はもうひとつ、subconscious(潜在意識)がやってしまう動きがあります。
より膨らみの薄いラインでカップインさせようとするため、ボールのスピードを上げてしまうんです。

かくして、ボールは大きくカップを通り過ぎて行く結果になります。


20数年もゴルフをやってきて、ラインの読みは上手くは無いなりにも、大きく曲がるラインは下って行くって良く知っていますし、かなり速い下りのラインでもほぼ真っ直ぐならば距離を合わせて打つこともできるって言うのに、その割には、

・・・なんでこんなに打っちゃうんだろう?って不思議だったんですが、subconscious(潜在意識)がやっていたのですね。

なんか、すごく納得です。



ツアープロでさえ、読みが1/3程に浅くなってしまう理由ですが、この図を見て下さい。↓

写真をクリックで拡大します。


図中の「a」が、「true break」です。
これに対して、ボールの転がるラインの最も膨らんだ部分の幅「b」を、
「visible break」と呼びます。

本来ならば、「c」が「visible break」ですが、「フィニッシュの重要性」という記事で書きました、8秒間の人間のフィーリングの短期記憶を上手く利用してフィードバックをかけていない場合は、時間をかけて読んだ方の「b」に近いものが「visible break」になって来ます。

フィニッシュを止めてボールの軌跡を姿勢を変えずによく見て目に焼付け、繰り返しフィードバックをかけて行くと、段々「b」から「c」の方に近づいてきてくれると思って期待しています。


この現象、じつは以前、この記事を書いたときに、ここまでキチンとではありませんが、おぼろげに感じていました。
この時の青線を、もっとカーブの接戦にぴしっと引いて本来の打ち出し線としたならば、あの時の度合いもまた1/3程度になっています。
当時は1/2ぐらいで線を引いてましたが、引き方が間違ってます。
(↑これも、subconscious(潜在意識)によるイタズラのせいでしょう。(笑))



そして、subconscious(潜在意識)による補正は、その大きさが小さければ小さいほど、正確になって来ます。
補正する度合いが大きいと、subconscious(潜在意識)も、より強く働きかけて、その人のconscious(意識)をねじ曲げて、必死に戦わなければなりません。

真っ直ぐに近いラインほど打ちやすいのは、補正する量が小さくて済むからなんですね。



さて、ここまで来て判ったのは、本当のAiming lineに向けて打って練習した方が、ずっと楽に補正出来てよりカップインに近づけるということです。


でも、無意識にずれて打っているのに、どうやって直して行ったら良いのでしょう?

最初に、目標として刺したティーに向かって打っていくと、ことごとく右側のA側に外れ始めます。

ここで練習すべきは、breakのあるラインであっても、目標のAiming lineに沿って真っ直ぐに打ち出せるような練習です。
・・・が、そうは簡単に行きません。


A(bove)側に外すには、いくつか方法があります。
Aiming lineのティーに向かってスピードを強めに打ち出せば、A側に外れますね。
しかしこれは、カップインしなければやはり大きくカップを過ぎて離れて行ってしまいます。

ジャストのオプティマム・スピードで打ち出すことも、大きく曲がるラインでは難しい。
subconscious(潜在意識)がまだ慣れていないからですね。


そこで、A側の、しかもボールとカップを結んだ線より右側にボールを残せるように打つ練習をします。
刺してある目標のティーに向かって構え、例えカップを過ぎたとしても、置いてあります棒までは行かない距離でボールが止まる強さで打ちます。

打ったボールのラインは直後に重力で白い直線から外れてきますから、ティーに当ることはありませんね。
ストロークで右に打ち出してしまわない限り。



実際にやってみますと、カップの後ろの棒に当たらない強さでパットを打つことは、カップインさせるよりも難しいことが分かります。

この練習、実際にはラインとかグリーン上には見えませんから、この写真みたいな状態での練習になりますね。↓

写真をクリックで拡大します。


傍目には、大きく曲がるラインの練習には見えても、入れること自体よりも棒に当てないように、ラインに真っ直ぐ出せるように、subconscious(潜在意識)になるべく少ししか補正させないように自分の脳の無意識をコントロールしている部分をトレーニングしている練習、という風には見えないことでしょう。(^^)


ラウンド記録を振り返ってみても、どうも5-9歩とかの距離で3パットしている事例が結構あるな、と感じていましたが、どうやらこのダウンヒル・スライダーでやらかしていたようです。

もうひとつ、ペルツの本には書かれていませんが、自分で自信のあるフックラインの方に、自信の無いスライスラインの時よりも短い距離からの3パットの発生する率が多いということも判りました。

このことはちょっと結論付けるにはデータ数のサンプル数が少な過ぎはするのですが、subconscious(潜在意識)がボールを入れに行って強くなる、という理屈から考えれば、大いに頷けるデータです。


この脳のトレーニングでは、こういったことを全部把握した上でパットしても、相変わらず棒に当てずにA側にパットすることはなかなか難しいですから、脳の「無意識」の修正/調整にはかなり時間がかかることだろうと思います。

願わくば、DS7BL-U3B-① (Downhill, Sideline, 7steps, Below, Long)などと記入しているパット記録が、DS7A-①という風に変わって来てくれれば、と思っています。

将来的には、DS⑦なんていう確率も、少し出てくれたら嬉しいことこの上ないのですけどねー ♡。


1/27/2010

ダウンヒル・スライダー その1


なぜに大きく曲がるラインと言うのはかくも難しいのでしょうか?


