写真が斜めっていますが、ゴルフ場のカート道の脇で撮った写真です。
これは確かFullerton GCの12番ホール、パー5のグリーンに近い方のロケーションです。
実際こういう穴はいろんなコースのありとあらゆるところ、場合によってはフェアウエーにもあいていまして。
ゴルフルール上は、「穴掘り動物の穴」っていう分類がされるのですが、動物もいろいろです。
Gopher (堀ねずみ)が代表的ですが、他にもウサギやヘビ、モグラ、オポッサム、ラクーン、イタチ、キツネなど、大きさも様々です。
ゴルフボールくらいなら転がり込んじゃう大きさのものが多いので、ボールをロストしないように気を付けないと、です。気を付けようがないとも言いますが。
ちなみにこの穴はリスの巣です。
誰の穴か分からないときも多いのですが、今回は目撃しました。(笑)
---
このブログにいくつかあるんですが、やけにウエブ検索にかかるらしい古い記事があります。
そのうちの一つがこちら。
プル角の概念自体は、一部のクラフトの方々を除いてクラブメーカー側ではすでに廃れてしまいまして、クラブ設計には使われていません。ほぼ死語になっていますので、耳にした方が「なんだろう?」って思って検索をしますと、上記の記事が候補に挙がってくるのかな、と想像します。
アイアンを構えた時に、シャフトが左から入って見えるのですが、この時の角度を「プル角」と呼んでいました。
シャフトの直線から、白く塗られている一番下のスコアラインの直線にネックのところで逆「く」の字に曲がって見えまして、ネック付近に懐があって包み込むイメージがあります。
ただ、このプル角が付いていると、左へ引っ掛けやすいんですね。
ショートアイアンほどプル角が強いので、左に引っかかりやすい傾向があります。
それで、プロの中にはショートアイアンやウエッジを打つ時にオープンスタンスを取るプレイヤーも少なくありません。
...的なことが 30-40年前の当時には語られていたりしました。
でもこれは多分に写真の取り方も影響していまして、
真っ直ぐにセット
こういう風にほぼ真っ直ぐに撮しても写真上はクラブフェースの見た目の形はほぼ変わって見えませんが、懐(ふところ)部分の見え方の雰囲気は少し変わって見えます。
実際にショットを打つ時には、やや左からシャフトが入って見える角度で構えることが多いです。
1978年頃に、それまで100円ライターで知られていたマルマンが 『SPSS理論』っていうのを引っ提げてゴルフ界に進出しまして、さらに 1989年にアイアンのソールに4方向に丸みを帯びた『マルマンソール』っていうのを出して大ヒットさせたんですが、それ以前のアイアンのソールは、大体真っ直ぐフラットなソールが多かったんですよね。
ですから、アイアンのソールを地面に構えた時に、座りの良い位置っていうのが当時のクラブにはありました。
そのアイアンソールの「座り」を基準にプル角を測って、調整を入れたりしていたんです。
ネックを曲げて調整しますので、どうしてもロフト角やライ角に影響が出ます。
ただこの当時は、ロフト角やライ角のそもそもの販売時点での精度が、一般売りの製品ではあまり良いとは言えない出来で売られていました。
ほとんどのアイアンクラブが鍛造(フォージド)の軟鉄製でしたから、出来上がりの精度は +/-2~3°は当たり前のようにズレていましたが、一方で後からの調整は利きました。
ですからチェックして調整を入れれば、むしろ良いチューンナップになっていましたし、その辺りのきめの細かさが日本的で良かったと思います。
一方、ウエッジの場合は、当時からソール形状は様々なものがありました。
ソールの座りを基準にプル角を測り、懐の見え具合をゴルファーの感性に合わせ、打ちやすいウエッジに仕上げる、というクラフトマンの仕事は多くのゴルファーの助けになっていたと思います。
当時のアイアンやウエッジもマグレガーのやつをいまだに持ってはいますが、今回の写真にはちょっと前の2010年のグルーブ溝規制以前のウエッジを持ってきました。
フェースを開いて使いやすいように設計された、ものすごく良くスピンのかかるウエッジでした。
同じように構えてみますと、
通常のややハンドファーストの構え
バンカーショットなどややハンドレートの見た目
このウエッジの、わりと硬い地面でのソールの座りが良い位置を確認してみますと、こんな風になります。↓
