って言う題目で書かれたデーブ・ペルツのブログの記事のご紹介です。
その前に、史上最高のパー・プレイというと、誰の、どのホールでの、どんなパーを思い出すでしょうか?
私が思い起こしますのは、92年のマスターズの最終日の最終18番。
フレッド・カプルスが優勝したときのパーにはとても感動しました。
当時、Boom Boomというニックネームで呼ばれていまして、すば抜けた飛距離を誇っていました。
しかしあの頃はドローボールが持ち球で、たまに大きくフックすることがありました。
マスターズの最終日、前年の全米オープン・全英オープンでも3位に入ったほか2勝を挙げ、この年の序盤にもLAオープンを含む2勝を挙げて世界ランキング1位になっていたフレディは、最終日にはオーストラリアのグレイグ・ペリーを2打差で追う形でのペアリングとなりました。
このマスターズで話題になるのは、やはりどうしても12番パー3のパープレイだと思います。
ややショートして、グリーン前のクリークに向かうガラスの坂を転がり落ちかけたボールが、まるで物理法則に逆らうかのように奇跡的に止まり、パーを拾った、有名なあのプレーです。
この時点では逆転してトップに立っていて、2位に3打差を付けていました。
そして、マスターズでのメジャー初優勝がかかった18番のティーショット。
2打差の2位に居るのは、49歳にしてマスターズで11アンダーで回ってきたフレディの師匠、レイモンド・フロイドです。
実は、89年のライダーカップのチームで、キャプテンだったフロイドに可愛がられたフレディはメンタル面でのアドバイスを受け、大きく実力が開花した経緯があったのです。
最終日、フレディは1番、2番のティーショットを左に曲げ、コントロールにやや苦しんでいました。
解説からも、あの大きな二つのフェアウエイバンカーに届かないクラブで攻める選択肢が、推奨されていましたが、Boom Boomが持ったのはバンカーに届く3Wでした。
(昨年のアンヘル・カブレラが右の林に打ち込んだものの、木に跳ね返ってフェアウエー中央に戻って来るラッキーで勝てたのは記憶に新しいですが、このホールも実によく設計されていますね。)
あのゆったりしたリズムで放たれたボールは、・・・やはりかなり大き目に左へ曲がり、グリーンに遠い方のバンカーの中央へ。
この時に私は、フレディの自分らしいプレーに徹した頑固さ、男気を感じました。
バンカーから7Iでクリーンに打ったボールはグリーンを捉え、2パットのパーで優勝を果たしたのです。
この時の自分のスタイルを貫くパープレイは、私の心に強く刻まれました。
これはまぁ、大場面というシチュエイションとか、どのくらい重要なゲームでのパーか、といった観点での「最高の」パー、という位置付けですが、単純に技術的に(特にリカバリーとかが)素晴らしいパープレイと言う意味合いでの「史上最高?」かもしれないパーを、デーブ・ペルツのブログでは取り上げられています。
そういった観点で私が思い起こしますのは、これまたフレッド・カプルスで恐縮ですが、99年のプレイヤーズ・チャンピオンシップの初日、あの有名なTPCソーグラスの17番パー3、アイランドグリーンで達成した驚異的なパーです。
この↓VTRの、1:45~2:30のところにその様子が映っています。
ティーショットをわずかにショートしてウォーター・ハザードに捕まってしまいますが、フレディはドロップエリアには行かず、ほぼ同じ位置にティーアップして打ち直した3打目が、直接カップイン。
ホール・イン・ワンならぬホール・イン・パーの達成でした。
さて、またしても前置きが思いの他長くなってしまいましたが(笑)、2002年にフィル・ミケルソンがやってのけた驚異的なパーが、こちらです。
舞台は、2002年ベスペイジ・ブラックで行われたUS Openでのお話です。
実はデーブ・ペルツ自身も知らなかったそうですが、昨2009年にベスペイジ・ブラックにUS Openの舞台が戻って来て、フィルの練習ラウンドに付き添ったときにフィルから直接聞いた話しだそうです。
こちらです。↓
「Maybe the Best Par Ever?」
詳しくは上のリンク先の写真を、順を追って見ていただくとしまして、お話を端折って説明しますと、問題のホールは13番のパー5。
昨年は、605yに延長されていましたが、2002年当時は545yの、フィルなら 2つで届く距離のパー5でした。
2打目を、当然2オン狙いで4Wを打ちましたが、やや右に逸れグリーンから25yぐらいのところへ飛びました。
