2/14/2023

砲台グリーンの攻め方:ケース 1、2 & 3

こちらに、「フィル・ミケルソン:2つのベーシックなピッチショットとチップショットの打ち方」という Golf Digestの記事がありまして、かなりの砲台になっているグリーンへの打ち方が解説されています。



1つ目は、ロー・ピッチ です。


SWを使ったやや低めのピッチショットでぎりぎりグリーン面に届くくらいに飛ばしていってスピンを利かせてカップまで転がしています。


2つ目がハイ・ピッチで、フェースを開いて大きく振って、高くあげてカップ近くまで飛ばして止めています。60°のLWを使っています。

3つ目はちょっと写真を省きますが、ロー・ランナーというショットで斜面を転がりあげていくように9番アイアンで打つショットだそうです。


4つ目はバイティング・チップというショットで、60°のLWで低く出していってスピンをかけてボールがキュキュッと止まるように打つショットです。


小技が上手で技が多彩なプレイヤーの攻め方ですね。

そもそも距離感の打ち分け方も書かれていません。
これを読んで、4通りの打ち方を使い分けてピンに向かってワンクラブ以内くらいの範囲にくっつけられるゴルファーがいたなら、すでに相当に上手いプレイヤーで、砲台グリーンとか苦にしていないかと思います。
(このGolf Digestの記事も、4つのショットの打ち方を解説している主旨の記事です。)


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今回は、そういった多彩な技を使わない砲台グリーンへのアプローチを考えています。

私は砲台グリーンの、特にグリーン面が見えないくらいのときにカップに打っていくことが今ひとつ得意ではありませんで、なんとかしたいといつも思っています。


ケース 1 と 2 : 

ちょっとですね、ちょっと段差の大きすぎる砲台グリーンのイラストになってしまいました。グリーン面がよく見えない、っていうことを念頭にしてたらちょっと砲台が高くなってしまいましたが、こういうホールもいくつか頭に思い浮かびます。
(それはそれとして。)


まずケース 1として、ピン位置がグリーンの奥目、青い旗の位置だったとします。

このカップへ打っていくには、ピンまで測って例えば30yだったとしますね。
じゃぁいつものチップショットで30yキャリーのショットを選択して打ちますと、赤い実線のような軌道でグリーン面に当たりますからショートしてカップには寄らないわけです。
確実に砲台上のグリーン面にカップの手前に打っていく、っていう安全マネージメントで言えばこれで良いのですけれどね。

赤い点線で書いたような大きめに打った軌道でよりカップに近づけるとすれば、フラットな状態で打ったときの一体何ヤード打つイメージなら距離が合うか?っていう、そこの部分の換算を自分のチップショットの弾道の高さのイメージで打っていきます。

経験則的には、カップの上空、旗の真上ぐらいから垂直に近い角度でボールが落ちてくるイメージ (実際にはそんなに鋭角に落ちて来ませんですが) で、キャリーの距離にプラスアルファして使うショットを決めます。

このイラストで言いますと、アバウトに 5-6yプラスしたキャリーで打つ感じです。
(方程式にはなっていませんが、この程度の換算でそこそこ望ましい結果に繋がります。)

思ったより突っ込んで行っていいという感触です。

大体がショートしますので、グリーンの奥に溢れたら大トラブルになりやすいとか考えなくて良いです。トップして歯で打ってしまう以外では、グリーンの後ろへ行くミスは殆ど出ません。


次にケース 2 としまして、カップの位置がグリーン手前寄りだった場合です。

上記イラストの、赤い旗のピンの位置。
これはもう観念しまして、ピン位置に関わらず赤い実線のようなイメージで打って、カップをオーバーさせるくらいを心がける。
奥から下りのパットが残ったりしがちですが、砲台の手前の斜面に阻まれて転がり戻ってしまうとかよりは、随分マシです。

もしくはですね、バンプ&ランを使って紫色で書いたような軌道をイメージして転がし上げます。8番アイアンとかのロフトがウエッジよりも立ったクラブで打ちます。
こちらの方法ですと、バックスピンがあまりかかっていませんから、グリーンまで届かずに戻ってきてしまうとかの失敗はある程度防げます。届かなくてもグリーンのカラー手前くらいには行くでしょう。

このショットのときもグリーン面へ乗せることは最優先だとしますと、案外転がりすぎてグリーン奥へ行ってしまい下りのパットを残すことになったりもします。
この辺のボールの跳ね方、斜面の滑らかさの状態とか、不確定要素が多いのが難点にはなってきます。


