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1/12/2011

カミロ・ビジェガス、2011年ハワイの開幕戦で失格に。


表題の通りなんですが、1日目を終えて-1アンダーだったカミロ・ビジェガスがルール違反を指摘されて失格しました。




まぁそれだけならなんてこと無いニュースなのですが、ちょっと面白いのは、その場ではルールオフィシャルの指摘を受けず、TV放送を見た一般のファンからの連絡で競技委員会がreviewをしてビデオでルール違反を確認、結局過少申告で失格を決定し、ビジェガスもこれを了承して裁定が下された、というところです。


ここに、問題の行為のビデオがあります。


                     
選ばれし物さん、goma2さんによりますと、日本では視聴できないように設定されているそうです。(^^;

こっちはどうでしょうかね? 消えるまでは見られますでしょうか?
                      ↓




この場面、ちょうど私も放送中に見ていて、「ん?」と思ったんですけど、・・・さすがに電話はしなかったんですよね。(笑)


まぁ、よく見れば疑いようもなく、ゴルフ規則23-1に違反しています。

球が動いている場合、その球の動きに影響を及ぼすかも知れないルースインペディメントは、取り除いてはならない。」と、はっきり書かれていますね。



実はこのビデオの問題のショットの前に、同じところからもう一回チップショットを打っているんです。

カパルア・プランテーション・コースの15番ホール、555yのパー5でグリーンを外して手前に大きく下がったエリアからのチップ・ショットでした。
カップの位置が、割合にグリーン手前に近い難しい位置だったんですよね。



3打目のアプローチでは、ボールを高く上げてグリーンへ打って行きましたが、わずかにグリーンエッジにショートして、ころころころころ転がり戻ってほとんど元の位置。

今度はディボット跡の中からでしたので、低い弾道で打ってバンプ&ランを使って攻めてきたショットが、上のビデオのショットです。


このショットもぎりぎりでエッジに届かなかったところから転がり落ちてきて、今度はボールがほぼ完全に元の位置に戻って来ようか、という場面で、(ルールを把握していなかったらしいです)ビジェガスが、自分の打ったディボット(芝の塊)をクラブで払いのけてしまったんですね。

頭に血が昇っていたという様子ではなく、これにボールが当たって止まったら申し訳ないとでも思っているかのような感じでした。
(苦笑いでしょうけれど、笑顔さえ浮かんでますよね。)



それで、この事件に対して、例によって口数の多いイアン・ポールターがツイッターで、吠えたのでした。

Villegas disqualification triggers spirited rules debate

“An armchair official tweeted in to get Camilo DQ’d,” Britain’s Ian Poulter said in a Twitter posting. “What is wrong with people? Have they got nothing better to do?
(アームチェアーに座ったオフィシャルがツィートしてカミロがDQんなったらしいね。)
(おいおい、どうかしたのかい君たち。 他にもっとマシな やることないのかい?)

“Yes the rules are the rules. It was a mistake on Camilo’s behalf. He didn’t know he had done wrong, but people calling in? No one likes a snitch.”
(そりゃルールはルールだけどね。 カミロのミスには違いないさ。ルール違反犯したって知らなくてさ、でも一般人の電話だろ? チクられるの好きなヤツなんかいないね。)

“Yes he should have been punished but it’s a shame it wasn’t before he signed his card,”
(そりゃあ罰は受けるべきだけどね、でもスコアカードにサインする前じゃなかったなんて気の毒だよね。)


記事を読みますと、TVに映る回数の多いプロとそうじゃないプロとの間に不公平が出るんじゃないか? という論争になっているようですが、

私から言わせれば、TVにはっきり映ってるのにオフィシャルや関係者が先に気が付かないのはまずいだろ?ってところでしょうかね。

オン・コースのローミング・オフィシャルだけではなくて、放送のモニターを見続けるオフィシャルを置いた方がいいような気がします。 (もし居ないのであれば。)



一方、電話した方の、Dave Andrewsと言う人は、フロリダに住む年間150ラウンドもするゴルファーだそうです。

Viewer who saw Villegas infraction tried to help

「スコアカードをサインするまでには30分以上あったと思うよ。」って、おっしゃってます。
だた、「助けになれば」って思っただけだよ。
ってことですから、ポールターのツィートはファンに対してけっこう失礼ですね。

たくさんの人が見てくれるからツアーが成り立っているんだろうに。


で、誰に(またはどこに)電話していいか分からないので、ツィッターで見たことを書き、以前TVリポーターとして働いていたキャリアもあって、PGAツアーのウエブサイト(ウエブサイトのプロデューサー含む)とゴルフチャンネルにメールしたんだそうです。
PGAツアーのサイトのコメント欄にもコメント入れた、と。

いま放送してる放送局に電話するのが通常だろうと思うんですが、そのルートはそのルートで「掛かってくる電話の80%以上はほとんど意味ないんだ。」ってことらしいです。


やはりモニター・オフィシャルを何人か置いたらどうなんでしょうか。


12/26/2010

ゴルフ道とルール解釈 (タイガーの件のboulder)


久しぶりに、ルール関係カテゴリーの記事です。(^^)


ゴルフマスター(塾長)さんのブログに、99年フェニックス・オープンの最終日にタイガーが動かした1トンはあろうかという巨大なルースインペディメントのお話が出てきていました。

ルールについて 3.

そのすぐ次の記事では、「自分に不利になるように処置しておけば間違いないだろう」とか、「ゴルフ武士道」のようなものに則ってひたすら自分に厳しく処置をすれば良いと考えるのは早計である場合がある、というお話を書いていらっしゃいます。


私は実は常々、ルールは出来る限り正しく学び、ルールで許される範囲で最善の処置を為すことこそ、ゴルフと言うゲームを楽しむ & なるべく良いスコアをしようとする者のresponsibility(責務)であると考えています。



有名ですが 一応再録しておきますと、件のタイガーの件はこんな感じです。

写真をクリックで元のサイトにリンクしてます。


99年フェニックス・オープンの最終日(Jan 31, 1999)、TPCスコッツデールのパー5の13番ホールで、タイガーのティーショットは大きく左に逸れてホール左のカート道よりも外側の砂漠地帯へ行ってしまいます。

ボールは上の写真のように、大きな岩(boulder)の近くに止まっていました。

しばらく観察した後、タイガーはルール・オフィシャルのOrlando Pope氏に、この岩はルース・インペディメントにならないか?と質問します。

そしてPope氏は、これは地面に食い込んでいないのでルースインペディメントである、と正しくルーリングします。


その場に居たタイガー・ファン有志総勢10名ほどで、この岩を動かし、グリーン方向への飛球線を確保したタイガーは2オンを狙っていき、結局このホールでバーディーを獲得しました。



これは過剰救済だったのではないか?
・・・と、その後も何年にも渡って物議を醸した事例です。

USGAのルールに関する歴史的出来事として、こちらに詳しく内容が書かれています。↓

http://www.usga.org/news/2009/january/10-Years-After-Tiger-s-Loosem-Impediment-Ruling-At-Phoenix-Open/


なにもタイガーの件が最初というわけではなく、裁定集のDecision 23-1/2に、"Large Stone Removable Only with Much Effort." という項目があります。

そこには、"any size (いかなるサイズであろうとも)" と、はっきり書かれています。


その上、その次のDecision 23-1/3 "Assistance in Removing Large Loose Impediment"という項目に、"spectators, caddies, fellow-competitors, etc., may assist a player in removing a large loose impediment (観客やキャディー、同伴競技者やその他の者がプレイヤーが大きなルースインペディメントを動かすのを助けても良い)" と書かれてもいるのです。

実際この項目は、50年ほど前のイギリスで行われたトーナメントで起きた事例を元に書き加えられたもので、タイガーだから特別措置が行われたというようなジャッジでは無かったのです。

この時のルースインペディメントは倒木だったそうです。
裁定集を読みますと、倒れている木でも例えば皮一枚でもつながっていて生きていればルースインペディメントではないが、倒れている木はルースインペディメントである、とはっきりした区別が書かれています。

しかしいくらなんでもこんな大きな木を・・・、と思ってしまうかもしれませんが、
それでは折れた小枝がボールに乗っていた場合は? 腕ぐらいの太さの枝なら? 太腿ぐらいの太さの枝なら? ・・・と考えていきますと、合点が行きますね。

要するにどこで線引するか?という問題なんです。
木の場合は生きているかいないか。 石の場合は地面に食い込んでいるかいないか。

重さや大きさで線引していないのです。
コース上で測れるわけではないですから。 測定器具は禁止されていますし。


この時のTPCスコッツデールの13番の岩は、今では元の位置に戻された上でタイガーの事件を記念するプレークが取り付けられているそうです。 ↓

http://www.flickr.com/photos/33015039@N00/2494174288 (←画像です。)



ゴルフは、自分を自分でジャッジする(とはいえプロトーナメントではジャッジするオフィシャルの人たちがかなりの人数居るわけですが)特殊なスポーツですから、いわゆる「ゴルフ道」のような考え方が発達するのもよく分かります。

しかし一方で、ルールをきちんと理解して読んでおけば、無駄に自分に厳しく(あるいは塾長殿が書かれていた事例のようにルール違反を犯してまで自分に厳しく)処置をする必要は無いのです。


私が今までのルール関係カテゴリーの記事で取り上げてきた中にも、”ゴルフ武士道”的には「?」となるようなものが幾つかありましたですね。




今月のゴルフ・マガジンのルール・コーナーにもこんなものがありました。

あるNJ州の一般プレイヤーからの質問で、

僕がラフに打ち込んだ時のこと、ボールの確認のために拾い上げたところ自分のボールでした。
その時にボールには泥の塊が付いていました。
拭き取りはしませんでしたが、ボールを戻すときに泥をあちらの方へ向けクラブフェースで打たないようにしましたが、どうも罪悪感というかルール違反だったのではないかという疑念が消えません。


これに対しての解答は、

ご心配なく。
ルール21/5に基づけば、ボールを元の位置に戻したのである限り、どの向きでボールを置こうが大丈夫です。
唯一の例外は、ボールに付いた泥が下に向くようにしてティーアップしたような状態にするのは駄目です。 ルール20-3aにより、1ストロークのペナルティーになります。


というものです。

”ゴルフ武士道”的な考え方をなさっている方には、とても意外な解答だろうかな?と思います。

(ボールを拾上げて確認するときにマークすることを忘れないでくださいね。)


でも、グリーン上でボールをマークした位置に戻すときに、ボールの向きを変えることに躊躇する方は居ないと思います。
ボールに線を引いている方は、それをカップ方向に合わせて置いたりするわけですから。


まぁ、あくまでもルールはそうなっている、というお話です。(^^;



11/29/2010

イアン・ポールターのボーンヘッド (coin blunder)


ドバイのトーナメントでプレーオフ中に起きた事件、ご覧になりましたでしょうか?

イアン・ポールターが、プレーオフの2ホール目にうっかりボールを自分のボールマーカーの上に落としてしまい、コインが裏返って動いてしまったために 1打罰を受け、約 £352,000ポンド(約US$417,000)を不意にしてしまった、と言う面白い事例です。

画像はYahooから直フィードしてます。


記事:

Coin error costs Poulter $A570,000
http://www.heraldsun.com.au/sport/golf/coin-error-costs-poulter-570000/story-e6frfgax-1225963035765?utm_source=bleacherreport.com


ボールをマークする、またはマークした位置にボールを戻す行為の最中に誤って動かした場合は無罰でリプレースが許されますが、今回はうっかりボールを落としたということで起きており、1打罰になってしまいます。

まぁこれはみなさんご承知だと思いますけれど、落としたボールがひっくり返して動かしたコインが、プレーオフの相手のRobert Karlssonのボールマーカーだった場合がどうなるのか? ということが私にはちょっとだけ気になりました。


と、言いますのも、

裁定集の18/7.5には、こう書かれているからです。↓

18/7.5   相手(または同伴競技者)が偶然に落とした球が、プレーヤーの球を動かす 
質問:   プレーヤーAがパッティンググリーン上の球を拾い上げたあと、偶々その球を落としたところ、Aの球は止まっているプレーヤーBの球に当たってその球を動かしてしまった。この場合、どのように裁定すべきか。
回答:   拾い上げたあとまだインプレーに戻していない球は携帯品である……定義16「携帯品」の注1参照。
マッチプレーでは、プレーヤーAは1打の罰を受け、プレーヤーBは自分の球をリプレースしなければならない……規則18-3b。
ストロークプレーでは、誰にも罰はなく、競技者Bは自分の球をリプレースしなければならない……規則18-4。
(1993年改訂、2008年マイナー改訂)


つまりストロークプレーでは誰にも罰はないが、マッチプレーではボールを落としたプレイヤーに 1打の罰が付く訳です。

プレーオフってのは、3人ですることもある訳ですからあくまでもストロークプレーの延長ですよね?

