1/27/2009

フック、ドロー、フェード、スライス


英語シリーズ第6弾です。


目土って英語でどう言うかご存知でしょうか?

“divot filling mixes”とか、省略して単に“mix”と言います。
ちなみに可算名詞で、不定冠詞には“a”が付きます。

USGAやR&Aでも、この表現です。

“divot sand”という言い方でも通じます。

砂と土を混ぜてあって水分を含ませてあり、場合によっては芝の種も混ぜ込んでありますから、まさに「ディボット埋めミックス」って感じですよね。

ちなみに、本来の“divot”は凹みの方ではなくて、削り取られた「わらじ型の芝片」の方です。


そういえば、なんで日本語で、「目」土って言うんでしょうかね?


マイ・目土袋(orボトル)で気をつけなくてはいけないのが、一回一回の
清掃・洗浄でしょうか。

土や砂の成分に雑草が入っていることも少なくないですし、別なコースの別な種類の芝種が混じっても実は厄介だそうです。
主にメンバーさんを中心に実践した方がいいのかも知れませんね。


ぱぱさんのブログで緑色の目土があると伺って「へー」って思ったのですが、米国にも“Green divot sand”って言う商品を売ってる会社があるようでした。


さて今回は、球筋に関する英語表現を見てみることにします。


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フック、ドロー、フェード、スライス、さらにはプッシュアウト、プルなど、球筋を表現する単語がありますよね。

この分野では、それほど和製英語化されてはいないようです。

プッシュ・フック、プル・スライスなんていう表現も使われています。右に出てから左に曲って行くフックと、左に出てから右に曲がっていくスライスですね。

(すべて右打ちの場合の表現で書いています。レフティの方は左右を入れ替えてお読み下さい。)

chart by Ty Daniel’s Golf
(画像をクリックで拡大します。)


もうずいぶん前になりますが、「(トミー中島こと)中島常幸プロが米国の
PGAツアーに行った時に『僕の持ち球はドロー系だ』と発言したところ、あるPGAのプロから『君のはフックだよ。』と言われてしまった。」と言う逸話がありました。

ジャンボ尾崎が打つハイドローに、ほとんどに近い日本中のゴルファーが憧れていた時期でしたでしょうか。

あの逸話ね、ちょっと胡散臭いと思うんですよ。(笑)

いくらゴルフのプロとは言え、そんな細かいこと言うアメリカ人が居るとは到底思えないんです。

もし本当にあった話だったとしたら、たとえばファルドとか英国系の皮肉屋さん系のプロが日本からはるばるやって来たトミーをからかい半分に言った“ジョーク”だったんじゃなかろうかと思うんですね。
トミーは素晴らしい球を打ってましたから。


日本ではどうも、ドローって言うのはあくまでも「真っ直ぐに出てスピンで上がって行って、最後ボールが落ち際にほんの2-3ヤードぐらい左に落ちるボールである」とされていたりしますけどねー。
そんなボールは米国人ならストレートと表現すると思うんですよね。


英語でのドロー/フェードの解釈ですが、実はキチンと用語として統一はされていません。
例を見ていってリサーチしてみましょう。


上に引用したチャートを描いたサイトはここです。

Ty Daniel’s
http://www.tydaniels.com/hook-slice-fade/

ここでは、曲がりの大きいのがフック/スライスで、真っ直ぐ出てから最後に左右に少し曲がるのがドロー/フェード、真っ直ぐに左右に出て行くのがプル/プッシュだと解説されています。

真っ直ぐに飛ぶショットは、「“Purely Hit Shot”または“Pure Shot”と言う。」と書かれています。

そんなこと無いと思うなー。Pureに打たなくったって見かけ上真っ直ぐな弾道で飛んでくボールとかあるもんなぁ。
芯食っていたって曲がるボールもあるし。


今度はGolf Illustratedでの使われ方。

Golf Illustrated
http://www.golfillustratedproshop.com/Detail.bok?no=285

ここでは、ドローと言うのはコントロールされたフックであり、フェードはコントロールされたスライスである、とされています。

フックやスライスは、ラフや木の中、バンカーやOBに終わるショットだが、ドローやフェードは往々にして次のショットがキチンと狙える良いライに留まるのだ。ということです。


次は日本にもあるYahoo!知恵袋の英語版の例。

Yahoo!answers
http://answers.yahoo.com/question/index?qid=20070829090134AAZsZfe

ここでも、Golf Illustratedと同様の回答がされています。
コントロールされているかいないか。

加えて、スイングにある問題点を指摘する時にフック/スライスという表現を使い、ドロー/フェードは意図を持って打たれるものである、と回答されています。
これも一意見。