ケース 3 :  

これは結構な落とし穴になっていまして、距離が全然足りなくて大ショートするとか、下手すると2回打ってもまだグリーンに届かないなんていうことが往々にして起きます。
ケース 1と 2とは違って、ボールが登り傾斜にあるときです。

スタンスしている位置が傾いていますので、まずはロフト角が傾斜の分だけ寝て、もっとロフトが大きくついて寝てしまいますから、ショートしやすいです。
しかも打つときに重力が後ろへ引っ張りますので、しっかり構えないと重力で自分が傾いて下がってしまいクラブがダフってボールに入ってしまいやすくなります。そうなるともう大ショートしてしまいます。

このケースでは、ボールが上がりやすいですから、イメージとしてはキャリーで旗の上からボールが落ちてくるような弾道をイメージしまして(実際にはそこまでの弾道ではありませんが、イメージで)、思い切って突っ込んで打ちます。

ショートこそしやすいですけど、突っ込みすぎてカップをオーバーくらいはあったとしても、グリーンの後ろの傾斜を転がり落ちるほどのオーバーはなかなか出ませんので、突っ込んでいって大丈夫です。

入念な草摺りのリハーサルを忘れずにダフらないようにして、しっかり打っていけば上り傾斜で自然にボールはいつもより高く上がって行きますので、ズンッっていう効果音をイメージしてストロークします。(やばい、すごい抽象的。笑)

それでもイラストのように、カップの手前に少しショートするでしょう。


...というのが、私が心がけている砲台グリーンの攻略法です。
打ち方はいつものクロ狙い2.2、もしくは 2x6の打ち方で、特にフェースを開いて高く上げて止めようとか、スピンを利かせようとか、違った打ち方をしなくても十分に用が足ります。

ピンまでの距離、レンジファインダーで測ったときのスロープ計算の入った必要距離、だけではなくて、砲台を登りきったグリーンの手前までが何yあるのかも、レンジファインダーで調べておくと、どうしても越えて打たねばならない距離のイメージもよりハッキリして、良い結果につながると思っています。



2/10/2023

傾斜の見極めの方法、ひとつの有用なアイディア

1月中の寒い日の朝、お気に入りコースの筆頭 Dos Lagos Golf Course をプレーしました。

よくfrost delayにせず、プレーに出してくれたなー、と思いましたくらい朝は冷えていました。Cart Path Onlyでしたけどね。プッシュカートで歩いてラウンドの我々は普段通り。


これだけ芝に霜が付いていると、素振りの段階でチップショットしたときにウエッジのフェース面に霜が掻き集まってくっ付いて、ボールが上を滑ります。

つるんと滑ってボールが無回転ですぐ近くにポトッと落ちるの、ラウンド前にチッピング練習してみて笑ってしまいました。写真のウエッジのフェース全面に氷がくっ付いているのが見えますでしょうか。


こちら、2番ホールの右側にある17番ホールのグリーンへつながる斜面です。霜が張って冷たそう。


向こう側に太陽が昇ろうとしているところです。


2番ホールの斜面は朝の時間日陰になる部分で、こちらが1番ホールのティーです。


コースの景色がなんだかいつもと違って見えます。
真ん中やや左寄りの小さな細い木より右は、右側の池に入ってしまいます。
1番ホールのフェアウエー、案外狭いんですよね。左サイドも友達の左に見えているブッシュから左は崖と川でウォーターハザードです。
私はこの日はすごい久しぶりに左サイドのFWバンカーに捕まりました。
顎には近くなかったのでハイブリッドで打ってグリーンの手前部分にかろうじて乗せることができました。コースは頭に入っているのでブラインドショットでしたが方向は大丈夫です。

パー34 36 = 70、コース/スロープ・レートが71.4/128、この日のスコアは 39 40 = 79で、寒さ自体よりむしろ凍ってはいないけど硬くなったグリーンや、溶けて柔くなった地面に対応でききれず、勝手知ったる得意コースとしてはやや苦戦しまして+9オーバー、この日のラウンドのディファレンシャルは 6.7でした。


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今回は、いつもよく一緒にラウンドしている友達に教えてもらった良いアイディアをメモしておいて、これから実践して使ってみよう、という記事です。


私のブログでは何度となく、左右の曲がりに注力してグリーンをよく読むよりも、むしろグリーンの傾斜をグリーンの外から把握すること、ボールとカップのラインを横から読んで上り下りの度合いをよく読むこと、の方が大切だと書いています。