・・・って結論的には思うんですけど、マッチプレーさながらなプレーオフですから、ちょっと違和感出ませんでしょうかね? 私だけですか。(笑)


いずれにせよ、残っていたパットはカールッソンの方が短かったわけで、これだけで$417,000ドル損した、ってのは言い過ぎじゃなかろうか? と思いました。(^^)


***


元記事で、「coin blunder(ヘマ)」ってなっている部分を「ボーンヘッド」と和製英語に訳してみました。


ボーンヘッド(Bonehead)

これ、日本では野球用語なんですよね。「(考えられ無いような)へまをする」って意味の。
この言葉は英語(米語)の「bonehead」から来ていて、そのまま通用します。

(脳じゃなくて)骨で出来た頭って訳ですね。

米語では、実は「なんとかヘッド」って言い方は”たーくさん”ありまして、ポピュラーなものには、

kucklehead
pinhead
di○khead (ちょっと品が無いので一部伏字にしました。)
meathead

などがあります。

これらは米国ではどちらかと言うと、boneheadより使用される頻度は多いんじゃないでしょうか?


特にメジャーの野球の放送で「bonehead」が頻繁に使われている訳ではありませんので、例によって日本には昔の野球関係者がドジャーズかどっかから仕入れて来たのだろうと思いますが(ただしドジャーズ名アナウンサーのヴィン・スカリーさんのよく使う類のフレーズ(単語)ではありません。)、
・・・なんでボーンヘッドだけ日本で定着したんでしょうかね?

ちなみに関係ないんですが、88年のWSでのカーク・ギブソンの劇的な代打逆転さよならHRの時のかの有名な実況フレーズ、"I don't believe what I just saw!" (ちゃんとした日本語にならないんですが直訳しまして「たった今この目で見たことを私は信じません!」となります。「信じられない!(unbelievable)」では弱すぎます。)が、ヴィン・スカリーさんじゃなかったのを知ったときはショックでした。なんでショックなのかよく分かりませんが。(笑)

ジャック・バックって言う有名なアナウンサーの方だそうです。 http://en.wikipedia.org/wiki/Jack_Buck


で他にもナントカ・ヘッドは実はいっぱいありまして、辞書に載っているものだけでも列挙してみます。
(点線より上が、私のMS-Word 2003のスペルチェック辞書にも”1単語”として入っているものです。)

cokehead
woodenhead
chucklehead
bullhead
blockhead
bubblehead
softhead
muttonhead
loggerhead
--------
rattlehead
clunkhead
cabbagehead
bananahead
applehead
fu○khead
dumnhead
doodlehead
jughead
conehead
chowderhead
bullethead
baloonhead
lardhead
lunkhead
muddlehead

もうね、なんでもありですね。(笑)


日本式発想(中身が無いという意図)で、「ピーマン・ヘッド(bellpepper-head)」、「バンブー・ヘッド(bamboo-head)」とか勝手に作って言ってみたとしても、言い方次第で雰囲気的に通じること請け合いですね。(笑)

(ちなみにピーマンは、bell pepperとかsweet pepperとか言います。ピーマンは決して”甘く”は無いんですが、ほかのpepper類(唐辛子類)が青いのも赤いのもみんなすごい辛い上に沢山種類が並んで売っているから、意味合いとしてはよく分かります。ベルは形から来ていますですね。)


自分用のメモの意味も込めまして、無理やりゴルフ英語シリーズにしてみました。(^^;



追記:

もんのすごいポピュラーなのを忘れていました。(^^;

barnacle-head

これは、無理やり訳すとフジツボ・ヘッドですね。

子供番組の「スポンジボブ」で出てくる造語のフレーズですが、ナントカ・ヘッドの中では、今や一番ポピュラーかも知れません。(笑)

(意味は、どれも全部ほとんどおんなじです。)



11/04/2010

リュージに「26」ストローク・ペナルティ


タイガーを抜いて、リー・ウエストウッドが世界ランキングNo.1になったそうですね。

なんか、シーズンたけなわでもないので実感沸きませんが。(^^;


---


この記事↓、ご覧になりましたでしょうか?

「Ryuji Imada takes 26-stroke penalty」




Mission Hills Star Trophyという、中国で行われた男女ミックスで2日間のエキジビション・トーナメントだったようですが、引退したロレーナ・オチョアが優勝して$1.2MM(約1億円)をゲット。

グレッグ・ノーマンやアニカ・ソレンスタム、ニック・ファルドも参加していたようです。


で、どういうことかといいますと、開催地のブラックストーン・コースでは当日雨で、ローカル・ルールでボールをピックアップして拭いても良かったそうなんですね。

リュージ・イマダは迂闊にもローカル・ルールを読んでいなくて、PGAツアー式にワンクラブ・レングス以内にプレースしてプレーしてしまったのだそうです。

ここでは、ヨーロピアン・ツアー形式でスコアカード長以内にプレースしなければならないローカル・ルールでした。

ホールアウト後に何ホールで違反したか覚えておらず、たぶん13ホールということで26ストロークのペナルティを受け、初日を97でホールアウトしたらしいです。
(ペナルティー分の26ストロークを引くと71の-2アンダーでトップタイだったそうなんですけどね。)


間違いを指摘したマーカーだったプレイヤーは、(ただいま絶賛スランプ中) ニュージーランドのダニー・リーなんですが、12番ホールで指摘したらしいです。

12番で指摘されても、それでもイマダは気が付かなかったってことなんでしょうか?(記事からではわかりません。12番で多分13ホールってなぁ・・・。)



他にも、コリン・モンゴメリーが2ストロークのペルティを受け、優勝したオチョアに2打差 (つまりこれがなければトップタイでプレーオフ)の2位になっています。

こちらは、16番で宣伝の看板をモンゴメリーのキャディーと競技委員が一緒に引き抜いて移動したため、です。

通常、こうしたものは移動できる障害物ですが、ローカル・ルールで移動できない障害物に指定されていたとか。


もう一人、ニック・ファルドが8番ホールでOKに付いたボールをピックアップしてしまい、次のホールでティーショットを終えるまでに気が付かず8番を正しくホールアウトしなかったためにDQになってしまいました。

プロアマ混じっての2日間競技で、同時にプロ間の競技も並行してカウントされる方式だったため、うっかりしてしまったそうです。


みんな、中国で半分お祭り気分でゴルフしていたってことなんでしょうかね?


それにしても少し気になるのは、イマダが誤所からのプレーを正しい箇所からプレーし直していないのにDQにならず、26ストロークのペナルティになって居るところです。

元々がローカル・ルールだったため、措置の方もローカル・ルール式だったのでしょうか?



8/18/2010

デイビッド・プライス氏側の説明


別な記事の予定でしたが、予定変更いたします。(^^;

ダスティン・ジョンソンのペナルティー問題に関しまして、その時のローミング・オフィシャルだったデイビッド・プライス氏側のコメント(&説明)が載った記事をみつけました。↓

PGA official on gaffe: Johnson just had 'to ask'

プライス氏は、ダラスの方なので、記事はESPNダラスのものです。


(ちなみに全くの余談ですが、デイビッド・プライスという名前は、メジャーリーグのタンパベイ・レイズに同姓同名の左腕ピッチャーが居ます。 2007年のドラフトで、全米いの一番に指名されたピッチャーで、今や球界のトップエリートの一人です。)


この記事の後ろの方に、


***

実は14番でもDジョンソンとキャディはプライス氏に質問しています。
「ここで素振りしてもよろしいか?」と。 そこはフェアウエイから大きく外れていたがバンカー外だったので、プライス氏は練習スイングをしても良いと答えた。

そしてさらに16番でも、Dジョンソンのキャディがプライス氏に、ボールのすぐ近くにある小石を取り除いても良いか?と尋ねました。
プライス氏は、「そこはバンカー内なので、ルールによりボールを動かさない限りルースインペディメントは取り除いても良い。」と答えた。 と書かれています。


18番の2打目を打つときに、なにかして欲しいことはないか?と尋ねるとDジョンソンは、観客にもう少し右の方を開けるように言って欲しい。ということだったので、そうしたが、

バンカーかどうかについては尋ねられなかった。


***

つまり、Dジョンソンは、単純に18番でもプライス氏に質問すれば良かったのだ。

という結論づけです。


---

まぁ、Dジョンソン側に落ち度があったという結論には賛同しますが、16番ホールでのプライス氏の発言が本当であれば、Dジョンソンはさらにペナルティを喰らっていないといけないお話になりますね。
バンカー内はルース・インペディメントを取り除けませんから。

例え競技委員が間違って答えたとしても、ルール違反はプレイヤーの責任になります。


---


今回の件で私が一番納得行かないのは、記事中のその後に書いてあるところです。


Dジョンソンに、ルール違反のことを告げに行くのは簡単なことではなかった。
もし最後のパットが決まって居たら、私はPGAチャンピオンに対して「貴方は実はチャンピオンではない。」と告げなければならなかったのだ。
最後のパットが外れたからと言って、事態がそれほど良くなるわけではないが、難しいことだった。

しかし、Dジョンソンがもしそのまま(ボギーとして)カードにサインしてしまったら競技失格となり、ライダーカップのポイントにも影響し、賞金も0、もっと大きなインパクトを受けてしまう。

プライス氏は、スコア提出所を去るDジョンソンを大変に気の毒に思った。




---

なんでそんなに偉そうなのか?

打つ前に、ここはバンカーだよ、と既知の事実を告げてもルール違反ではありません。

あるいは、プレイヤーが質問しない限り答えないのであれば、最後までそうするべきではないのか? (例え結果がディスクォリファイだったとしても。)

また、質問されていないのに、現に「なにかして欲しいことはないか?」と話しかけているではないか?


「観客のみなさん、ご協力をお願いします。お下がりください。あなた方の立っているエリアはバンカーですから。」という風に言うことも出来るわけです。


また、競技委員長からの事後の説明で、『ローミング・オフィシャルがあれだけ観客が取り囲んでいる状況でプレイヤーに声を掛けるために近づくのは困難である。』という「言い訳」がなされたのも、ただの取り繕い感が否めません。



極論すれば、競技委員の言い方一つ、胸先三寸で結果が違ってしまう。 ゴルフの実力ではなく。

・・・と、いうところが一番もやもや致します。




***

追記:

どうやら、2015年にはまたこのウィッスリング・ストレイツにPGAチャンピオンシップが戻ってくることが既に決まっているそうですね。

それまでに、この事態を何とかしろ!って意見も多く聞かれる中、

コース・オーナーのハーブ・コーラー(Herb Kohler)氏は変えるつもり全く無し。
PGA of Americaの理事長、ジム・レミー(Jim Remy)氏も、900個のバンカーをウエイスト・エリアに指定して、300個のバンカーをバンカーに指定して印付けろっての?無理!とか言って、後押ししている状態です。


やり様がないのなら仕方ないとも思いますが、あんなにフェアウエーから外れたところのレーキもない小さなバンカーは潰して草ボウボウにすればいいだけなんですよね。
ダスティン・ジョンソンは、ルールで割食ったかも知れませんけど、その以前にあんな酷いティーショットから、4番アイアンで打てるライを貰えていたわけで。


結局5年後までにどうするのか、楽しみですね。




8/16/2010

これがバンカーってのは、無いよなー。



ダスティン・ジョソンの、最終ホールの2打目です。








あそこまで大場面なのだから、オフィシャルが「そこはバンカー扱いでせすからね。」とリマインドするぐらいしたらいいだろうと思いますけどね。
(セッティングの段階で紛らわしいのが判っていたからローカル・ルールにも書かれたのでしょうし。)


最終的にプレイヤーに責任がある、と、ぶった切るのは簡単ですが・・・

なんか、正直ちょっと興醒めです。


4/08/2010

ブラックベリーとゴルフ利用


なんだこれ?