ソールの座りが良い位置にクラブを置いた時
自然と 20°くらいフェースを開いて使うように設計されて作られているウエッジだな、っていう感じがします。
こうやって構えた時のボールの打点位置でのフェースの向き(ティーの指している方向)と、フェース上のスコアライン(溝)に垂直な向きの方向が、クラブを構えた角度からでは必ずしも一致して見えない、っていうことは意識に置いておいた方が良いかもなー、と思います。
また、アイアンやウエッジには グースネック(フェースプログレッションが大きくつけてある)にデザインされているものも多くあります。
グースネックになっていますと、クラブの重心角が大きくなるように作れるため、つかまりが良くなる性能を持たせることができます。またフェースがシャフトにやや遅れてボールに入るため、ダウンブローの強い打ち方の人にはグースネックが合うとされています。
グースネックのアイアンは、わずかではありますがウッド類のクラブでいうところのフックフェースになっているクラブとして使うことも可能です。
グリップの入れ方を少し変えると効果的です。
ところで、プル角について英語版の Goole検索を使いまして検索してみます。
"pull angle", golf
あるいは
"hook face", irons, golf
などのキーワードで検索をかけてみますと、Golf CrushというゲームのPull Angleっていうショットのファクターがあるらしいのですが、それしか出てきません。
英語圏のゴルフ用語には、アイアンの「Pull Angle」は実のところ 存在していません。
元々、日本にしかなかった概念のようです。
---
他にも日本に独特のゴルフ用語の表現があります。
例えばこちら ↓
「ボディターン」
この表現も米国では耳にしません。
こちらも試しに英語版の Goole検索を使いまして、検索してみます。
"body turn", golf swing
この検索ワードで出てくるのは...、
「Golf Body Turn Swing Ball Practice Equipment」by Amazon.co.jp
「Tabata Tornado Stick Swing Trainer」by Amazon.co.jp
「Marcus Edblad Powergolf - Facebook」by Marcus Edblad
こんなところです。
最初のリンクは、Tom Fieldingsっていう日本でゴルフレッスンをしているオーストラリアのプロのウエブサイトです。日本で教えていてボディターンっていう表現を日本で学んだのでしょう。
2つ目と3つ目のリンクは、トレーニング器具です。両方ともAmazon.comではなくて、Amazon.co.jpのサイトです。リンク先は英語表記ですが、両方とも日本の商品です。
4つ目のリンクは、スウェーデンのプロのFaceBookページです。
私はスウェーデン語は読めませんが、英語でアップロードされている動画では、「真っ直ぐに打とうとするとスライスしていってしまうが、インサイドアウトに振っていくと不思議なことに真っ直ぐに打てる。」的な説明がされていました。ボディターンという言葉がどのポストで使われているのかよく分かりませんでした。
こちらのケースでも、英語圏のゴルフ用語には、スイングの「Body Turn」は存在していないと言って良いかと思います。
「体幹を回転」させる意識は「ない」のではないでしょうか?
---
もうひとつ、これは英語で検索できませんが「切り返し」。
このニュアンスの英語は使われていません。
「switch back」とかゴルフスイングでは使いませんし、強いていうなら「turn」という表現になりましょうか。
テークバックが「take away」、トップは「top (of the swing)」で、「down swing」、「impact」、「follow through」っていう風に、ゴルフスイングを分解して表現する、解説する、っていうことは米国でも行われています。
しかしながら、「take away」と「down swing」の間には、「top」がありますが、「切り返し」っていうものが語られることは私の知る限りまず全然ないのです。これも日本に独特のゴルフ用語の一例かな、って思います。