しかし傾斜の読み方については、あまり言及をしていません。

私の実態としては、傾斜の度合いを 1%、2%、3%、4%ぐらい、っていう風に分けて分類しまして、主に見た目で斜度をジャッジして、だいたい2%ぐらい、とかこの分類に当てはめるやり方をしています。


見た目での読み方に言及した記事も、

2011年1月のこの記事「グリーンの高低差を読む。」と、

...ぐらいでしょうか。
(青木功プロのプラムボブ、カッコいいですよね。)


私自身は講習をやレッスンを受けたことがないのですが、エイム・ポイントを習った人は、グリーン上の傾斜に肩幅くらいに足を拡げて立ち、目を瞑って足の裏で傾斜を感じる、っていう体のセンサーを使ったりしているようです。

感覚が鋭い人は、そもそもグリーン上を歩くときに足の裏でグリーン面の硬さや傾斜を感じているそうです。


そういう訳で私もグリーン上では目を瞑ることこそほとんどしませんが、できるだけ足の裏で感じるように意識したりはしています。しかしながら、見て分からないような微妙な傾斜では目を瞑って重力の傾きを感じようとしても、元が鈍感な方ですからなかなか感じません。
ハッキリわかるような傾斜なら、見た目でも分かる場合が多いので必要がなくなってきますし...。

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そうしたところこの友達が、時々カップ付近とか、自分のボールのライン付近とかで肩幅に足を開いて立ち、傾斜を感じている風にしているので、「足の裏で感じる?」って聞いてみたところ、意外な返事が返ってきました。


「ここってカップに向かって登ってるよね?」
こうして立っているとき、目は閉じることなく真っ直ぐ前方を見ているんだそうです。

「でさ、俺も足の裏ではいまいち傾斜感じなくてさ。」
「足を少し開いて傾斜に真っ直ぐに立つじゃん? 体は傾けないように真っ直ぐ。」

「そん時にここに注目するのよ。」


「腕をね、脱力してだらーんと下げて重力に任せるの。そうすると、片方は太ももに触れるけど、反対側は間が空くんだわ。」

実践してもらいまして、写真を撮らせてもらいました。

これだったらですね、感覚が鈍々の私でもできそうです。(^^)

まだ、実戦でどこにどの向きに立って、どんな感じでやると効果的なのかとか、
使い方は修練が要るかも知れません。

ちょっとこれからグリーン上で、自分の番が来るまで余裕があるときに、実際に試してみて、できれば応用していってみたいと思います。


昨年12月の記事、「ゴルフゲームの本質はロングパットなのかもしれない、という仮説」の中で書いていました、

①のグリーンでは、縦距離の把握を改善するために、グリーンの横からと最大傾斜下方からの読みに重点を置き、3パットを激減させる。

という取り組みのなかでどうやって活かして組み合わせるか、試行錯誤していってみたいと思います。


2/06/2023

30yの決め打ちチップショット(ピッチショット?)

2/08/2023 追記しました。↓ (赤い字のところ)


El Prado GCのButterfiled Stage Courseをプレーしてきまして、余裕があったときに普段のグリーン周りの58°で打つチップショットの動画を撮ってきました。


こちらは 6番ホール、512yのパー5の3打目です。


距離感を作るための草摺りの素振りとクロ狙い2.2は、動画の前にやっていまして切れています。目標を再確認してセットアップするところから。
動きが止まらないままの感じで、スッと入っていくようにはしています。

距離は、やや左の膝の前辺りに写っている赤い旗まで約20yでした。パー5のグリーンは小さくてグリーンエッジからカップまでは7yくらいでしたので、グリーンの外側が13yくらいだったと思います。
ボールのライはかなりの上り斜面で、ラフにかかるぎりぎり内側の花道のフェアウエイ、KIKUYU芝ですが厄介な逆目ではありませんでした。

グリーン上の傾斜を見込んでカップの右サイドにターゲットしています。最後ボールが止まりかけるあたりで左へするするーっとカップの方に寄ってくれています。

上り傾斜でクラブの抜けがそんなに良くはない感じかと思いますが、でもハイバウンスのウエッジのおかげもあってか、刺さってはいませんですね。ターフも取れていません。
撮った動画をあとから見てみますと、振り下ろして終わりっていう感じであまりフォローは大きく振り抜くようにはとっていないようです。 無意識です。クラブで狙っている位置を指してから打っていますので、その影響もあるのかも知れません。
(見直してみますと、リンクしましたクロ狙い2.2の記事にあげている動画と全く同じスイング、全く同じフォロースルーになっている様です。)