さっきGDOから届いたメールですけどね、神奈川県にお住まいの方に人気のコースTOP30‏ って。
神奈川県のコースがただの1個も入ってないじゃん?!(x_x)

事情は承知してますけどねー、

・・・。


***


では、本題に。

いわゆるスマート・フォンってやつのひとつ、
blackberry (www.blackberry.comっていうガジェットをこの5ヶ月ほど使い始めていました。


e-mailやなんかは携帯電話よりはるかに打ちやすいし、スケジュール用のカレンダーも使い易いし、ウエブ・ブラウザー機能もありますし、便利ですね。

でも私の場合、まだあんまり活用出来ているとは言い難いかな。(^^;


あまり携帯電話で長話しないんですが、便利だし、インターネット接続は
月額フラット料金のプランがあって、今までの携帯電話と払う料金も
$10-20/月しか増えないし、相互通話がタダだし、ってことでうちの奥さんの携帯電話も at&t の契約に切り替えると共に blackberry を使い始めました。


で、そうなって来ますと、彼女にはやはり日本語の読み書きが無いとメールなどもなかなか活用しにくいということで、日本語アプリケーションを導入する方法を検索して、ごにょごにょやって、導入してみました。(笑)

私は5ヶ月間も、日本語文字は■■■表示のまんま使ってました。(^^;



段々に使い慣れてきましてね、これはいいなと思ったのは、これ。↓



そうです、USGAのRules of Golfのページです。


文字が小さいのでズーム。↓



うん、このぐらいなら読めますね。 この頃老眼に近づいてる気もしますが、(手間ですけど)まだ大きくズームも出来ますし。


キャディバッグにいつもルールブックは入れていますしこれからも入れますが、裁定集はちょっと分厚いので入れていませんでしたけど、携帯電話はどうせ持って行きますから(ゴルフ中は余程の用事じゃないと出ませんが。)、これなら小さくていいですね。


eBayの「eBay Mobile」みたいに携帯用のサイトが用意されているわけではなくって、サイトそのままを見るんですけどね。

で、元のUSGAのルールのウエブページっていうのは非常によく出来ていまして、よくご覧になる方はご存知かと思いますが、左側のウインドウでスクロールしてRules(ゴルフ規則)が見られるようになっていて、そこをクリックした番号に合わせて右下側のウインドウに出ているDecisions(裁定集)が出てくるようになっていて、そこをクリックすると、ページの真中のところに詳細が出てきて読めるようになっているんですよね。


私はブラックベリーに不慣れだったもんですから 「なんだこれ、ページをスクロールはできるけど、ページ中のウインドウについてるスクロールバーは操作出来ないじゃん?」と思っていたんですけど、

メニューから「Column view」っていう機能を指定して表示させるときれいに並べてくれて、個々の裁定を読みに行くことが出来ました。

Zボタンの長押しが、「Column view」と「Page view」の切り替えのショートカット・キーになっているようですので、ワンタッチで切り替えできますね。

で、不思議なのが、ブラックベリーのアプリケーションを様々扱う、
Blackberry APP Worldってところに、

The Rules of Golf by USGAっていうアプリケーションが$3.99で売ってるんですよ。
http://appworld.blackberry.com/webstore/vendor/2367

無くて用足りるのに。
しかもreview読みますと、「使いにくい!」とか「フリーズする!」とか文句ばかり書いてあります。(笑)

ウエブ接続しなくてもSDカードに内容を全部ストックして置けるって言うんだったら買おうかと思いますが、このアプリを買ってもウエブにはつなげないと読めないらしい・・・。


***

私はどっちかって言いますと、old school(旧式派)でして、先日のティヘラス・クリーク (カントリー・クラブ)のラウンド時にも、ヤーデージ・ブックを購入してラウンドしましたが、いつもよく一緒にラウンドする友人はiPhoneに
GPSのアプリケーションを入れて、残り距離とかを見てショットしています。


で、ちょっと、(トライアル14日間とか、限定機能版とかじゃなくて)完全に
無料のFree Golf GPS Range Finderっていうアプリケーションもついでに入れてみました。

この写真↑をクリックして拡大した大きさが、
ほぼ現物と同じ大きさになってます。


これはもう単純に、Googleマップか何かの航空写真を出してきて、単純にGPSでグリーン中央までの距離を表示してくれるだけのもので、他の機能は、画面上でクリックした場所までの今いる地点からの距離と、クリックした場所からグリーンまでの2つの距離をポップアップして表示するだけ、というシンプルなアプリケーションのようです。

これはときどき使ってもいいかもな。と思いましたです。(^^)

なにより良いのは、レイアウトにも拠りますが常に2-3ホール分ぐらいの広さで表示されているため、コース全体の方角とホールの配置が上空からの情報で把握出来るため、コース全体の大きな傾きやコース全体の木より上空の風向きを頭に入れることができたりしますね。


タダだしね!(笑)




うちの奥さんとも通信できるからってことで日本語も入れましたので、さらにJGAの裁定集のウエブサイトも見てみました。



こちら米国ですと、ブックレットの裁定集自体が定価でも$16とかで打ってますからお値段がそう高くないんですが、JGAの「ゴルフ規則裁定集」は定価だと4,000円もします。

4,000円も取るのに、ウエブサイトだと無料公開しているのは非常に良心的だと素直に思いますが、なんかズレてない?って思ってしまうのも事実です。(笑)


こちらは、Column viewにするまでも無く見ることが出来ます。(^^)

ゴルフ規則と、ゴルフ裁定集がバラバラのルート・ディレクトリに入っているので、2つウインドウが開けるパソコン画面と違って、1画面しか無いガジェットだとちょっと不便ですが、
それ以外の(携帯しやすさとかの)利便性で4,000円の差は吹っ飛んでしまいますね。


4/01/2010

バンカーにレーキ突き立てたヤツ誰よ?! (裁定集から-6)


trimetalさん、2つ前の記事では嬉しいコメントを、ホントにありがとうございました。♡


さて、題記の件ですが、お友達のひゃっぽさんが強風の中をプレーされて、そのときに出くわした珍しいルールの事例を書いていらっしゃいました。

疑問にお答えすると言うような権威は私にはまるでございませんが、いつも楽しくルール談義をし、理解を深めて行くことを我がゴルフ・モットーのひとつに掲げている者として、この良い機会に是非私の見解を書かせていただこうと思い至りました。m(__)m


これは余談ですが、以前はルールブックをキャディバッグにいつも携帯していたんですが(今もしてますが)、ひゃっぽさんもおっしゃっているとおり、それだけではどうにもジャッジできない事例が多いです。
裁定集を持っていくとけっこうジャッジ出来るんですが、分厚すぎます。

で、最近は、blackberryをいつも持っていますので、USGAの裁定集のURLをbookmarkして置いています。
これは便利。
調べる時間はラウンド後とかになっちゃうかも知れませんが、分厚い裁定集を携帯しているようなものですね。(^^)



という訳で、まずはひゃっぽさんのブログ記事から問題の部分をコピーして再録。


~~~~~

9番 Par5
ティショット1Wがヒールシャンクっぽくなり左ラフ
シッター中の子が「左のバンカーのレーキが立ってる!」
よく見るとクシの部分をアゴに突き刺したのか柄が上向き
誰がやったんだろうねーと話しながら打った3打めが
横風に乗って左にバウンドしてそのバンカーへころりん・・・・
今のってレーキに寄りかかってボール止まってそうだよね

近づいてみると
アゴに刺さってるレーキに乗っかるような形になってたけど
これを抜くと自動的にずっぽりと斜めに深くついた
足跡の中に落ちて止まるのが誰の目にも明らか

レーキはムーバブル・オブストラクション。
よけて転がった球はリプレースできるけど
アゴに刺さったレーキに転がる途中で止まってたから
リプレースは絶対無理で全部足跡に落ちちゃうよね


ハザード内の止まらない球は元の場所に一番近い止まるところに
リプレースできるけど
最初のリプレースが足跡の穴で止まるからそこから打つ?


この足跡はアブノーマルグラウンドコンディションになる?
うーんやっぱりアンプレになっちゃうのかなぁ・・・・・


どう処置するのが正しいんだろう??????

後続がまだ9番ティにいないので
ルールブック引っ張り出してみたけど結論が出ないまま。

仕方ないので
リプレースの球が絶対に止まってしまう足跡の穴から
2打かかって脱出して7歩ちょい上りスライスを
Aで打ちショートして残り1.5歩。

~~~~~


この場合のルールの解釈ですが、レーキがあごに刺してあったということは、バンカー内の斜面になっている砂の部分にレーキが刺さっていた状況と理解しますね。


砂の上にボールが居てレーキに寄りかかっている場合と、レーキの上に完全に乗っかっている場合で、微妙に処置が違ってきます。


前者の場合は、用心深くレーキを取り除きますが、障害物が無くなった結果ボールが動いてしまう場合には、元の場所に「リプレース」することになります。

後者の場合は、バンカー内にあるものと「みなされ」(13-5)、グリーン上“以外”のスルーザグリーンやハザード内では、元の場所に最も近い真上に当たる場所で「ドロップ」をすることになります。


前者のリプレースの場合、砂が硬くなってて転がってしまってどうしても元の場所に置けない(止まってくれない)場合、おっしゃるとおりバンカー内でホールに近づかず、一番近くの物理的にボールを置ける場所にプレースすることになりますよね。
レーキを抜いた穴or凹みがあろうかと思いますのでそのあたりで上手く置けるんじゃないかなー?って思ったりしますが(^^;、足跡以外で砂の微細な凸凹とか無かったんでしょうか?

後者の場合は、2クラブレングス以内でホールに近づかず、バンカー内の場所に止まったのであればドロップの結果はOKで、そこからインプレーになります。
(この方が平らで良さそう。)

もし2クラブレングス以内に止まらない場合はもう一度ドロップ。 それでも止まらない場合はドロップしようとした位置(つまりは元の位置)から一番近くの物理的にボールを置ける場所にプレースですので、この場合には結果的には、前者と同じ位置に帰着します。


砂がずいぶん硬かったんでしょうかね?
残されていた深い足跡の中よりももう少しは打ちやすくて元の位置に近い場所にボールが置ける(物理的に止まる)位置を探すのが最善策だと思います。

どうしても無ければ、その足跡の中の打ちやすそうなところを利用して置くことになろうかとは思いますが。
砂にちょっとでも押し込むのはもちろんNGです。


ちなみにですが、ドロップと異なり、リプレースしようとした球が転がって止まった位置(今回は足跡の中)は、2クラブレングス以内だろうが30cmだろうが関係ありませんです。
転がって止まった位置がインプレーになることは無いという意味で。(←要確認。)




それと、もうひとつ。

刺さったレーキや、バンカー内の均していない足跡は、非常に理不尽ではありますが、
これがゴルフ・ルールのやや納得行かないところでして、異常な地面には該当しません。

グリーン上のスパイクで出来た跡に付いても同様で、直せませんのはみなさんご存知ですよね。

マナーに属する問題、として片付けられてしまうんですね。



プロ・トーナメントなんかで、忘れたふりしてバンカーにわざと足跡を残しておけば後続の組みに不利になりますから、私はプロならそういうのもありかも知れないと思ったりするんですけど(冗談です。)、そこはゴルフの精神に拠り所を求め、ゲームを成立させているんですよね。
例えば、片っ端からカップの周りをソフトスパイクで引っ掻いておいてもかなり後続に影響すると思いますしね。



判りやすい例に、こんなのがあります。

裁定集、1-4/3。

1-4/3 Flagstick Stuck into Green Some Distance from Hole by Practical Joker

Q. A practical joker removes the flagstick from the hole and sticks it into the putting green some distance from the hole. The players approaching the green are unaware of this action and they play towards the flagstick and not the hole. Do the players have the option to replay?