キャディーと共に、ピンまで40yぐらいのピッチショットを想定してグリーンへ向かったフィルは、とんでもないことが起きていたことを知ります。
ギャラリーの居た軽いラフに落下したボールは、ほとんど止まりかけましたが止まらず、ころころと転がり始めた後、なんとカート道へと転がってしまい、今度はそのアスファルト敷のカート道をどんどんどんどん転がり落ちてしまい、カート道がT字になっているところまで145yも転がり落ち、T字のところの4インチのラフでようやく止まったのです。
転がり落ちたカート道がこれ↓で、
レフティのフィルの代わりにペルツが構えている写真がこれ↓
グリーンまでは187y、6番アイアンで弾道の低いインテンショナル・スライスを打ち、なんとこの穴を通してグリーンのフロントエッジまで持って来たのです。
なんなくアップ&ダウンを決めて、このホール、パー。
信じられない神業です。
リンク先の写真は残りすべてはあちらで見ていただくとしまして、私の方は、ちょっと上空から検証してみます。
ベスページ・ブラックのコース図は、こんな感じです。
13番のグリーン東側のカート道は書いてありませんね。
Google Mapからコピーしてきた航空写真を載せてみます。↓
クリックすると拡大します。
向きは上下(南北)を入れ替えてあります。
2002年当時のティーイング・グラウンドは私が付け加えました。
白線が、1打目と2打目の大体の想定で入れた軌跡です。
そこから、黄色線で転がり落ちる軌跡を入れてみましたが、ギャラリーに踏まれたラフを転がり落ちて行き、カート道に届いた後はカート道沿いに最初カーブしてそこからは延々と転がり落ちて行って、カート道がT字になったところまで行ってようやく止まった、という説明でした。
こんなこと起きるんですねー。
USオープンなのにカメラがカバーしてなかった場所って書いてありましたけど、そりゃぁこれはカメラ無いでしょ。って感じです。
そして3打目、これを6Iの低弾道スライスでくぐり抜けてグリーンサイドまで戻す、っていうショットは本当にすごいですね。
アップ&ダウンを難なく決めてパー。
普通は、アンプレアブルを選択して2打目地点に戻って4打目って対処しかしようがありませんよね。
ペルツのブログには、Phil のこのパー・プレイの何がすごいって、このショットをUSオープンでやってのけてしまうところがすごい。 って書いてありました。
もし途中の枝に引っかかりでもして、さらに林の中、とか、転がり戻って来てまた元の位置、とか、いろいろなシナリオを考えますと、確かにこれを
打ってしまうジャッジがすごいです。
打ってしまってもしも失敗したあかつきには、2打目地点に戻るオプションはもう存在しません。
私はやはり「アンプレアブルを選択して2打目地点に戻って4打目」の方が正解だと思います。
めちゃめちゃうまく行けばパーもありますし、ボギーにするのはそれほど大変ではないでしょう。
フィルはちなみにこの大会トータル・イーブンパーで、優勝したタイガーに
3打差の7位タイでプレイを終えています。
***
追記:
KIAクラシック11番ホールでの、ミシェル・ウィーのクラブがハザード内で地面に触れたペナルティーの件、
本人が延々20分以上にわたって抗議をして、「私にとってフェアじゃない。」「バランスを崩してクラブを助けに使ったケースで、ノーペナルティーだ。」とビデオ室で競技員二人とリプレイを見ながら主張した場面がTVで丸々、長々と放映されました。
優勝も決まった後でしたし、注目されてますし、放送時間も余ってたんでしょうね。
まずは、一見にしかずですから、このビデオを御覧下さい。
以下、私の感想に代えまして、昨日友人とやり取りしたtext messageを。
(友人)
Subject: wie
did u see? or hear? that michelle wie grounded her club and she was
penalized 2 strokes...
(私)
I watched it and had to hear her lengthy does-not-make-sense-at-all
appeal for about 25 minutes.
Her appeal did not have any point.
...and it was painful to hear/watch such whining from Wie.
She lost it and was down from T2 to T6 which cost her about $89,000.
こちらにその、見ちゃいらんない抗議の一部がビデオに収まっています。