もうひとつ。
日本にもあるAll Aboutというサイトの英語版ゴルフ編、Golf.About.com。

Golf.About.com
http://golf.about.com/cs/golfterms/g/bldef_fade.htm

ここでは、「スライスとフェードは同じ軌道だが、スライスの方が一般に曲がりが大きく、右打ちにもっとも多く起こるミスショットに起因するが、フェードの方は故意に打たれており、世界的なプレイヤー、ニクラスやホーガンなどが好んだ弾道である。」と解説されています。


総合しますと、何となく分かって来ますね。(^^)



ここで私流に、単語本来の意味合いからの考察を加えてみます。

それぞれの単語が使われている例を、日本でもわりと知られているものを引き合いにみていってみましょう。

Hook:
キャプテン・フックって居ますね。あの右手のカギ型のフックです。
洋服を引っ掛けるハンガーに付いているのもフック。
本来は「引っ“掛ける”」という意味の単語です。 pull(引っ張る)との違いを感じてください。

Draw:
ドローワー(引き出し)なんかがありますね。
引っぱる、引き寄せるという意味の単語です。
同じ引っ張ると言う意味の動詞、pullとの違いは、pullが一般的・全般的に「引く」という意味で使われるのに対して、drawは引かれたときの動きが緩く、一様であることをニュアンスとして持っています。

drawには描くという意味もあります。まさに弾道を描くイメージです。

Fade:
フェード・アウトって言いますね。
光や音、色などが薄れる、色あせることを言いますが、他動詞で色をあせさせる、衰えさせる、と言う意味があります。フェード・アウトは、意図的に音量を小さくしていっている訳です。

Slice:
スライス・チーズとかの、sliceです。
薄く切り分けられたもの、薄く切り分ける動作ですが、スポーツ全般に利き手の方へ曲がっていくボールをスライスと表現しますので、これは語源が分かりやすいかと思います。

大きい肉塊などをスライスする時の手の動きになぞらえられたものでしょう。



つまり私が考えます結論は、ドロー/フェードとフック/スライスの違いは、曲がりの大きい/小さいの問題ではなく、意図されてコントロールされた曲がりなのか、それともミスした結果としての曲がりなのか?という部分が主たる表現の分れ目であって、曲がる大きさは本来は問題ではなかろう、と言うものです。

同時に、得てして故意に曲げる場合には、それほど大きな曲がりは必要とされないものです。

ちなみに、大きく曲がるボールはしばしば“banana”と表現されます。


ついでに調べてみましたが、「ダグフック」という和製英語表現は、(私は知りませんでしたが)英語の“Duck hook”から来ているんだそうで、鴨の首のように曲がるっていう表現のようです。
チーピンっていうのと同じ発想で、形から取ったんですね。



例えばジム・フューリックのように、ショットを打つ前には毎回かならずドローかフェードかどちらかの弾道をイメージしてからセットアップに入る、と言っているプロも居ます。

コリン・モンゴメリーは、打った後の20° ぐらい左を向いたターフのディボット跡をみて、「僕のディボットはいつもこのぐらい左を向くんだ。これが自分にとってはナチュラルなスイング軌道なのさ。」と解説していました。

トミーに関する逸話、英語と言う観点からみますと私には到底そのまま信じることは出来ないのです。(笑)


(英語シリーズの過去ログ・リンク)
第1回: Good Drive!!
第2回: いやん、バンカー!
第3回: パットのOKを英語で
第4回: ゴルフ・ジョーク2本
第5回: ダフる


1/24/2009

ドロップイン・ウエイトシステム


近所のゴルフ屋さんでふと試してみたんですが、これはちょっとすごいです。(^^)

あんまりすごいので、先々週フィッティングしたばっかりでまだ私の使用データも全然出てない前からご紹介しちゃいます。
今後スコアに繋がるかどうかは私次第なのですが(^^;、きっとラウンドデータにも年間平均すれば効果が現れてくると思います。(^^)



要するにグリップエンドでカウンターバランスを取るというもので、カスタム・フィッティングしてもらうようになっています。

この感覚は言葉で表現するのが難しいんですが、
私の「へぼストロークに拠る前後左右のズレ」が大幅に縮小され、しかもゆっくりした球足のボールが粘り強く伸びていく感じで転がってくれます。

しかもこれは練習器具ではありませんで、ルール適合ですのでそのままゲームでも使用できます。
言うなれば宇宙兵器です。(笑)


これが装着したところ。



BCG 11って書いてありますね。110gあります。
1-11まで約15g-110gのウエイト・バリエーションがあるんです。
新ラインナップで、14(たぶん約140g)っていうウエイトも加わったようです。