A. No. In equity (Rule 1-4), the players must accept the resultant advantage or disadvantage.



(JGAの和訳)

1-4/3 ホールから離れた所に旗竿が突き刺してあった場合

質問: 誰かがいたずらして、ホールから離れた所に、旗竿を突き刺してあった。そのことを知らずに(ホールにではなく)旗竿に向けてプレーしたプレーヤーは、本人が望めば再プレーできるか。

回答: 再プレーは認められない。公正の理念(規則1-4)にしたがって、プレーヤーは結果的に有利な場合も不利な場合もあろうが、それを甘受しなければならない。



・・・なんだこれ?(笑)

Practical Jokerて。(x_x)  ・・・実害のあるいたずら者ですからね。


どうも、英語でいう「equity」と、日本語でいう「公正の理念」の間には、

・・・微妙で深いニュアンスの溝があるような気がいたします。(笑)



***

シリーズの過去ログ

バンブル・ビー(裁定集から-1)
ルース・インペディメント(裁定集から-2)
ボールはあるがままにプレーすればいいってもんじゃないんだよ?!(裁定集から-3)
池の方に打ったとき(裁定集から-3の2)
誤球のプレーをやってしまった思い出
誤球のプレー、最近のニアミス編 (裁定集から-4)
マッチプレーではルールが違う?!(裁定集から-5)


1/13/2010

SCGA(USGA)のハンディキャップ・システムの委託


昨年末30日から、今年の1月4日までの約1週間、SCGAのサイトでスコアのポスティングができなくなっていたのですが、新年明けて、スコアをポストしようとしたら、いきなりハンディキャップ計算を請け負う団体が変更になってました。


GHIN (Golf Handicap and Information Network)
http://www.ghin.com/


GHINって団体なのですが、NY方面ではすでにここがハンディキャップ計算を担当していた模様。

こちら南カリフォルニアでは、SCGC (Southern California Golfer’s Club)と、SCGA (the Southern California Golf Association)がリンクしていて、同じハンディキャップ申請番号でポスティング出きたんですが、今回、6桁だった番号が7桁に変わりました。

私も含め、大抵の方は、今までの6桁の番号の頭に“9”が追加になっただけの変更ですが、中には丸っきり別の番号になった方々もいらっしゃる様子です。
(なんか、日本で電話番号の桁数が増えたときに似てますね。)


ちなみにGHIN (Golf Handicap and Information Network)のHPに画像がありますが、


スコアのポスティングの画面がこんな感じで、


画像をクリックでリンクしてます。


ハンディキャップ・インデックスのルックアップ画面がこんな感じです。

画像をクリックでリンクしてます。


いきなりの変更で、びっくりしました。


今までは、毎月1日にハンディキャップ・インデックスの見直しがあったのですが、これからは毎月1日と15日にハンディキャップ・インデックスの見直しがされることになるのだそうです。

他には特に大きな変更点は見うけられないのですが、1点気が付きましたのが、「Based on T-Score Differential」とかコメントが書いてあるところがありまして、どうやらトーナメント・スコア・ディファレンシャルというものが設定されているらしいことです。
トーナメントでのスコアは、普段のラウンドよりちっと厳しいからおまけしとくよ、ってところなのでしょうか?
今度もっと詳しく判ったら、追記辺りにレポートいたします。


どうやらですね、米国各地方のUSGA傘下の組織も、ハンディキャップ計算はGHIN (Golf Handicap and Information Network)に一任して統一して行くというUSGAの方針のようです。


10/18/2009

マッチプレーではルールが違う?!(裁定集から-5)


デジタルパットを最初に私に教えてくださった方でお友達登録いただいていますgolfreak銀さんが、ディフェンディング・チャンピオンとしてクラブ選手権の決勝を戦って居られました。

これがマッチプレー形式でしたので、そういえば最近ルールに関する記事書いてなかったな?とか思い出しましたので、いくつもあるマッチプレーとストロークプレーで処置が異なる事例のうちのいくつかをご紹介しようと思います。




A. まずは、先だってのラウンドでちょうど私がやらかしてしまった事例です。

グリーンフォークをポケットから出そうとしたときに、ティーがフォークに挟まっていてボールをポケットから掻き出してしまったのですが、落下してシューズに当たり転がって同伴プレイヤーのボールにぶつかってしまったんです。


18/7.5 相手(または同伴競技者)が偶然に落とした球が、プレーヤーの球を動かす

質問: プレーヤーAがパッティンググリーン上の球を拾い上げたあと、偶々その球を落としたところ、Aの球は止まっているプレーヤーBの球に当たってその球を動かしてしまった。この場合、どのように裁定すべきか。

回答: 拾い上げたあとまだインプレーに戻していない球は携帯品である……定義16「携帯品」の注1参照。
マッチプレーでは、プレーヤーAは1打の罰を受け、プレーヤーBは自分の球をリプレースしなければならない……規則18-3b。
ストロークプレーでは、誰にも罰はなく、競技者Bは自分の球をリプレースしなければならない……規則18-4。



コンペは、ストロークプレーでしたから助かりましたが、マッチプレーだったら1打罰を受けていたんですね。(x_x;

プレイヤーBはリプレース、っていうのはまぁ当然だと思いますけど、これ、ボールじゃなくてもグリーンフォークとかを落として動かしてしまってもマッチプレーだと罰受けちゃうんですね。携帯品ですから。
(ちなみに、相手のマークを誤って動かしてしまった場合は、罰なしでリプレースだと思われます。(未確認))



B. 次の事例はですね、私自身は体験したことが無いのですが、「ちょっと競技で旗持ってもらうのためらっちゃうなー。」と思わされてしまう事例です。

17-3/2 相手(または同伴競技者)が旗竿を抜かなかったため、旗竿に球が当たる

質問: プレーヤーAが旗竿への付き添いを相手(または同伴競技者)のプレーヤーBに依頼したところ、BはAの求めに応じてくれた。ところがAが強くパットしたところ、Bが旗竿を抜かなかったため球は旗竿に当たった。この場合、どのように裁定すべきか。

回答: プレーヤーAに罰を受けさせようとしてプレーヤーBが旗竿を抜かなかった場合、規則1-2の重大な違反により、マッチプレー、ストロークプレーとも、Bは競技に失格する。なお、ストロークプレーでは、公正の理念(規則1-4)に従ってAは罰なしに打ち直さなければならない。


Bが旗竿を抜かなかったのはAの球が旗竿の向こう側に大きくオーバーするのを防ぐためであって、Aに罰を受けさせようということではなかった場合で、Aの球がホールに達する前にBが旗竿を抜かなかったときは、マッチプレーではBは規則1-2によりそのホールの負けとなる。
なお、Aの球が旗竿に当たった(規則17-3aの違反)という事実も、それ以前にBがそのホールの負けとなっているので上記裁定を変えさせることにはならない。
他方、ストロークプレーでは、Bは規則1-2により2打の罰を受け、Aもまた規則17-3aにより同様の罰(2打の罰)を受ける。
Bが旗竿を抜かなかったのは、例えば旗竿が円筒の中のソケットにくっついていて抜けなかった場合や、Bの注意が他に向けられていてAがパットするのを見ていなかった場合のように悪意がなかったときは、規則17-3により、Aはマッチプレーではそのホールの負け、ストロークプレーでは2打の罰を受ける。なお、Bに罰はない。


この事例は、ジャッジするのが難しいと同時に、ややファジーなルールですねー。
プレイヤーBの意思がどうだったか、に拠って、裁定が変わってくるようです。

プレイヤーBへの措置は、a.競技失格から、b.そのホールの負けまたは2打罰、もしくはc.無罰、っていう3通りに裁定されています。

一方、プレイヤーAの方(パットした方です。)は、a.最良でも無罰でリプレースして打ち直し、b.そのホールの勝ちまたは2打罰、もしくはc.そのホールの負けかまたは2打罰、という3通りで、ピンに当たるというなかなかラインに乗ったいいパットを打ったにしては、ほぼろくなことにならない裁定です。

ほとんどの場合、まぁ、3つ目のケースで起きるんじゃないか?とは思いますが。



C. 3つ目の事例です。これも私は未体験です。
19-3/1 アウトオブバウンズに立っていた相手に偶々球が当たり、アウトオブバウンズに停止

質問: マッチプレーで、アウトオブバウンズに立っていた相手に偶々プレーヤーの球が当たってアウトオブバウンズで止まった。この場合、どのように裁定すべきか。

回答: 誰にも罰はなく、プレーヤーはそのストロークをやり直すことができる……規則19-3。



これ、ストロークプレーでは同伴競技者は自分にとっては局外者ですから、OBになるんでしょうね。
・・・っていうか、マッチプレーだと罰なしにストロークのやり直しだって言うことに驚きましたです。



***

シリーズの過去ログ
バンブル・ビー(裁定集から-1)
ルース・インペディメント(裁定集から-2)
ボールはあるがままにプレーすればいいってもんじゃないんだよ?!(裁定集から-3)
池の方に打ったとき(裁定集から-3の2)
誤球のプレーをやってしまった思い出
誤球のプレー、最近のニアミス編 (裁定集から-4)



5/29/2009

誤球のプレー、最近のニアミス編 (裁定集から-4)


誤球のプレーをやってしまった思い出という記事の続きです。(^^;


前回の記事で、「この(誤球の)経験がありまして以降、二度と誤球の間違いはしなくなりました。」と書きました。


ところがつい最近、10数年の月日が経って痛みを忘れてしまったのかどうか判りませんが、あわや誤球のプレー、という場面が2度ほどあったのです。
(結果的には回避したんですが。)



1回は、アップダウンのきついコースでラウンドした日。

ティーショットを左のカート道近くに打ったホールで、2打め地点に行ってみますと、カート道の2yほど右に私のボールがありましたので、打とうと思って構えたところ、数ヤード先にもボールがあるじゃないですか。

“念のため”に確認に行くと、ありえないことにこれも私のボールです。

上の写真にありますような、タイトリストのロゴの上のディンプルのひとつを赤いマジックで塗り入れたマーキングのボールです。


数ホール前にOBにぶっ放したと思ったボールが、実は林を越えて崖下のこのホールまで来たんじゃないかと思うのですが、コースのレイアウトを覚えていませんので、真相は判りません。

幸いに番号が違いましたので、後から見つけたボールが本当の私のボールだと確認できました。
でもね、ティーショットを打ったときには打ったボールの番号を覚えていませんでしたから、ポケットに残っている他のボールの番号を確認して、消去法で確認したのです。

この時に打ったのは2番(もちろん赤いマーキング)で、初めに打とうと思った誤球は3番(これももちろん赤いマーキング)のボールでした。

完全にOBだと思って補充したボールが同じ番号だったら、そして打ったボールも同じ番号だったら即死でした。

自分のボールがグリーンを狙える位置に2つもあるのに、「紛失球扱い」という悲惨な状況に直面するところでした。(笑)


・・・いまだに真相は判りません。

自分のボールだったのか?
それともたまたま偶然に、赤の他人がまるで同じ銘柄の同じボールに同じ色で同じ位置にマーキングしたボールだったのか?

