グリーンの速さを測るスティンプメーター。
GDOのブログをなさっている方はほとんどの方がご存知だと思いますが、
仕組みは、角溝のある棒にボールを乗せて一定の斜度でグリーン上のなるべく平らなところに転がし、ボールがグリーン上で転がった距離を測定するという、非常に直接的な実際のゴルフボールを使った方法です。
4方向で測定した平均値を取ります。
↑スティンプメーターを使っているところ。
およそ測定器というよりは、現実に基づく実験・経験則値って感じですね。
地面との角度が20度ぐらいになると転がりだすようになっているボールを乗せて置く切り欠き部分はこうなってます。
(楽天のスティンプメーターを売ってるところから写真を拝借しました。)
7フィートぐらいが標準、9フィートぐらいはやや速め、5フィートは遅めとされていまして、プロのトーナメントになると10フィートとか12フィート、なかにはもっと速い14フィート、なんていうケースもあるようです。
デジタルパットを実践する身としましては、
このスティンプメーターの数字によってグリーンのスピードを表すという概念は、まさにベースになる基本のデータということになりそうです。
自分が基準にしているスピードが9フィートで、例えばその日のグリーンが8.1フィートなら10%程度遅いと考えて10歩の距離を11歩で打つ、という風に換算して応用できそうです。
・・・しかし現実は?
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まず私は、スティンプメーターで何フィートが自分の基準の距離なのか実はよく判っておりません。(x_x;
基準は、Rio Hondoという近所のゴルフ場のグリーンが一年を通して一番多くセッティングしているスピードでして、先日お邪魔した季美の森ゴルフ倶楽部も同じくらいのスピードだった、ということは判っていますが、米国の私の周辺のゴルフ場ではスティンプメーターの表示がなされているコースがほとんど“無い”のです。
所属のスパーインテンダントさんやプロに聞きますと、「大体9-9.5フィートじゃない?」って答えをもらえることはありますが、測っても居ない様子でした。
ちょっと検索してみて、こんなことが書かれているのを見つけました。
↓
道具と技術の木曜日: スティンプ・メーターの疑惑
要約しますと、『スティンプメーターの数値が表示されているコースは多いけれども、実際に信頼の置ける数字が書かれているケースは多くは無いようだ。』ということになりましょうか。
それと、私のもうひとつの疑問。
私が体験したことの無いような相当速いグリーン、例えば12フィートのグリーンでも、たかだか3.6mちょっとの距離で表現される訳です。
9フィートのグリーンなら、2.7mぐらい転がる。 これって、私にとっては約4歩弱の距離で、デジタルパットの内-内の距離にも満たない短い距離です。
果たしてこれを14歩とか21歩の距離に比例で換算してよいものかどうか?
長い距離を打つパットの最初の方はボールの初速も速いですし、芝の上を通過していく転がり方も、カップ周辺でのゆっくりなスピードでの転がり方とはまるで違ったもののはず。
芝目の影響も、カップ周辺でのボールがゆっくりなときの方が大きいでしょう。
実際、私の体内基準では内-内が7歩ぐらいのグリーンが基準で、これが例えば内-内で5歩の遅めのグリーンに来たとしまして、そこで14歩の距離が残っていたら、14 x 7/5 = 19.6歩の距離感で打てばよいのかといいますと、そんなには違わない、というのが私の感想です。
打ち出しの最初の部分は、グリーンの速さに左右される割合が少ないからなんじゃないかと思っています。
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ちょっと、ググってみました。(^^;
JSGCA (日本ゴルフコース設計者協会)のGCAジャーナルのバックナンバーの中に、こんな記事がありました。 95年に書かれたものです。
↓
スパイクとグリーン
http://www.jsgca.com/06_gcajournal/gcanl03-p09.html
率直に言って、わが国の大半のコースが、スピードのあるグリーンではないのが現状である。相当、ゴルフに通じている人々でさえ、グリーンの刈り高だけを論ずるだけで、スティンプ・メーターの数字は知らないケースが多い。同じ刈り高でも、グリーン面がファームであるかどうか、肥料の分量、水分、ローラーのかけ具合、埋土の頻度等によってスピードは異って来る。
んー、95年でこんなことかかれてますから、スティンプメーターの概念が日本のゴルフ場でも流行り始めたのって、比較的最近なんですね。
(ちなみに同じ日本ゴルフコース設計者協会GCAジャーナルに、日本で1936年当時に既にスティンプメーターそのものともいえるボールを転がしてグリーンの速さを測る測定器を実際に作って書物に書いていた方の文献がある、と書いてありましたけど。)
この頃から、高麗グリーンからベントグリーンへの移行指向が高まってきて、スパイクレス・シューズにも注目されるようになって行ったみたいです。
そういえばそんな記憶ありますね。
コース設計家の小室嘉彦さんは、GCAジャーナルに次のような寄稿をなさってます。
↓
閑話休題: スティンプメーター
http://www.jsgca.com/06_gcajournal/gca04-p13.html%20%3E%3Cspan%20style=
・・・スティンプメーターを使いグリーンの速さを知ること自体は決して悪いことではないが。その事に気を取られる余り、関係者があたかも、そのコース全部のグリーンについて均一のグリーンを作り出そうとするかに見受けられることがある。
スコットランドのリンクスに於いては無論のこと、インランドのコースに於いてさえ状況によって途轍もなく速いグリーンや、反対に遅いものがある。これが自然というものだ。
練習グリーンと、ホール毎のグリーンのスピードが違うと、ゲームになんないような気がするんですが、私は間違っているようですね。
私の好きな、富士クラシックの非常に優秀なスーパーインテンダントの石本さんのブログにも、こういう風にかかれていました。
↓
グリーンスピード
http://fuji.classic.ne.jp/blog/2009/05/post_197.html
・・・富士クラシックは平らな部分がないので計測できないのです。自分の今までの経験でのパターで転がした場合で言うと9.5フィート????かな???
一応私の基準では、ちょっと弱いかなと思ったストロークで意外に延びてカップに届くくらいを目指しています。見た目で重たそうだが案外転がるくらい。
---(中略)---
富士クラシックのグリーンは素直な転がりを追求しています。
「芝目があったって良いじゃない。凸凹な転がりはしないのだから。順目の下りは13フィート以上転がりますよ。」
私はそんなキーパーです。
このリンク記事の写真 ↑ 、ほんとに14フィートぐらい転がってないすか?
ピンの長さとかボールのサイズとかから想像しますに。(^_-)
さすが富士クラシック、すげーなぁ。
順目の軽い下りなんですね、きっと。あんまり下っているようにも見えませんけど、芝の色も白っぽく写ってますし。
「芝目が順目のしかも下りでこのぐらいの傾斜だと、14歩の距離は10歩じゃなくて6歩の強さで打たなくては駄目」、みたいな読みは、デジタルパットの先の楽しみ、応用の部類に入って来ます。
この辺りが、まだ私は経験不足な面が出てしまうんですよね。
そういった読みが合っているか合っていないかは別にしまして、まずは(実際の距離にかかわらず)自分の中の基準の6歩の距離を、一定の加速度を持って自信を持ってストロークすることができる、ということはデジタルパットの強みだと思います。
ゴルフ歴は24年以上になりますが、経験不足と言いきってしまいます。
デジタルパット歴はまだ1年半ぐらいの新米ですので!!(^^;