開発元のウエブサイトを見てみましょう。
Balance Certified Golf: Sink More Putts


「元NASAのエンジニア達が開発した」って書くと、胡散臭い「殿様のアイデア」型のアイテムかTVインフォマーシャルのトンデモ・アイテムを連想させてしまいますが(ホントは超優秀なNASAのエンジニアの方々、失礼なこと書いてごめんなさい。m(__)m)、とにかく実際に体験して感じてみますと、説明は要らないくらいです。


動画の中でスコット・ホークが説明していますように、

まず重さが加わることによって、誰にでも散発的に起こってしまう打ち急ぎなどを防ぎ、(速いグリーンに対応した)グリップをスムーズにゆっくり動かす動作を助けてくれる。そしてなによりもパターフェースの動きをより強く感じることが出来るようになる。
ゆっくりした動きで打てる上に、フェースを感じながら、しかもボールを打つ感覚(打感)をもっと感じられるから、より安定したストロークが出来るんだ。
ということなんです。

「パター変えたときだけは良く入る」って言うのとは明らかに違う効果があるのを、自分の体が感じます。

距離感も変わりません。
((私の場合は)ちょっとリストを入れて打つ距離(15m以上)のロングパットになると、すこーし距離感がズレましたが、逆にその距離も振り子ストローク式でこなすように直すちょうど良い機会かも知れません。)


これを書くにあたって、日本語サイトも検索してみましたら、ありました、ありました。
私が訳して説明するよりも詳しく書かれています。

プロ-バランス・ウエイトシステム

さよなら サヨナラ
って。(笑)



[Pro-Balance System]って呼んでるみたいです。
説明の方は、詳しすぎてちょっと分かりにくいかも知れないですね。(笑)

でもこのページは一般消費者(ユーザー/ゴルファー)じゃなくって、業者さん向けに用意されてるみたいです。
データも詳しく並べてあって、親切丁寧に書かれています。

(そういう訳で、フィッティング用のキットはユーザーには(最終的には)関係ありません。
説明の無い「パワーリング」もフィッティング用で、実際には使用されません。)

なんか良さそうだ。って感じしてきましたでしょうか?(^^)



ところでですね、この開発元のBalance Certified Golf Inc.って言う会社、すごいんですよ。

オンライン・ショップのページに商品一覧があります。

その中に、The Shaft Stabilizer(シャフト・スタビライザー)っていう商品があるんですが、これがまた一部で話題沸騰中みたいなんです。

記事を書こうと思って日本語のページを調べてて分かったんですが。



あの有名なフリーのクラブアナリスト、マーク金井さんが近頃はまっていらっしゃると言うことで、今月3本も記事が上がっていました。
GDOブログの記事、読んでご覧になってみてください。

非常識な飛び道具!?
生キャラメルの魔力!?

シャフト・スタビライザーは、マーク金井さんのアナライズ神田スタジオで買えるそうです。

値段も、開発元のBalance Certified Golfのとほぼ同じくらい、輸入手数料・送料・関税なんか含めて考えますと、ちょっと無いぐらい良心的な価格設定ですね。(^^)

このシャフト・スタビライザーもオーダーしてみました。
来週くらいには届くと思いますので、なんどか試打をしてみて、また記事にしてご報告しようと思います。(^^;


実はパターの方のドロップイン・ウエイトもそうなんですが、後から違うウエートに取り替えたり、取り外したり、自由に出来るんですよね。

フィッティングしてもらうのは、重さがが色々揃っている中から選ぶためだけであって、取り付け取り外しはすごい簡単なんです。
後から取り外して止めちゃうことも出来るし、ゴルフコースやその日の調子によって重さを変えたりも出来ます。
ですから、試して後悔するってこともあり得ません。



さらにですね、Balance Certified Golf Inc.って言う会社には、
Frequency Filtered putter shaftって言う商品もあります。




これは、パッティング時のシャフトのフィーリングを繊細に感じさせるためのシャフトです。
プロフォース・シャフトを出しているUST(United Sports Technologies)社のブランドで販売していますが、開発はこのBalance Certified Golfです。
(日本ではプロフォース・シャフトの販売はマミヤ・オーピー社になってるんですかね。)

PING社には、WRX(ワークス)って言う部門があって、ツアー用のクラブを専門にカスタムフィットしたりしているのはご存知の方もいらっしゃると思うのですが、このFrequency Filtered putter shaftは、ツアーモデルのパターに採用されていたりします。

今のところまだプロ専用です。


では、続報もお楽しみに!(^^;



***

追記:

シャフト・スタビライザー(続報1)をアップしました。
シャフト・スタビライザー(続報2)もアップしました。
シャフト・スタビライザー(続報3)もアップしました。

1/23/2009

スイングの軌道


「ダフる」という記事で、「当たりが薄い/厚い」という表現を私はいまいち理解できていない、ということに気が付きましたので、グーグル検索して調べてみました。

golfreak銀さんに教えていただいたとおりで、いろいろな表現がいろいろな人によって微妙に違ったニュアンスで使用されているようでした。
でも、一番一般的だったのは、golfreak銀さんが教えてくださった用法でした。(^^)



まとめますと、「当たりが薄い」の方は、いろいろな使い方をされているんですが、総合的にみまして、

1. そう悪いショットではないが、芯を外れて打っている。(打点が下方にズレているとは限らない場合も含む。)

2. 多くの場合、トップ気味にフェースの下の方で打っている。

3. その結果、DRやFW、2I、3Iなどの長いクラブでは飛距離が落ちやや力の無いボールになる一方、短い方のアイアンやウエッジでは、フェースの下の方で打っているため弾道が低く出てしまい、飛び過ぎるミスになる。

ということのようです。


他方、「当たりが厚い」の方は(golfreak銀さんも使わないとおっしゃっていますが)あまり使われていないようです。

「ゴルフ」と「当たりが厚い」の2つをキーワードとして検索した結果は、非常にわずかな使用数でした。
しかも、(ゴルフがキーワードにもかかわらず)そのほとんどがテニスに関する記述でありました。
(ちなみにテニスでは、重いボールを打ち出すストロークを表現して使われているようです。)


稀に、少しダフリ気味の打球を「当たりが厚い」と表現する人も中には居るようですが、一般的では無さそうでした。
強いて言うとすれば、「よく捉まった球」と同義語、と言うことになりそうです。


英語の、thin / thickという概念とはどうも違っているようです。
ただし遠くはなれて居るわけでも無いようです。(^^)


↑ の「当たりが薄い」方の、3. で書きましたように、打つクラブに拠ってボールを捉える感覚は実は少し異なっているようです。
(私はどのクラブも同じスイングで打っているつもりなのですが、取るスタンスやボールの位置、クラブの機能によって、ボールとクラブフェースの関係は異なってくるのでしょう。)



と、いうことで本題です。
(前置きが長くてすみません。(^^;)


ボールをダウンブローに打つ、という言い方があります。
実は、「ダウンブロー」は厳密に言いますと和製英語(つまり日本語)です。

英語では、“descending blow(ディセンディング・ブロー)”
もしくは “downward blow(ダウンワード・ブロー)”と言います。
“blow”はボクシングのボディー・ブローのブローと同じ、「打撃」と言う意味です。

前についている単語は両方とも、「下方へ向かう」という意味です。


私のイメージしますダウンブローは、ボールを自分の右寄りに置いて、ダウンワードの軌道の中でボールを捉えるもので、特にスイングを変えて打つものではありません。
(あくまでも私の勝手なイメージの中でのお話です。)


とても正確な軌道とはいえませんが、イメージを図にしてみました。
画像をクリックで拡大します。


ここで何が言いたいのかといいますと、
ダウンブローにボールを捉えると、ボールがクラブフェースを転がり上がってスピンをかける結果になりボールが上がってくれるので、結果的にクラブフェースの上下のブレに対して寛容になってくれる、ということなんです。

図中の青い線がダウンブローのクラブフェースのボールに対する軌道のイメージで、赤い線が軌道の最下点でボールを捉えようとしたスイング軌道を表わしています。


青い線の方は、ボールの赤道か下手するとそれよりも上に入っても、ボールが地面と接している「c点」で支えられて、地面とクラブフェースの面でV字に挟まれるためボールはフェース面に駆け上がってくれます。
結果、上下のブレ幅にして、図の「a」の幅であれば、弾道の高さやスピン量の違いこそあれども、そこそこ悪くないショットになってくれます。

一方の赤い線の方の軌道では、そこそこナイスショットになってくれる幅はおおよそ図の「b」の範囲で、これより上は「scull shot」、下は「fat shot」になってしまいます。


・・・と、まぁ手前勝手なイメージで解釈しておりまして(^^;、どちらかといいますと「スピンをかけるため」と言うよりは「ブレの許容範囲を拡げる為」に、ダウンブローを心がけている、というのが私の思っているところです。


「スコアラインの下から2本目で打て」、なんていう高度な教えを唱えているプロもいらっしゃいますが(例えば高松志門プロとか。この方の感性のゴルフ、ゆるゆるグリップ、私はとても好きですが。)、私には到底そこまでの技術力がありません。(^^;

ああ、ごめんなさい。(笑)