歩くように両膝を使って調子を取り、右膝を送り込んで打つようにしています。
腕とクラブシャフトの角度が終始変わらないようにして、リストコックは全く使わないように気をつけています。
テークバックでクラブシャフトが地面と平行くらいのときに、クラブフェースが開かずシャットのままスイングプレーンに直角を保つようにするようにも気をつけています。

自分でも意識していなかったのですが、打つ直前のリチュアルで両膝を歩くように細かく動かしていて、そのまま動きを止めずにスイングに入っているようです。
腕の動きには意識がなく、膝で調子を取っているのでこういう動きになっているようです。
ラウンド中ですのでフォームには気が行っていなくて、「寄せよう」としている中での動きですので自分でも興味深いです。
やっぱり動画は撮ってみた方が良いですね。

このボールはカップの右やや手前のワンクラブくらいに付いてくれました。
(パットは外してしまったのですが。)



そしてこちらは15番ホール、374yのパー4です。


このホール、ラウンド自体は実はグリーンの左サイド8歩の位置に2オンしまして2パットのパーで終えています。
このホールで日没終了ということで、15番ホールまででスコアは +3オーバーでした。

ラウンド中に、今回撮りたかった30yの決め打ちをする場面がありませんでしたので、ホールアウト後にこの位置にボールをドロップして撮影しながら打ちました。

距離は約26yです。
軽い上りの花道から、グリーン上は手前が受けグリーンの上り傾斜で登りきった尾根の上の平らな部分にカップが切られています。
ピンフラッグが赤いですから、カップ位置はグリーン手前寄りで、グリーンのエッジからカップまでは8y程度しかありません。グリーンの外が18yぐらいです。
カメラの位置からは旗の根本が見えていませんが、私の目線の高さからはカップ(旗の根本)も見えています。
この条件ですと、ランは殆ど出ません。1-2yくらい転がるでしょうか。

こちらのショットは、私の標準の58°の1/2ショットでキャリー27yをそのまま適用すれば、上り傾斜と受けグリーンでちょうどよく止まってくれる距離から打ちました。34歩ぐらいの位置。

このショットは2x6システムの決め打ちですから、クロ狙い2.2のクラブで落とし所の目標を指す動作は行っていません。草摺りの確認だけです。
ボール位置は真ん中、両足のつま先を目標方向に45°くらい斜めに向けてテークバックを窮屈にしたフルスイングのイメージで打っています。こちらはフォロースルーをもう少し大きめに取っているようです。

敢えてちょうど良い寄りやすい距離から打ちましたので、このボールもカップの左ワンクラブくらいのピンハイの位置に寄ってくれています。


このショットを打つとき、残り距離が多少これより長くても短くても、全く同じ様に打つようにしています。多少距離が合わないとわかっていても、ちゃんと打てば+/-5y以内のことですから。その前の傾斜でのバウンドの読みが外れていたりするケースはままありますが。
ピッタリは合わないと分かっているとき(少なくともそう感じたとき)には、上りのパットが残るようにショットの選択をしています。

5yくらい距離を落とすのに、フェースを約15° (時計の針で2秒半)開いてセットして打つことはたまにあります。
逆に、ライが良くなくてクラブが刺さりやすい状況では、ソールのバウンスをより積極的に使って刺さらせないために10°か15°かあるいは20°くらい少し開いてウエッジを使うこともありまして、そのときには距離は逆算しています。
(これ、結果的には同じなんですが、発想が逆向きなんです。)

クロ狙い2.2ではアナログにリニアに距離感を活かして打っているのだから、2x6システムの決め打ちのときにも、少し強いとか少し弱いとか調節して打てばいいじゃん?って自分でも多少思いますが、しかしながらそういう微調整はやらない方が基準が崩れにくいと実感していますので、調整はしません。
いつもの振り幅で、いつもの力感で、いつもの加速感で、同じテンポで打てるように心がけています。そこに安心感が湧いてくるのかも?

必ずしも結果がぴったりでなくても良いんですよね。1ピン、下手したら2ピン離れてしまうこともありますが、寄せ2ができていればOK。

こちらのショットは、クロ狙い2.2のときのチップショットとは微妙に違って、普通のフルショットの振り幅が小さいバージョン、というイメージです。
動き自体にはクロ狙い2.2のときとあんまり差はないかも知れません。
こちらも右膝が(左ではなくて)前に出るように使う感覚です。

このショットの利点は、決め打ちをしていますのでいざ打つ段階ではあまりいろいろ考える必要がないという点にあると思っています。極めてシンプル化しますので。