7/20/2009
8-footerだったなぁ。
私は、普段あんまりトーナメントのTV観戦の感想とか書かないんですが、今日のTV観戦はなんか感動しました。
録画しておいて、朝普通の時間に起きてから昼までかけて丁寧に見ていたんですけどね。
一流プロの、パターの距離感のすごさに舌を巻き続けてました。
もちろん、トム・ワトソンを猛烈熱烈に応援する気持ちで見てました。
4日間、終始トップに居る素晴らしいゴルフで、ホントに勝つ展開だったと思ったのですが、これも運命なのでしょうか。
最後の18番、観客のみなさんも文字通り祈りながら見ている方が何人も居ましたが、私も祈るような気持ちで見ていました。
見事なドライブでフェアウエーを捉えて一安心。
2打めは完璧だと思いました。
グリーンに落ちてから、「止まれ!bite! bite! bite! bite!」ってマジで叫んじゃいましたが、なんか思ったよりずっと転がりましたね。 風が押したのかな。
チップショットで行くかな?と思っていたら、パターでした。
今回のワトソンは、オデッセイかなんかの後ろに角が生えたパター使っていて、(長い間魔の差したように悪かった)ショートパットは、極端にインサイドに引いて打つ変な打ち方で、でもほとんど全部決めていました。
(放送中にも、「Oh, boy!」なんて、打ち方のこと言われてましたね。)
で、強気に行けたパターは、今大会やってきたとおりだったと思うんですよ。
パーパットは、4フィートぐらい残ってましたよね。(8フィートだったらしいです。)
「あ゛ー、やばい!」「この距離苦手なのよね。」なんて、うちの奥さんに言ったりしたんですけど、ほんと、この最後のパットは、全然腕が動いていませんでしたね。
惜しいところにさえ行かない、(全英オープンを5回も勝ってる覇者としては)それはひどいパッティングでした。(T_T)
もう、ゴルフファンみんなが、「入れてくれ!」って思っていたパットだったと思うのですが。
最終日一緒にラウンドしたゴーガンが、18番で観客と一緒にスタンディング・オベーションしていたのが印象的でした。
勝ったスチュワート・シンクでさえ、「入れてくれ!」って思っていたパットでした。
(スチュワート・シンクって、ものすごくナイスガイなんですよね。)
インタビューでも、「なんか申し訳なく思う。」って気持ちがすごく出てました。そんなこと思うこと無いのに。
「自分のゴルフ人生にとっても、ものすごく大きなことなんだけど、そんなことより今大会は4日間通じてトムの大会だった。」みたいなことを言っていました。
なんか、涙でました。
悔しい訳じゃなくて、感動したって言うか。
プレーオフは実はまだ録画したやつを見てないんですが、・・・見る必要ないような気がしたんです。
あの4-footer 8-footerの外し方は、精神力が無常にもあそこで切れてしまった感じでしたので。
***
追記:
TVで見たとき、もっと短く見えたので4-footerと書いたんですが、今朝活字になったものを見ると、8 feetってなってましたので、訂正しました。m(__)m
7/18/2009
インダストリー・ヒルズ (アイゼンハワー・コース)
ここは私の家からもそう遠くないところにある、チャンピオン・コースです。
ウィリアム F. ベル氏の設計で、黒のチャンピオンティーからだと7,211yあり、かなりアップ&ダウンのある、コースレート/スロープも75.1/142という、非常にチャンレンジングなコースになっています。
過去に何度もUSオープンの予選会場として使われていますし、LPGAのツアーイベントも行われました。
インダストリー・ヒルズには、第34代大統領の名を冠したアイゼンハワー・コースと、伝説の女性プロゴルファーの名を冠したベイブ・ザハリス・コースと、全部で36ホールあります。
Industry Hills Golf Club at Pacific Palms (Isenhower Course)
http://www.ihgolfclub.com/ike.htm
ベイブ・コースの方は、距離が短めで、非常にタイトでトリッキーな、別な意味で私には難しいコースです。
今回は、アイゼンハワー・コース(通称アイク)を、青のバックティーからラウンドしました。
いつものように写真を何枚かご紹介します。
最初の写真は、4番ホールの451yパー4。
画像をクリックで拡大します。
派手な打ち下ろしで、ヤード数ほど長くは無いのですが、写真でご覧いただけますとおり的になるフェアウエーが遥か下にちいちゃく見えまして、上空にはターゲットがありませんので、非常にティーショットが構えにくいホールです。
これが日本なら、雲なんかをターゲットに構えて、覗き込んで左肩が下がったりしないように注意して構えたり出来なくも無いのですが、難しいです。
6番ホールは、ひたすら長い469y、パー4です。
画像をクリックで拡大します。
黒のチャンピオンティーからですと、実に496yあります。
そのくせ写真で判りますように緩やかに登っています。
もうここは私にとってはパー5ですね。
これは12番の451y、パー4です。
画像をクリックで拡大します。
長い上に、左ドッグレッグです。
左のフェアウエーバンカーからぐーっと左に曲がっていって、左の木々の裏で見えなくなっているところにグリーンがあります。
右側は、がーっと開けているのですが、2打めがものすごく長くなる上に、けっこうタフな芝のラフですから、2オンはノーチャンスになります。
最後の写真は、18番ホール、627yのパー5です。
これも長いですねー。
黒のチャンピオンティーからだと、652yになります。
画像をクリックで拡大します。
280yぐらい先の左側に、池がありますね。
木で隠れてしまっていますが、大きな噴水が上がっていて、綺麗です。
ティーショットは打ち下ろしで、グリーンへは最後ぐっと登っています。
正面にそびえている建物は、隣接のホテルです。
プロショップも、この中に入っています。