あるいは私がロストしたボールをたまたま拾い、それを使ってプレーしていた人がたまたまこんなセーフの位置でそのボールをロストしたのか?(笑)


~~~

もう1回は、ルールどおりにやるグループでのコンペ中でした。

3番ホールの私のティーショットはフェアウエーの左にグッド・ドライブでした。

2打め地点に行きますと、隣のホールから打ち込んできた人のボールが5yほどしか離れていない位置にありまして。
見ると、ボールは全く同じタイトリストのPro V1xで、同じ位置に赤いマーキングが入っています。

番号も同じ3番。


で、この人がこちらのフェアウエーにやって来て、私のボールを自分のだと主張する訳です。
その自信はいったいどこから来るのかアメリカ人?(笑)

私の方は、見通しのいいフェアウエーで打ったボールが見えていますから、どっちかは判っていました。

結局、私の方のボールには、少しこすり傷がありましたので、それを見てもらって納得してもらいました。(納得してませんでしたけどね。)

こちらはどっちのボールで打ってもグリーンへは開けていますが、あちらは木を越えてか抜いてかどうかして隣のホールに戻んなくちゃなりませんから、多分こっちのボールの方が良かったんでしょう、きっと。
彼の飛球線方向は見ませんでしたけど。


言い訳しますが、このマーキングのボールを使っているのを見るのは、私がこのマーキングにしてからの10数年間で、たったの2度目だけなんです。 それも両方今年のこと。

大抵は黒とか青のマジックでのマーキングが多いのと、タイトリストを使う人に多いのは、タイトリスのロゴとボール番号の間の位置にマジックでマーキングする人が多いんですよね。
たぶん、ロゴと番号の間だと、全体として目立たないので、視覚的に邪魔にならないのでしょう。

今回の人も、“もしかしたら”このコースで私が以前ラウンドしたときにロストしたボールを見つけて使ってたのかも知れませんし。(ここは癒し系で、池以外ではロストしたことほとんど無いんですけど。)

なんか、ちゃんとマーキングしたボールを使いそうも無いような人に見えましたので。


でもね、3月にぺブルビーチ・リゾートに行った時に、スパイグラス・ヒルで、私と同じマーキングをした同じpro V1xのボールがファーストカットのラフにロストされていたのを見たりもしました。

ちょっと、マーキングを工夫する時期に来ているかも知れません。


『ラウンド中にマーキングを書き直すのはルールに違反(2打罰)する』と書かれて居りますので、私は、こすれても消えにくいようにディンプルの中を塗るようにしています。
(追記していますが、これは塗りなおしてOKになっています。)

で、2箇所も3箇所も塗るのは面倒なので、あまりポピュラーに使われていない(けどどこに行っても入手しやすい)赤を使ってロゴの上方の位置にあるディンプルを塗っている訳でして、そうなるとあんまりバリエーションは無いんですよね・・・。


追記します。

JGAのFAQ、項目の+5は、

「球に矢印や線をマジックで書いて使用してもいいのですか?」
『ラウンドの前にマジックで一周ぐるっと線を引いたり、矢印書いて使用することができます。』
『ただし、正規のラウンド中に書き入れると規則4-2「性能の変更」の違反となりますのでご注意ください。』

と書かれていたのですが、...まさかこの回答がクラブに関してのものだったとは...。



ノリさんからの問い合わせにより、+5.5が追加され、

+5:「球に矢印や線をマジックなどで書き入れて使用してもいいのですか?」

+5.5:「クラブヘッドやシャフトに矢印や線をマジックなどで書き入れて使用してもいいのですか?」

と、混乱が起きないように書き換えられました。

ちなみに、USGAの方には元々こうした記述自体がありません。


クラブヘッドにぐるっと一周線を引いたり矢印を入れる人が居らっしゃるとは思ってもみませんでした。





***

追記:

ちょっと面白い事例がJGA裁定に載っていまして、

どちらが自分のボールマーカーか識別できないという事例(JGA1-4/1)なんですが、『二人の競技者が同型のボールマーカーを使用していて、双方とも同じ一つのボールマーカーが自分のものであると主張して譲らなかった場合、“公正の理念に従って、罰なしに、ホールから遠い方のボールマーカーの所からプレーするよう両人に求めるべきである。”』とされています。

・・・でも、どっちの人が先に打つんだろう?
公正になんないような気が・・・。(笑)


スルー・ザ・グリーンのボールの場合、こういう理念で解決することは許されていないと思うのですが、グリ-ン上のボールマーカーについては、やたらにルールが緩いような気がしますね。(^^)



***

シリーズの過去ログ

バンブル・ビー(裁定集から-1)
ルース・インペディメント(裁定集から-2)
ボールはあるがままにプレーすればいいってもんじゃないんだよ?!(裁定集から-3)
池の方に打ったとき(裁定集から-3の2)
誤球のプレーをやってしまった思い出


5/24/2009

誤球のプレーをやってしまった思い出


私は誤球をプレーして2打罰を受けた経験が(今のところ)1度だけあります。

かれこれもう10何年か前、ホームコースでの月例のひとつ、1/2の新年杯での出来事だったと思います。

まだハンディキャップは確か17で、月例に出始めた頃でした。

この頃は、スタートホールのティーショットは非常に緊張していましたし、競技にも不慣れで、周りは自分よりも上手くて年齢も目上の方ばかり。

ホームコースではちょいちょいあったコンディションなのですが、朝のスタートホールは霧に包まれていました。
2ホール目以降はいくぶん標高が下がるので、霧の影響はあまり無い、といった日が多かったのを思い出します。


この日は10番からのスタートで、距離の短い打ち下ろしのパー4です。

右の(というか正面の)高麗グリーンであれば、上手な人は直接グリーン・オンを狙えますが、凍ったグリーンの後ろはすぐOB。
ここのグリーンはずっと日陰になりますのでカチカチに凍っていますから、冬場にグリーンオンを狙って打てる人はそう居なかったと思います。
(ベントグリーンは左にぐーっとドッグレッグしたところにあって、直接グリーン・オンを狙える飛ばし屋の人はそう居ません。)


無理をせずに刻んでいくのが10番からスタートする際のセオリーですが、
2打めは押しなべて強烈な左足下がりのライになってしまうので、斜面でのショットが打てないと攻略できません。

打ち下ろしで230yぐらいの距離までいくと平らなライになりますが、フェアウエーの真ん中に横長のバンカーがあって、そこからグリーンは打ち下ろしのバンカーショットになってしまいます。
しかもこのホールに限っては、左足下がりのライにボールが止まるようになっていて、実質フェアウエーと呼べる短く刈り込んだ部分というのはほとんど無いのです。

右は大きく曲げるとOBですし、左に曲げても木の中に入ってしまって大きなトラブルになります。
なかなか厳しいスタートホールです。


さて霧の中のティーショット。
この日は右の高麗グリーンです。

私のホームコースには練習用のレンジが当時ありませんでしたこともあり、我々4人の組は、右へ左へとティーショットに苦戦。

私は無難に6番アイアンを打ち、ティーショットをフェアウエー真ん中に打てました。
他の3人は暫定球を1つ打った人が2人、1人は暫定球を2つ打ちました。
合計8球のティーショットが霧の中に放たれた訳です。

私がマーカーを務めることになった方は、1球目を右のOB方向に、2球目も右寄りに打っていました。

私はまず真っ直ぐに降りて自分のボールの位置を確認。
距離は満足に6番I の距離が出ていませんでしたが、フェアウエー真ん中の位置をキープしていました。予定通りですが、半分くらい芝に沈んでいます。

自分のボールを確認した後、他のみなさんのボール探しに参加します。
優先順位として、マーカーを務めているプレイヤーのボール探しを手伝うべく、右の斜面へと登って行きました。

1球目は結局おそらくOBで、2球目が見つかりまして、その頃には全員ほぼボールの捜索を終えていました。

やや気持ちが落ち付いて、自分のボールのところへ戻り、ボールが動かないようにアドレスして、肩のラインを極端な左足下がりの地面に平行にするように構え、グリーンに直接落とさないようにグリーン手前のところを狙って8番Iでスリークォーターショットをしました。

この頃の実力では、スタートからパーオン出来るなんていうのは上出来で、「やったぜ!」という気持ちでグリーンに向かったのでした。

グリーンでボールをマークして拾い上げてみて、びっくりです。

ボールが違うんですもん。(T_T)


私が右の斜面へ他の方のボールを捜索に行っている間に、左へ捜索に行っていた方が木の中に1打めを発見し、ご自分の暫定球を拾っていく際に誤って近くにあった私のボールを拾って行ってしまったようです。

その方はポケットを探った後、「あ!」っと声を上げ、申し訳なさそうに私のボールを差し出しました。


私は右の斜面へ捜索に行った後自分のボールのところへ戻り、急いで打ってしまったんですよね。
この時にちゃんともう一度確認するべきでした。
ボールは1個しか残っていませんでしたから、自分のボールだと思い込んでしまいました。


私のボールを間違って拾い上げてしまった人は無打罰、
一方私の方は、2打罰の上、

ただでさえ8球もティーショットを打って我がドローはすでに遅れている中、その方からボールを受け取り、斜面を駆け上がって2打め地点へ戻り、リプレースして打ち直さなければなりません。

後ろの組は霧でよく見えない中、イライラして待っているのは明白です。

若かったとはいえ、肩で息をしながら打った打ち直しの4打めがミスショットだったのは言うまでもありません。(笑)




1人だけティーショットを真ん中へ1球だけ打ち、2打めもグリーンオンに成功し、他の人のボール探しにまで貢献した私が、後ろの組の非難の視線を一身に浴びるなんて・・・、

しかも拾った人は無罰、私は2打罰、なんて不条理な世の中なんだ?!

・・・と思わずには居られないけど、どれもこれも打つ直前にもう一度ボールを確認しなかった私の責任です。


この経験がありまして以降、二度と誤球の間違いはしなくなりましたので、よい経験だったなぁ、と思うようにしています。(笑)


5/09/2009

間違って使われているゴルフ用語トップ10


先月、USGAのHPにこんな記事が掲載されました。

Top 10 Misused Terms in Golf
www.usga.org/news/2009/April/Top-10-Misused-Terms-In-Golf/


せっかくですので、全文訳します。
(翻訳が得意ではありませんので、完璧ではないと思いますので、念のため。 訂正点見つけましたらお教え下さい。)


***

間違って使われるゴルフ用語トップ10

正しい用語を知っていると、ゴルフルールのブックレットから正解を見つけやすくなります


April 16, 2009

By Travis Lesser


USGAのゴルフルール協会として、私は毎年、数千もの電話やe-mailでのゴルフルールに関する問い合わせに答えてきました。そしてゴルフのプロとしても、そしてエリート・ジュニアーのためのゴルフツアーのトーナメント・ディレクターとしても働いて来ました。
これは、私が数え切れないぐらいたくさんゴルフルールのいろいろな場面を見聞きし、議論を重ねて来たと言うことを意味します。

ですから私は、ゴルファーが用語を間違って使ったときとか、ゴルフルールに明示されていなかったときとかに何が起こるのかをよく知っています。
したがって、デビッド・レターマンに謝りつつ、みなさんに「間違って使われるゴルフ用語トップ10」をお送りしようと思います。
(訳注: デビッド・レターマンは有名な深夜のショー番組のホストで、いろいろなトップ10をしゃべって笑わせています。)


10位、「スルー・ザ・グリーン」
9位、「ラフ」
8位、「フェアウエイ」


これらのゴルフ用語は、コースの特定のエリアを表現する時に典型的に間違って使われるという意味においてそれぞれに密接な関連性があります。
「ラフ」とか「フェアウエイ」というのは、実はルール上は「スルー・ザ・グリーン」と呼ばれるエリアなのです。

「スルー・ザ・グリーン」については、グリーンの後ろ側、奥のエリアを指すと誤解されている例が多いようです。
(訳注: through(・・・を通り抜けて)のイメージから、米国人はこのようなイメージを持つようです。)

しかしながら、ゴルフルールの定義上では、ゴルフ場内のうちハザード(例えば、バンカーまたは池・川など)ではなく、かつあなたがプレーしているホールのティーイング・グラウンドでもパッティング・グリーンでもないエリアのすべてを「スルー・ザ・グリーン」と言うのです。

「ラフ」という言葉が、ゴルフルールには出てこないのをご存知ですか?
そして「フェアウエイ」に相当する言葉は一回しか出てこないのをご存知ですか?
皮肉にも「フェアウエイ」という単語はゴルフルールには定義されること無く、ルール25-2に、ボールが自分で作ったピッチ・マークにめり込んでいたら救済される「(芝が)短く刈られたエリア」を明確にするために1度だけ使用されているだけなのです。
いろんな技術レベルのゴルファーが皆、「ラフ」とか「フェアウエイ」という用語を使用しているにも拘らず、ゴルフルールのブックレットの索引を見てもこれらの用語は見つからないのです。
極めて単純に「フェアウエイ」も「ラフ」も、ひとつの用語、「スルー・ザ・グリーン」に集約されるのです。



7位、「ウエイスト・エリア / ウエイスト・バンカー」