先日、「ムーアパーク・カントリークラブ」をラウンドしたときに、1歩-4歩(約70cm-2.8m)をことごとくB側(谷側のアマチュサイド)に外しまして、これはきっと何かが大きく間違っているに違いない、と考えるに至りました。


先に結論から書いてしまいますが、

どうやら私のパッティングは、根本的にレベルが低く、スピードが速く曲がりの大きいグリーンに対してのグリーンの読みも出来ておらず、経験値も不足している上、グリーン上における物理現象をきちんと理解すらしていなかったことが、(デーブ・ペルツのパッティング・バイブルを読み進めてみて)判明しました。


それを基に、いま練習に取り入れ始めたパッティング練習をノートしておこうと思います。
見た目的には、こんな練習です。
とりあえずは苦手なスライスラインではなく、フックラインから始めてみています。

写真をクリックで拡大します。


この写真はほぼ水平を出して写しておりまして、右上の端の方に写っている建物や木を見ていただけますと、そのことが分かるかと思います。

一番好きな16フィート(約4.8m; 私の場合7歩)の距離でセットアップしましたが、もっと近い距離でも有効だと思います。
フックラインは明らかですが、全体には登っているようにも見えますでしょうか?
ライン自体は左へ曲がって行きますから、下りのパットになって来ますね。

ただ、写真を見ただけでは、この練習目的の真意は分かりません。



このパットを、まずは自分が見たままにラインを想定し、パットしてみました。
ここは普段来ない練習グリーンでして(先日のマイル・スクエアです)、練習グリーンに到着してすぐ、なんの下知識も無く打ちました。

写真をクリックで拡大します。


水色のラインが想定したラインで、青色のラインが実際のボールが通った軌道です。

カップのB側に楽勝で外れているのも当然ながら、グリーン上に落ちている木の陰を通り過ぎた辺りからボールはスピードを上げ、3-4歩(約2-3m)ほども転がってしまい、見事な3パット・コースです。

青色の線が、出だしで水色の線よりも右側へ出ているところを注目しておいて下さい。


下りになる(左右どちらへでもよいのですが)曲がりの大きいラインが実は、例え距離が短くても3パットになる「ダウンヒル・スライダー」と呼ばれるラインでして、多くの場合、例えば大きく曲がる横のラインであっても後半が下りになりますから、ペルツの言う、非常に危険な「ダウンヒル・スライダー」になり得ます。



では、なぜに大きく曲がるラインと言うのはかくも難しいのでしょうか?

曲がり具合が判らないんだから当たり前だろ?
経験する機会・回数が少ないんだから、難しいんだよ。

私もそう思っていました。

しかしながら、このパットを2度、3度と打ち直してみましたが、かなり極端に狙いや強さを変えない限り、何度打っても、違ったラインは描くものの似たようなB側に大きくオーバーの結果になりました。


実は、大きく曲がるラインが少なく曲がるよりも遥かに難しい理由、それも物理的なそして人間科学的な理由が存在していたのです。




にわかには信じがたい話ですので、本当はまずはパッティング・バイブルを全部丁寧に読んでみるべきなのですが、・・・できるだけ簡単に説明してみます。

多くのアマチュア・ゴルファーは、実に90%ものパットをB側(カップの谷側)に外している、というのはペルツが何度も言っていますし、雑誌などにも載っていて、すでにご存じの方も多いと思います。

(デーブ・ペルツは、「トゥルー・ローラー」と言う、↓の写真のような道具を使います。)

写真をクリックで画像のリンク先に。

ボールをセットする高さを調節することによって、ボールのスピードを調節します。
誰よりも真っ直ぐにボールをラインに乗せることが出来る装置です。



「Aiming line」というのは、ボールから狙い目の目標に向けて引いた直線のことを言いまして、カップの縁から何インチ(または何フィート)と言う風に表現します。

最初の一番目の写真に戻るのですが、本当の狙う位置はどこなのか調べた上で、目標にティーを刺しました。
Aiming lineは一通りしか存在しません。
曲がるラインは、打つ強さによって様々なカップインできるラインをとり得ますが、オプティマム・スピードで行ってカップを17インチ通り過ぎる強さで出来るラインは1本しか無いのです。