10年ぐらい前は、シェラトン・リゾートのホテルだったんですが、何年か前にヒルトンになり、今はパシフィック・パームズ・リゾートになっています。
この日はメタメタだったんですが、このホールは気持ちよくプレーできました。
ティーショットもよく飛んで、セカンドの3Wも会心の当たり、両ショットともフェアウエーのうねうねの下り坂を捉えて、伸びてくれました。
3打めは約100yの打ち上げで、このホールを長く感じなかったくらいです。
やや引っ掛かり気味のアプローチは左11歩(約8m)に付けて、いいパットを打ったんですがカップの縁で止まって届きませんでした。残念。
7/17/2009
パッティングの距離感(続き2)
前々記事「パッティングの距離感」と前記事「パッティングの距離感(続き1)」の続きです。
お話は大きく変わりますが、数ヶ月前のゴルフマガジンで、
Tiger's 5 Secret Keys to Score Lowという、非常に興味深い記事がありました。
「良いスコアを出すための、タイガー5つの秘密」とでも意訳いたしましょうか。
2002年から2008年のUPオープンまでのタイガーのスタッツをすべて分析し、どこが優れていてあれほど強いタイガーになるのか分析した記事です。
この記事についてはまた別の機会にいろいろ考察してみようと思いますが、かいつまみますと、例えば2008年のスタッツで言えば、ドライビング・ディスタンスが1位な訳ではなく(27位)、ドライビング・アキュラシーも08年で言えば82位、ラウンド平均パット数は32位、GIRでのパット数は28位、パーオン率(GIR)は50位、サンド・セーブ84位、スクランブルは8位と、どれも1位ではありません。それなのになんでいつも強いのか?タイガーの強い秘密はなんだ?という解析をした記事です。
(ちなみにGIRは02、06、07年には1位でしたので誤解なきようお願いします。)
上記記事では、ラフから打ったときのパーオン率が非常に高いことや、いかに入れやすいラインのパットを残すようにアプローチしているか、100y-125yの距離からアプローチショットを打ったときのカップまでの距離の平均がPGAのツアープロのアベレージに比べて4.5フィート(約1m37cm)ほど近いこと、決めたパットの距離の平均がツアープロのアベレージに比べて10.5インチ(約25.7cm)ほど長いこと、そしてパー5でのスコアがツアープロのアベレージに比べて0.25ストローク(つまりラウンド平均で1打!)少ないこと、などが説明されていますが、今日はそれは置いときます。
別な記事かTVで見たのですが、他のツアープレイヤーにタイガーの一番の強みを聞いてみますと、多くのツアープロが「clutch putting」を挙げます。
しかし、パッティング数が1位だったことは一度もありません。
GIRでのパット数は、07年に4位、05年に5位、04年に2位と強いところも見せていますが、これがタイガーのパットのずば抜けたすごさを見せているスタッツとも言いがたいと思います。
「clutch putting」を示すデータとしては、ツアーアベレージに対して平均して10.5インチ(約25.7cm)長いパットを決めるというアドバンテージがある、と言うデータが物語ってはいますけれどね。
ここで、取り上げたいのは、タイガーのショートパットの強さです。
3フィート(約91.5cm)のパットが2002-2008年の間に、2,700回あり、そのうちのなんと2,691回を沈めているのです。
実に99.6%以上の確率です。
オーガスタでも、10フィート(約3m5cm)を制する者が勝利すると言われていますが、(ソースがどこだったか失念しまして恐縮ですが)10フィート以下のパットのスタッツに関して言えば、タイガーはツアーのアベレージに対して72ホールにして6.6ストロークのアドバンテージがある、ということです。
これは実に18ホールにして1.65ストロークの差です。
2008年のタイガーはラウンド数が満たないので平均ストロークの順位に入っていませんが、ご存知のとおりこのカテゴリーのスタッツに関してはずーっと1位で、2008年も68.90ストロークで実は隠れ一位なのです。(隠れてないか。(笑))
これに1.65ストロークを足しますと、70.55ストロークとなって、とたんに59位タイまで落ちてしまいます。
つまり、10フィート(約3m5cm)以下のパットの正確さが、タイガーの強さの一端を強く支えていることには間違いありません。
ここに、デープ・ペルツのグループが膨大なデータベースを基に解析した、コロンビア大学統計科のスタディ(論文)があります。プロのデータです。
↓
A Probability Model for Golf Putting
グラフだけこちらにコピーしてもって来ましたが、
これから見ましても、タイガーの3フィートのパットを決める確率99.6%が、いかにずば抜けているかがうかがい知れます。
(赤でタイガーの3フィートをプロットしたのは私です。)
ここでひとつ前の記事の話に戻るわけなんですが、3m以下のパットの精度を上げると言うことが、いかに大切か、という話になってきます。
まぁ逆に言いますと、多くのプロが練習を重ねているにもかかわらず、タイガーに歯が立たないことのひとつが、なんと3フィート(約91.5cm)以下のパットである、ということですから、達成するのは容易なことではないのだろうと推測が成り立ちます。
しかしながら、何らかの方法で、1m、1.5m、2m、2.5m、3mを打ち分ける技術を確立すれば、アマチュアのパッティングとしてはひとつ上の段階に進めるに違いないと思ったりする今日この頃なのです。
タイガーの、ほとんど無いと言っていいくらいショートしてミスすることの無いパッティングは、決して度胸などではなく、1m、1.5m、2m、2.5m、3m、・・・を打ち分ける技術に裏付けられた確固たる自信の下にストロークされた結果なのだと思うのです。
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