最近のゴルフコースの多くには、「ウエイスト・エリア」とか「ウエイスト・バンカー」と称されるエリアがあります。こうしたエリアは典型的なウォーター・ハザードとかバンカーとかの定義には当てはまりません。一般的には、こうしたエリアは近代のゴルフ場設計家たちによってゴルファーの技量を試すあたらしいテストとして(もしくはメンテナンス・コストを抑えるため)導入された整備されていない自然のエリアですが、これもまた「スルー・ザ・グリーン」にあたります。
ということはルール上、こうしたエリアではクラブをソールすることも出来ますし、地面を打って素振りすることもできることになります。ゴルファーにとっては助かりますね。



6位、「トラップ」

バンカーが出て来ましたので、もうひとつの間違った名称を指摘しましょう。
バンカーは、「トラップ(罠)」ではありません。
(訳注: 米語ではバンカーを「サンド・トラップ」と呼ぶのがもっとも一般的です。)

定義によれば、バンカーと言うのは、グラウンド上に設けられていて、多くの場合は窪地になっていて、芝または土が取り除かれ、代わりに砂や砂のようなもので置き換えられているエリアのことです。ゴルファーの多くはトラップとかサンド・トラップと呼ぶのを好んでいるようです。
さて、私が確認した限りでは、「トラップ」というのは誰しも嵌りたくないもののようです。(例えば、ベアー・トラップ(熊の罠)、ラット・トラップ(鼠の罠)、スピード・トラップ(速度違反取締り)など。)
もしゴルフルールで「トラップ」という単語を検索して調べようとしても、何も出てきません。存在していないのですから。
一方、バンカーにはそこまで過酷な処罰の意味はありません。ゴルフルール上に定義された適切なゴルフ用語です。



5位、「カップ」
4位、「ピン」


正しい用語であるところの「ホール(穴)」と「フラッグスティック(旗ざお)」が、一体どうやって「カップ」と「ピン」に置き換えられてしまったのかは、いささかのミステリーです。
それぞれ、「ホール(穴)」と「フラッグ(旗)」または「スティック(竿)」と呼ぶのは(「カップ」と「ピン」と同じくらい短くて)難しくないと思うのですが。
だってですよ、(ゴルフと言う)ゲームの目的は、まずルールの1-1に、ホールにボールを入れることである、って書いてあるんですから。カップに、ではありません。



3位、「ティー・ボックス」

「ティー・ボックス」についてお話しましょう。
歴史的には、ティーボックスと言うのは、まだ木のティーが1900年代初頭に広く普及する以前のこと、ティーショットを打つ時にボールの乗せるための砂を小さく盛り上げるための四角くて小さい木の箱のようなものを指しました。
各ホールをスタートするのは、2クラブレングズの奥行きで2つのティー・マーカーの間の幅を持つ四角いエリアで、正しい用語は「ティーイング・グラウンド」と言います。



2位、「ラブ・オブ・ザ・グリーン」

テレビのアナウンサーなどによってよく間違って使われる用語のひとつに、「ラブ・オブ・ザ・グリーン」があります。大抵、不運のことを指して使われるようです。
ゴルフルールに拠れば、動いているボールが局外者によってアクシデント的に方向を変えられたり止められたりした時にラブ・オブ・ザ・グリーンが起きます。
確かに、完璧に良いショットがフラッグ・スティックに向かっていたのにボールが旗ざおに当たり跳ね返ってグリーン・サイドのバンカーに捕まったりしたらがっかりしますよね。これは、不運のラブ・オブ・ザ・グリーンです。
しかし一方、アウト・オブ・バウンズ(OB)や良くない場所に向かうはずだったボールが、木に当たり奇跡的にいい方向に撥ねてもっと望まれるスポットに止まった場合は、幸運なラブ・オブ・ザ・グリーンです。
これは一部では「メンバーの跳ね返り」として知られていますね。ここにペイン・スチュワートに起きたとてもラッキーなラブ・オブ・ザ・グリーンのすばらしいビデオ・クリップへのリンクがあります。
(訳注: リンク先のページで、Rule 19-1 Payne Stewartというのを選んでクリックして下さい。)



1位、「フォーサム」

さて、ゴルフのゲームにおいて一番頻繁に間違って使われる用語は...フォーサムです。

多くの人が自分達の組のゴルフ・バディ(仲間)を指して「フォーサム」と言っています。しかしながら、昨年9月にライダー・カップのマッチをご覧になった方はそこで学んだかも知れませんが、フォーサムと言うのはパートナーがティーイング・グラウンドからそれぞれのホールまでを交互にひとつのボールを打つ形式の競技のことなのです。あなたがゴルフ仲間と4人組みでラウンドする時は、パートナーとひとつのボールを変わりばんこに打ちはしませんよね。
(訳注: 米語では、よく4人のドローを4サム、3人のドローを3サム、とかっていう表現をします。 どこで間違ったのでしょう。(笑))


USGAはこうした多くの単語やフレーズがカジュアルに使われていることは認識しています。

とは言え、ゴルフルールで用いられている用語や定義の正しい理解をすることは重要なことなのです。
正しい用語を理解していれば、ゴルフルールのブックレットで答えを見つけることが易しくなります。しかも、正しい用語を理解することは、ゴルフのゲームをより楽しいものにしてくれるはずです。あなた自身やいつものあなたの日曜日のフォーサム - おっと、いやその、4人のグループにとって。


Travis Lesser is a Rules of Golf Associate at USGA headquarters in Far Hills, N.J. To contact him, e-mail tlesser@usga.org; for general rules inquiries, call 908-234-2300 or submit a question at usga.org/rules


***


とまぁ、こういう記事です。

内容的には、いまさら・・・って感じの知られていることばかりですが、USGAとして、面白おかしくルールブックや裁定集を読んでもらおう、という意図が感じられますね。


私は、「ルールで分からないことがあったら、自分に厳しくなるように判断して置けば大丈夫だ」、と言う風なある意味で言えば間違った解釈をなさっているゴルファーが多いように感じています。

基本的には非常に真面目な競技志向ゴルファーの方々の「一部」に見られる傾向です。


例えば、

カジュアルウォーターからの救済を受ける際に、救済されるニアレストポイント(ポイント・オブ・リリ-フ)を決めたところ、本来ラフの水の中にあったボールがフェアウエーになってしまったのでこれでは有利になってしまうと思い、きちんと少し大きめにホールに近付かない方向に下がったところのラフにポイントを決めドロップした。

みたいな例ですが、これはルール違反です。


まぁ、武道の精神が根本に根付いている正直な日本人の気質からすればこの間違いはよく理解できるのですが、ルールはルールですから、勝手な解釈をしないで、よく読むようにしたいものだと思います。


自戒の念も込めまして。(^^)




***

追記: 9/15/10

USGAのこの記事のURLが変更されていましたので、それに合わせて修正しました。


3/06/2009

池の方にボールを打ったとき(裁定集から-3の2)


お友達(というより色々教えてくださる良い先輩です)のノリさんから、ルールに関する記事に大変興味深いコメントをいただきました。

勉強のため、この件についてもっと詳しく掘り下げてみたいと思います。

すでに裁定集に挙げられている事例の、さらに細かく掘り下げたお話ですので、私が書くことが完全に正しいかどうかは判りません。
みなさんであらためて考えてみたり、論議したりできるような内容になれば、と思います。


まずはコメント欄でのやり取りを再掲します。

***

(ノリさんコメントから池の部分の抜粋)

暫定球を打っては行けない場合も知っておくべきですが、ハッキリしているのは一つあります。
池の方向に行った場合の暫定球は、認められなくて、暫定球を打った瞬間に正球と見なされ、しかも練習???おっ、何打罰だったっけ・・調べておかなければ・・・・
兎も角、池方向の場合は行ってみて、池に入った確証がなく、ボールが無い場合は戻って打ち直しをするものだと先日教わりました。
池に入ったかどうか分からなくてロストの危険がありそうな場合、暫定は打てないと言うことなんです。
おっと、池方向??池が見えなくて初めてのコースの場合はどうなんだろう?・・
二つ調べておかなければ・・・
ルールて面倒だけど面白い。
何故そういうルールが出来たかを知るともっと面白いですね。




(私のリコメからの抜粋)

池に入ったのが確実に思われる場合は、おっしゃるとおり暫定球は打てません。
さすが、ノリさん。(^^)



>暫定球を打った瞬間に正球と見なされ

おっしゃるとおりですので、3打目をすでにプレーしたことになります。
そんなに厳しいペナルティーではないですね。(言わば前3に近い有利かも知れないウォーターハザードの措置を取り損なった、というだけで、普段のプレーでは、アリだと思います。)


>兎も角、池方向の場合は行ってみて、池に入った確証がなく、ボールが無い場合は戻って打ち直しをするものだ

これは明らかにスロープレイに繋がる、私に言わせればルール的には間違ってはいないけどマナー的には好ましくない、その方の思い込みだと思いますよ。(^^;

池の“方”へ行っただけなら、池の外でロストをする可能性があるということで暫定球を打つことは実は出来るんです。
ちょっとファジーな感じの裁定ですね。 27-2a/2.2
でも合理的だと思います。

果たして池の中で見つかった場合と、結局見つからなかった場合で、次打の処置が変わってきます。


初めてのコースなどで、池の周りの状況が判らなくてロストの可能性を考えて暫定球を打ったが、池に向かうにつれ、「ありゃー、このでかい池じゃどう見ても池だわ。」ってなった場合は、面白いのですが、暫定球は暫定球として扱われます。3打目をプレーしたことにはなりません。

しかしながら、池に入ったことが確実になったので、この時点で暫定球は破棄し(破棄しって言ってももし水の中に見つけて拾ったらポケットに戻していいんですが(笑))、ウォーターハザードの処置を取ります。


まぁ、競技会で無い限り、戻って打つのは「やり過ぎ」と私は考えます。
その程度のルール違反は、40km制限の道路を42kmで走った程度の違反で遵守してらんない、という見解です。

我々素人はフォアキャディーも居なくてラウンドしてるんですから。


***


こういうやり取りでした。

>兎も角、池方向の場合は行ってみて、池に入った確証がなく、ボールが無い場合は戻って打ち直しをするものだ

という状況をよく考えてみます。




行ってみないと判らないのは、何でしょうか?
池に入ったか入らなかったか自体が判らない、という風に私は読み取りました。

行ってみると、池に落ちて沈んでいるボールが見える、というケースは非常に稀だと思います。


ウォーターハザードの処置を取るには、基準になるポイントが分からないと出来ません。

「ボールがハザードとの境界線を最後に横切った地点」を特定できるか、もしくはボールの沈んでいる位置を視認してボールが自分のものである合理的な理由が存在し(または拾い上げて確認し)、最後に横切った地点が合理的に推測できる、などの条件が必要です。

プロのツアーや、アマチュアでも正式の公式戦の場合、こういったホール(池がティーイング・グラウンドから部分的にブラインドになっているとかのホール)にはフォアキャディーが待機していたり、ギャラリーや競技委員が居て、「ボールがハザードとの境界線を最後に横切った地点」を大概は特定できる、ということがあります。


裁定集の事例には、主にこうした競技で実際に起きた具体例を元に、裁定されたものを記述していますから、『行ってみないと判らない』ということの意味が、我々のラウンドでは違ってきます。

これが、仮に研修会や練習ラウンドなどの場合、「ティーイング・グラウンドから見ていて判らない」ものが、「行ってみると判る」というのは、ボールが無事に見つかった場合という、非常に限られた状況になってこようかと思います。


つまり私は、例えこれが競技会の場面であっても27-2a/2.2に従って、暫定球を打つことが合理的だ、と考えます。

27-2a/2.2の他に、27-2a/2.5 (初めの球はウォーターハザードの外で紛失したかも知れないと思い暫定球をプレーしたあとで、ウォーターハザードの外で紛失という可能性は全くないということが分かる) という事例も参照してみていただきたいと思います。


一方、ピート・ダイ設計のコースの池によく在るような造りで池には木枠が付けてあり、池に入っていない限り周りはほぼフェアウエイか、非常に短く刈られたファーストカットのラフで、池の外では到底ロストはしないのだ、というような状況だったとしますと、『暫定球を打つべきでは無い』という裁定になってこようかと思います。
この場合は、「兎も角、池の方向へ行ってみて、ボールが無い場合は戻って打ち直しをする」ことになろうかと。

ただしこういう設計の池で、池をティーイング・グラウンドからの死角に入れるというホールは、まず無いんじゃないかな? と私は思いますけれどね。


私が思いますに、こうしたブラインドの池があるコースは、適当なドロップエリアを設けておくか、または競技会を行う場合にはこのホールに必ずフォアキャディをつけるべきであろう、と思う次第です。



我々アマチュアのラウンドには、裁定集でも想定されていないことがいろいろと起こり得ます。

例えば、フェアウエイ脇のボールを見つけるにはさほど深刻でないファーストカットのラフにボールが行ったはずなのに、行ってみたところ、無い。
どうやら隣のホールをプレーしていた組の誰かが拾って行ってしまったらしい、などということも起きたりするでしょう。
たまたま引っ込みきらなかったスプリンクラーヘッドにたまたま当たってしまい、想像も出来ない方向にキックして見つからなくなってしまったのかも知れません。