ペルツの研究に拠りますと、こういう信じがたい事実があります。
まず、本当のAiming lineは隠しておいて、アマチュアのゴルファーにどのくらいの大きさのbreak(曲がり)を読むか、カップの縁からのインチ数で表現してもらいます。
すると驚いたことに、ほぼ例外なくみんな、Aiming lineに対して約1/3の
break(曲がり)しか読まないと言うのです。

いくらアマチュアがいつもB側に外すからと言っても、1/3は無いんじゃないの?って思ってしまいますが、これは何万人ものデータを取った上での事実です。

さらに驚いたことに、ツアー・プロでさえ、聞いてみるとほぼ例外なくみんな、本当のAiming lineに対して約1/3のbreak(曲がり)しか読まないと言うのです。


その裏には、subconscious(潜在意識)のなせる、実に面白い事実が隠れていました。


「ではあなたの読んだラインに構えてパットして下さい。」というと、ほとんど全員がこれまた不思議なことに自分の読んだラインの狙い目よりも、
Aiming line方向にずれてパターを構えるのです。
フックラインなら、右にずれて構える。
その量は、本当のBreakの約2/3ぐらい。

真っ直ぐなラインに真っ直ぐ構えるときはそんなことは起きないのに、傾斜地で曲がるラインに構えると、途端にそうした補正が出てくるらしいのです。
これがまた、どうもですね、無意識に起きていて、誰も自分がそんなことをしているとは夢にも思っていない、自分では気付かずに補正を入れていると言うのです。

ツアープロにも、全く同じ現象が起きている。


さらにですね、パットを打ってもらうと、今度はストロークにもsubconsciousからの補正が入って、さらに右に打ち出すのだそうです。
一般のアマチュアで、本当のbreakに対して85%ぐらいまで補正されます。でもまだ足りない。

ツアー・プロですと、subconsciousの補正トータルで95%ぐらいまで補正されるそうなんですね。
ここまで補正されると、カップインするパットが出て来ます。
(しかしながら、ツアープロとて、大きく曲がるラインほどB側に外す傾向が出てくるそうです。)



私は、トゥルー・ローラーを持っておりませんので、ボーリング式に手でボールを転がして、ほぼ正しいAiming lineを割り出してみました。

写真をクリックで拡大します。


オプティマム・スピードになるスピード(強さ)と、カップインするラインの組み合わせを見つけなくてはなりませんので、トゥルー・ローラーが無いと実に根気の居る作業になります。(笑)
まぁ、大体合ってるかな?っていうところを見つけて、ティーでマーク。

カップの傍にボールが佇んでいますね?
オプティマム・スピードにはちと足りませんが、あそこにボールが止まるまで20数回を要しました。
(ある意味パットより難しいか?(笑))
でも、ホントのAiming lineが知りたいのだから仕方ありません。

あそこへ構えて打って行ってカップインするのが、本当の目指すべきラインです。(白い矢印です。)


ところで、上の写真を見ていただきますと、私のパットは見事にペルツ先生の言うとおりになっています。

初めの読みは約1/3、しかし実際に打ったラインは読みよりも右にブレている。
構えとストロークでどちらがどのくらい無意識に補正したか分かりませんが、ボールの転がりのラインの打ち出しの接線方向に線を引いてみますと(紺色の矢印)、どうやら本来のラインの85%ぐらいのところまでは補正されているようです。

んー、ペルツ先生、恐るべし。

ボールがB側に外れるだけでなく、カップから大きく遠ざかってしまうのには、実は深い理由がありました。
私が7歩の距離で打つデジタルパットを大きくしくじっている訳ではないのです。


そして、冒頭の疑問に戻りますが、なぜに大きく曲がるラインと言うのはかくも難しいのでしょうか?

カップの幅ぐらいしか曲がらないパットにはカップインするためのブレの許容範囲が大きいのは分かります。
しかし、ここまで大きく曲がるラインではなくても、カップを外して狙うようなパットには、正確な距離のコントロールと曲がりの読みがカップインには必要なのですから、パットの難しさとしては変わらない筈?
まして、本当のAiming lineが判っているなら、なおさら差は無いはず。

特に、デジタルパットの得意な距離で距離のコントロールを容易にしているのですから、曲がり幅の大きい小さいは読みの要素を除けば難しさに変わりは無い筈なのですが、

・・・実際には大きな曲がりのラインの方が何回打っても外れる回数は多くなり、残る距離も長くなってしまい、難しいのです。



お話は佳境に入ったところで甚だ中途半端ですが、「追記」に本文より少ない字数制限が在ってはみ出しそうですので、次の記事に続きを譲りたいと思います。(^^;


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