プロの競技と違い、判らないものは判らないのです。


こういう時に、厳然とティーイング・グラウンドまで戻って打ち直すべきなのでしょうか?

合理的な推測が元であれば、(多少緩いと思われる方もいらっしゃいますでしょうが)私ならば 18-1/5を参照し、『その球が止まっていた可能性のあるいくつかの区域のうち、プレーヤーにとって最も有利な区域と最も不利になる区域を避けたそれ以外の区域に、球をドロップ』します。

厳密には、獲られてしまったボールを取り返し、自分のボールだと確認できない限りはロストボールなのですが、勝手な疑いをかけて隣のホールのグループに問いただすほどの勇気と言うか傲慢さと言いますか、そういったものは私は持ち合わせておりません。


正式の競技会で無い限り、そこまでの厳密な処置は、スロープレイを引き起こすだけで後ろの組に対しても迷惑です。(もちろん正式な競技会では戻って打ち直すべきです。)
そもそも1グリップ以下のパットを(余程のサイド・ラインでない限り)OKにして時間短縮を図ってプレーしているようなラウンドですから、ルールを遵守して居りませんのですね。



なんか、ちょっとぐだぐだ気味になって来てしまいました。(^^;
今日はこの辺でやめときます。(笑)


私は、基本的には気分よく楽しくプレーするのがモットーです。

例えば全部6インチプレースしながらプレーしている人が居ても、他の人のことは全然気になりません。(^^;


***

シリーズの過去ログ

バンブル・ビー(裁定集から-1)
ルース・インペディメント(裁定集から-2)
ボールはあるがままにプレーすればいいってもんじゃないんだよ?!(裁定集から-3)


2/20/2009

ボールはあるがままにプレーすればいいってもんじゃないんだよ?! (裁定集から-3)


裁定集からシリーズの第3弾です。

バンブル・ビー(裁定集から-1)
ルース・インペディメント(裁定集から-2)



私の知る限り、ルール上で「最も悲惨で悲しい状況」があります。

ゴルフ規則の第3章、規則28、アンプレアブルの中の、裁定集の28/5に記されている事例です。


28/5 アンプレヤブルな状況の場所からの脱出が、1回の救済を受けただけでは不可能な場合

質問: あるプレーヤーが球をA点からB点に打った。B点は球を脱出させるのが非常に困難な場所にあったので、プレーヤーはその球をアンプレヤブルとみなすことを考えたが、アンプレヤブルにするとすればストロークと距離の罰(規則28a)のもとに処置するしかなさそうであった。すなわち、規則28bにより球のあった箇所の後方にドロップすることはアウトオブバウンズの境界柵があって不可能であったし、規則28cにより球のあった箇所の2クラブレングス以内にドロップしようとすれば、その区域から脱出するために何回もそのようなドロップを繰り返さなければならないような状況であった。結局、プレーヤーは救済を受けずにB点からプレーすることにしたが、球は数フィートしか動かずC点に止まった。ところが、今度こそは明らかにアンプレヤブルであった。この場合、規則28aに基づいて、プレーヤーは、

(a)C点の球をアンプレヤブルとみなし、1打の罰を加えて球をB点にドロップしたあと、
(b)B点にドロップしたその球をアンプレヤブルとみなし、更に1打の罰を追加して球をA点にドロップすることができるか。


これはどういうことかと言いますと、下の写真のようなところに打ち込んでしまったが、たまたまボールが黄色いこんもりした部分とかに乗っかって浮いていて、打てそうだったとします。↓

画像をクリックで拡大します。


もしくは、下の写真のような、

画像をクリックで拡大します。


サボテンの一種が、まるで草のようにくるぶしぐらいの高さで密集しているところがコースのラフの外側にあったりすることが、私の周りのコースには少なくなくて、時として、この上にボールが乗っていて、いかにも打てそうな場合があります。

ホールに近付かない後方線上に下がろうにも、良い場所がまるでありません。
で、頑張ってあるがままに打ってみる。
ミスる。

数フィートしか飛ばなかった上、今度はボールが奥に沈み込んでしまいます。
今度は完全にアンプレアブル。

そういう状況ですね。



問題は、B点であるがままに打ってしまったことによってすでにC点に来てしまっており、その前のA点に戻って打ち直す、という選択肢がなくなってしまう訳です。

裁定集の回答を見てみます。


回答: 規則28aにより処置する場合、プレーヤーはその球を最後にプレーした箇所(B点)にできるだけ近い所にだけ球をドロップすることができ、A点にまで戻ることは認められない。
質問のケースのような場合、認められる唯一の方法としては、球をプレーすることが可能な箇所に到達するまで、プレーヤーは規則28cを繰り返し適用する(C点から始め、その都度、横へ2クラブレングス以内に球をドロップする) しかない


「認められる唯一の方法」とされているのが、2クラブレングスずつ1打罰を払ってドロップしていき、脱出できるまで繰り返す、という方法だけなのです。

なんという作業! & 罰打!(x_x)


最初にB点でアンプレアブルしておけば、A点に戻って打ち直せたのに!
という事例です。



もうひとつおまけ的なケースを。

ちょっと盲点な感じの、気が付きにくいかも知れない事例があります。


17-4/4 プレーヤーが旗竿を抜いたら、旗竿に寄りかかって止まっていた球がホールの外に出る(ホールのふちに球をプレースしなかった場合)

質問: プレーヤーの球が旗竿に寄りかかるようにして止まっていたので、プレーヤーが旗竿を抜いたところ、球がホールの外に出てしまった。プレーヤーはその球が止まった所からプレーしてホールアウトしたが、この場合、どのように裁定すべきか。



旗を抜いたところ、ボールが出てきて上の写真のような感じの状況で止まり、これをタップインした、という訳です。



・・・どういう裁定になるのでしょうか?
回答を見てみましょう。


回答: プレーヤーはその球をホールのふちにプレースすることを要した(規則17-4)。
マッチプレーでは、プレーヤーはそのホールの負け……規則17-4と規則2-6。
ストロークプレーでは、競技者は2打の罰。球はホールアウトされたものとみなされる……規則17-4と規則3-5。


ボールに触らなければいけなかった』という事例です。


加えまして、間違いを正すためにリプレースして打ち直す必要が無い (というか許されない)、ということも意外に落とし穴だと思います。


***

追記:

ルール関係の記事、シリーズ化になることになりそうです。




1/16/2009

ルースインペディメント (裁定集から-2)


「裁定集から」シリーズの第2弾です。(^^;

第1弾はこちら。→ バンブル・ビー(裁定集から-1)



ルースインペディメントについての解釈は、意外に深くてびっくりします、非常に面白いです。


まずは、ルールブックの定義を確認してみます。

***
32 ルースインペディメント(Loose Impediments)

 「ルースインペディメント」とは自然物であり、次のものを含む。

●石、木の葉、木の枝など
●動物の糞
●ミミズ、虫類、その他類似のものおよびその放出物や堆積物
ただし、前記のものであっても次のものは除く。

●固定されているもの、生長しているもの
●地面に固くくい込んでいるもの
●球に付着しているもの

 砂とバラバラの土は、パッティンググリーン上にある場合はルースインペディメントであるが、それ以外の場所ではルースインペディメントではない。
 雪と自然の氷(霜を除く)は、プレーヤーの選択でカジュアルウォーターかルースインペディメントとして処置することができる。
露と霜はルースインペディメントではない。

***

裁定集のルースインペディメントに関するページと、救済(ルースインペディメント)のページもリンクしておきますね。

***

リンクを詳しく読めば、敢えて私が書くことも基本的には無いんですが、ちょっと「へーっ。」って思わされるところをピックアップしてみますね。



「ルースインペディメントは状況により解釈が変わる。」という点が、私にはとても面白く感じられます。

同じものなのに、場所によって、そうだったり、そうでなかったり。
同じ水の凍ったものでも、雪や雹はそうだけど、霜やつらら(や露)はちがう。

また死んでいるか生きているかでも違ってきますし、べとべとしているかしていないかでも変わってくる可能性があります。(笑)


例えば・・・


>ルースインペディメントは建築過程や製造過程の進行に伴い、その取り扱いが障害物に変わることがある。・・・(中略)・・・1片の木屑 (ルースインペディメント) も木炭に造り上げられたときは障害物となる。

と、あります。


へー、木炭は障害物なのか。人工物なんですね。
バンカーとかのハザード内では、この違いは大きいですよ。



それと、パッティンググリーン上だけでは「砂やバラバラの土」はルースインペディメントですが、スルーザグリーン上にあった場合は「砂やバラバラの土」はルースインペディメントではありません。

木の葉なんかとは違って、退けては“いけない”のです。
(まぁこれはご存知の方が多いと思いますが。)

フェアウエーの目土には、ソールするとき以外触れないようにした方が良いです。


どんぐりや石は、地面に固く食い込んでいなければルースインペディメントですが、もし踏みつけられていたりして地面に食い込んでいたらルースインペディメントでは無くなります。


また、裁定集には、「バンカー内の食べかけの梨」まで丁寧に解説されています。(笑)

食べかけで捨てられている梨は(局外者が持ち込んだ)「障害物」ではなく、ルースインペディメントの扱いになります。
(つまりハザード内では、例えボールの邪魔になっていようとも、決して触ることは出来ません。)
バンカーの近くに梨の木があろうと無かろうと、人間がかじった跡があろうと無かろうと、ゴルフ規則上の梨は果実の梨であって、その取り扱いを変えるものでは無いのだそうです。

他にも、「生きている蛇は局外者であるが、死んでいる蛇はルースインペディメントである。」とか、「(バンカー内で)死んでいるカニも自然物であり、したがってルースインペディメントであり障害物ではない。そのカニを除去した場合は規則13-4の違反となる。」などと、非常に詳しく解説されています。(笑)


例えばカミナリで倒れた倒木の場合も、わずかでも樹皮が繋がっていれば自然物、繋がっていなければどんなに大きくてもルースインペディメントである、と、非常に明確です。

ちなみに、どんな大きな岩でも地面に食い込んでいない限りはルースインペディメントで、動かすためにキャディや同伴競技者、観客などの助けを借りても良い、と書かれています。
ただし不当なプレーの遅延にならない限りです。
(タイガーのボールを救済するために、観客10人ぐらいで大きな岩を動かした場面を思い出しますねー。)


仮に、ミカンや桃、イチゴなどの果実にボールが食い込んでしまっていた場合、ボールに付着した芝や泥と同様、今度はボールへの付着物とジャッジされてしまい、どけることが出来ません。


生きている蛇は局外者でしたが、ボールの上にいる生きている昆虫はルースインペディメントです。
ですから、スルーザグリーンでは払いのけても大丈夫ですが、もしバンカー内やウォーターハザードの境界内の地面の上でしたら、ボールや周りの他のものを動かさないように気を付けて、「ふーふー」するなりして、自主的に退くように“促して”あげてください。
払いのけてはいけません。(吹き飛ばしては駄目です。)

もしボールでつぶされて死んでいて、しかもボールにくっ付いていたら付着物になってしまいます。(可哀相ですけどもう死んでますから、パッティンググリーン以外では、そのまま打ってください。)


コースに落ちている遺棄されたボールは、動かせる障害物です。人工物ですからね。
でも同伴競技者のボールは、暫定球とかでもボールとして扱われます。


「石灰や塗料を使用して地上に引かれたギャラリー整理用の線やヤーデージの目安として地上に付けられたマーク」は人工物ですが、実は障害物としてもルースインペディメントとしても扱われません。
あるがままに、そのまま打ってください。


↑の最初に載せた「定義」に、「ミミズ、虫類、その他類似のものおよびその放出物や堆積物 」はルースインペディメントである、と定められています。
蜘蛛とかゲジゲジは昆虫では無いんですが、その他類似のものに入るんですね。
蜘蛛の出す糸とか蜘蛛の巣とかも、例え木とか地面とかに付着していたとしても、「およびその放出物」とみなされて、ルースインペディメントになるそうです。ただし“ボールに”蜘蛛の巣が付着していたらルースインペディメントではなくなります。


なんかねー、面白いですねー。(笑)
私は個人的にこういうの大好きなんです。♡

どちらかというと堅苦しいルールブックの規則も、裁定集で具体例を解説されていますと、とたんに楽しいものになってきますね。


1/09/2009

バンブル・ビー(裁定集から-1)

裁定集は読んでて面白いですよ、ってことを書いたんですが、自分でも体験した具体例がありましたので、ご紹介します。

これは、先日のTPC バレンシアでのラウンド中に起きました。

ちょうど裁定集を読んで覚えていた事例でしたので、適切に処置が出来ました。(読んでいても覚えていない事項も多かったりしてえらそうなことは言えないのですが。(^^;)

ことが起きたのは、1番ホールです。
でもこの日は8番からのスタートでしたので、12ホール目での出来事だということになります。


このホールのレイアウトは、ヤーデージ・ブックではこうなっています。↓


画像をクリックで拡大します。


青ティーからは389yのパー4で、スタートホールにふさわしく、プレイヤーに不必要なプレッシャーを与えず清清しくスタートできるように考えられた、割合に広々としたフェアウエイへと豪快に打ち下ろしていける、とても見晴らしのいいホールです。

たまたまティーからの写真も撮っていましたので、ご紹介しますね。↓

画像をクリックで拡大します。


左サイドに見えるフェアウエイ・バンカーは青ティーから248yで手前の縁まで届くとヤーデージブックに書いてありますので、大きさを考慮すれば私のドライバーではビンゴで捕まる距離です。

とはいえ、このバンカーの左は写真からも想像に難くない通り自然保護区域に一直線で下ってしまいますので、設計的には救済バンカー的な意味合いも強いかと思います。
あごが浅くてグリーン狙えますしね。


グリーン左手前にはガードバンカーがありますし、ホール全体が左に傾いておりますので、フェアウエイのやや右サイドに打って行きたいところではあります。

私の計画では、右サイドの木(ヤーデージブックにも描かれている木です)の張り出した枝の左端辺りを通過する普段のドローボールで打っていくつもりだったのですが、なかなか計画通りには行きません。(笑)


ヒール気味に打ったボールは予定より左方向のちょうど遠くに見えているガードバンカーぐらいの方向に飛び出しまして、そこからくっくっと微妙にフェードしまして。

狙う予定だった張り出した枝の左端辺りへバウンドしたのですが、木の根元の茶色いウッドチップ・エリアに向かってフェアウエイはすり鉢状に凹んでいまして、フェアウエイにバウンドしたあと、木の根元の結構近くまで吸い寄せられてしまいました。

ヒール寄りでしたので、飛距離も失って打ち下ろしなのに245yぐらいしか出なかったんですね。

計画では、いいショットが打てれば残り110yぐらいの、ヤーデージブックで言いますと、102・ って書いてある地点と ・117って書いている地点の間ぐらいのところに行くつもりでいたんですが。
ま、いつも上手くは行きませんわね、私の実力ですから。(^^;


それでボールの所に行ってみますと、木よりはグリーン寄りの茶色い部分にありまして、木の左側ですし、右打ちの私には、グリーンに打っていくにはさほど支障の無いライにありました。
目の前のすり鉢のマウンドは越えて打たなければならないのですが。

ところがですね、木の幹の下の方に穴が空いておりまして、Bumble Bee(蜂)がたくさんブンブン飛び回っていたんです。


で、まさにこの状況が裁定集に掲載されています。


***

(第3章) 1-4/10 危険な状況;ガラガラヘビや蜂がプレーの妨げとなる

質問: プレーするには危険な状態の所(例えば、ガラガラヘビや蜂の巣の近く)に球が止まった場合、プレーヤーは、①球をあるがままの状態でプレーする、②適用できれば、規則26(ウォーターハザード)または規則28(アンプレヤブルの球)に基づいて処置することの他に、何か選択肢はないか。

回答: ある。そのような危険な状況の所であるがままにプレーすることをプレーヤーに期待することは道理に合わないし、また規則26(ウォーターハザード)または規則28(アンプレヤブルの球)に基づいてプレーヤーに1打の罰を課すことを求めるのもフェアではない。
公正の理念(規則1-4)にしたがって、プレーヤーは追加の選択肢として、危険でない場所で、ホールに近づかず、しかも球の止まっていた箇所に最も近い所に球を罰なしにドロップすることができる。

球がハザード内にあった場合は、できれば同じハザード内に(もしそれが不可能ならば、近くの似たようなハザード内に)ドロップすべきであるが、いずれの場合もホールに近づいてはならない。ハザード内に球をドロップできるそのような場所がない場合、プレーヤーはホールと球のあった箇所とを結んだ線上でそのハザードの後方に、1打の罰のもとに球をドロップすることができる。

その危険な状況以外のものによる障害のためにストロークを行うことが明らかに無理な場合、またはその危険な状況による障害が不必要に異常なスタンスやスイングやプレーの方向をとることによってだけ生じるような場合、プレーヤーは前記の救済を受けることはできないが、適用できる場合に規則26または規則28に基づいて処置することは認められる。

***

(ちなみに、次の1-4/11に書かれていますが、うるしや、さぼてん、いらくさといった植物の茂みで危険な状況には適用されません。)


そういう訳で私は、茶色いエリアの一番左にグリーンに近付かない範囲でドロップする位置を決めてティーでマークをし、(ボールを池から拾う道具で(笑))ボールをピックアップしまして、『罰打無し』でドロップして打ちました。

この時、スタンスは緑色の区域に乗るぐらいまで左に避難したのですが、ボールは茶色い区域です。
蜂は飛び回りますので、どこまで離れれば“危険でない場所”かは、判断の難しいところですが、元のボール位置と同様のライになる茶色い区域の外まで避難する訳には行きませんので、妥当な措置をとったと思います。

150yぐらいで、目の前のマウンドをクリアして打ち下ろしです。
8番アイアンで届きそうな距離ですが、上の枝にかからないよう、6番アイアンでノックダウン・ショット気味に低くハーフショットしました。

結果として、たまたま運良くカップの右手前3歩に付いてくれてバーディーが取れたって訳です。


裁定集はUSGAとR&Aの発行のものの直訳ですので、米国らしく『ガラガラヘビ』が例に出ていて、なんかちょっと可笑しいです。
日本版なら、さしずめマムシですよね。(^^)

この前のドス・ラゴスのコースにも、普通にガラガラヘビ注意の看板が立ってましたからね。(笑)




他にも、こんな裁定があったりしますから、使用ボールを日本でも人気のあるTitlelistのPro V1xあたりにしとこうかなー、なんてムシのいいことも考えちゃったりしますね。(笑)
(行動するまではまだ行かないですけど。)


***

5-1/5 他のプレーヤーから球を借りることはできるか

質問: 正規のラウンド中に手持ちの球を全部使い果たした場合、プレーヤーは他のプレーヤーから球を借りることができるか。

回答: 借りることができる。規則4-4aはプレーヤーがコース上でプレーしている他のプレーヤーからクラブを借りることを禁止しているが、他の用具(例えば、球やタオル、手袋、ティーペッグなど)を他のプレーヤーや局外者から借りることは禁止していない。
付属規則Ⅰのワンボール条件を採用している場合は、プレーヤーはワンボール条件で求められている同じブランド・同じタイプの球を借りなければならない。

***

ねー、ボールがおんなじじゃないと、借りられないでしょ?(笑)


今後も、時々面白い事例に出くわしたらアップして行こうと思います。(^^)



おまけ:

私は普段は英語版を読んでいまして、JGAの翻訳の忠実振りには舌を巻いておりますが、それで気が付いたことがありました。

この翻訳なんか、英語の意味を咀嚼してよく補足解説して訳されています。

16-2/3 Casting Shadow on Ball Overhanging Hole
(16-2/3 ホールのふちからせり出して止まっている球を、自分の影の中に入れてホールインさせようとする)

それでも、続く質問内容と回答(16-2/3)をよく読まないと意味わかんないでしょ?(笑)



ところが気が付きましたのは、

英語版のUSGAの裁定集では、裁定集の発行後に、訂正が行われているんです。13-4/38です。
http://www.usga.org/news/2008/January/decision13.html

JGAの日本語版には、13-4/38の回答の2段落目の訂正の部分が「訂正」されるのではなくて、まるまる削除されていますねぇ。


なんでだろ?

1/07/2009

米国ゴルフ場事情-1


題名ほど大げさな話ではなくて恐縮です。(^^;
気が付いた事をいくつか、思いついたときにアップしてみようと思います。


前回の記事で、珍しくイン(バック9)からラウンドした、と書いたのですが、これは米国(私が知るのはロサンゼルス界隈ですが。)では本当に珍しいです。

18ホール、スルーでラウンドするのが一般的なんですよね。

全員が1番からスタートして、18番までスルーでプレーします。
昼食は、あくまでもサンドイッチやホットドッグなどの軽食や飲み物をを買い、ティーイング・グランドでの待ち時間などを利用して済ませます。

これは実は、本来、ゴルフ規則第3章の規則6-8に規定されているんですよね。
競技の場合は、特に、この規則に従うべきです。

裁定集にも、9ホールを終えて45分間TVでゴルフ中継を観戦したケースが書かれています。(なんと競技失格ですよ。(x_x))

裁定集(規則第3章6-8a/1)

この裁定集は、英語で書かれて居るものをJGAが出来るだけ原文に忠実に訳したもので、4,000円で売られていますが、なんと4,000円もするものを、JGAではただで全文web公開してくれているんですね。
なんといういいサービス!♡

激しく脱線しますが(^^;、JGAはJGAにおける裁定集も独自で出しておりまして、こちらも800円で売られているものを、全文web公開してくれています。


私は、英語版の裁定集を購入して持っておりまして、時々拾い読みしているのですが、書いてある事項はどれも興味深く面白くて、読みながらニヤニヤしてしまいます。(笑)

これです。 ↓


Decisions on The Rules of Golf(2008-2009)


余談ついでですが、私の経験的な意見を書きますと、裁定集を読んでおくと楽しくルールに精通出来まして、スコア・アップのために非常に役に立つと思います。(^^)


規定集(いわゆるルールブック)は、読んでも意味が分かりにくく、覚えられないのでお奨めではないです。ちっちゃくてキャディバッグに忍ばせるにはいいのですが。

裁定集をお買い求めください。
もしくは、全部プリントアウトして自分で束にしてもいいかも知れませんけど、非常に分厚くなってしまいます。


話を戻しますが(笑)、もちろん、競技委員会が決めれば、アウトとイン(フロント9とバック9)の間に1時間の昼食タイムを取るのもありかも知んないんですが、ゴルフ本来の精神には“のっとっていない”訳です。

日本でも、ゴルフ場によっては競技会の時にはキチンとスループレイをやっているところも少なく無いでしょうね。





で、ようやく本題に戻りますが(^^;、

全員が18ホール・スループレイでは、1日に入れるお客さん数が減ってしまうではないか?という事になるんですが、実はそうでもないんです。

朝早いスタートでは、バック9だけをプレーするお客さんを入れるんです。
バック9のお客さんがプレーし終える頃、フロント9を終えたお客さんがバック9にやってくる、というタイミングにします。

夕方バック9よりも先に空いてしまうフロント9も、実は埋まります。
どこのゴルフ場も、“Twilight tee time”というのを設定しておりまして、グリーンフィーを値引きして提供しているのです。
“Twilight”は、上手く行けば18ホール回れるかもしれない時間から始まって、どう見ても9ホールぐらいしか回れない時間(Super Twilight)までスタートできます。

コースに拠るんですが、夏場は3時・4時以降、冬場は1時・2時以降というのが一般的です。
特に夏場の夕方スタートは、猛暑を避ける意味でも人気です。例え18ホール終えられなかったとしても、グリーンフィーが半額近い値段ですからね。(^^)

家がコースから近いお客さんやホテルに宿泊しているお客さんなら、喜んで9ホールを約半額でプレーするんじゃないでしょうか。日本でも。


9ホールをプレーする人を上手く集められれば、アウトとインの両方からスタートする日本のゴルフ場のやり方と同じ人数は入れられるはずですよね?

もっと言えば、長い昼食時間やお風呂の時間がない分、一人一人のお客さんがゴルフ場に居る時間はぐっと短くなります。
行き帰りの時間も考えますと、残される家族にとってはその方がずっとありがたい、ってこともあるんじゃ無いでしょうか。

日本のゴルフ場の問題は、グリーンフィーそのものよりも昼食や飲み物やその他キャディフィーなどの収入に頼る収益構造にあるのでは?と思いました。

(とはいえ、私はゴルフ場で入るお風呂が好きでして、今はちょっと寂しい思いをしておりますが。(笑))


もうひとつ、
ゴルフ場が主催するコンペ(英語ではtournamentと言います。)は、ショットガン形式によるものが多いです。
各ホールで一斉にスタートし、全員が約4-5時間で終了するので、夏場でしたら約144人のコンペを午前午後の2回行ったり出来ます。合計288人。

こうしたコンペは、大抵月曜日とかに開催されます。


日本と同様、4-6組くらいの、個人的なコンペも盛んです。
これはもう、日本とほぼおんなじで、ニアピン、ドラコン、ベスグロなどを表彰して景品を出しますが、ぺリアやダブルペリア方式での競技はほとんど見受けません。



今書いていて思ったんですが、日本でも例えば千葉県のゴルフ銀座の只中にあるコースとかでこれをやったら上手く行きませんかね?

18番ホールのグリーン周辺だけでも照明設備を付ければ16人はラウンドアウトできる人を増やせます。
近隣のコースで18ホールをプレーし終えたお客さんを拾えたりするかも知れませんし、近隣のコースで18ホールプレーする前の早朝のお客さんだって場合によっては拾えるかも知れませんよね?

毎週月曜日は、72名-144名ぐらいのオープントーナメントにして、景品出して。
全員ほぼ同時にラウンドを終えますから、ラウンド後の表彰式にもすぐ入れます。

軽食だって、(スキー場値段にして)ホットドッグで400円も取ればぼろ儲けでしょう。
外でラウンドしながら食べると、なんでも美味しいんですよ。(笑)

まぁ、妄想はこのくらいにしておきます。(^^;