実は最近お越しいただきましたmayumiさんという方にご質問をいただきまして、久しぶりの
英語シリーズ 第9弾です。(^^;
ご質問は、スコアメイク (score make)という英語は間違っているのではないか?
と言うことでした。
おっしゃるとおり、これは和製英語です。
・・・で終わるわけには行きませんので(笑)、ちょっと蛇足の解説をしてみます。(^^)
まず、文法的には、あり得るとしても動詞の後ろに目的語が来ますから、 make scoreの順になるべきです。
しかし、ゴルフのscoreに使われる動詞は通常、makeではなく、keep [(スコアを)付ける]とか、shoot (shot) [(スコアを)出す]とか、count [(スコアを)数える]という動詞が使われます。
また、score自体が、[得点する]という動詞としても使われます。
では、日本語でいうスコアメイクは英語ではどのような表現をされるのでしょうか?
いくつか挙げてみますね。
Improve (lower) your score
[スコアを良く(少なく)しよう]
How to Manage Your Game and Play Smart
[ゲームをマネージして賢くプレーする方法]
Better course management can lower your golf score
[もっと良いコース・マネージメントでゴルフ・スコアは良くなります]
Manage your game, score better
[ゲームをマネージして、良いスコアを出そう]
こんなところになってきますでしょうか。
和製英語の「スコアメイク」には、練習していいショットを打てる確率を上げて上手くなってスコアを良くすると言う意味合いではなく、「工夫してプレーすることでスコアを良くする」というニュアンスがある、という観点で選んだフレーズです。
マネージメントという単語が一番フィットする表現ということになりますでしょうか。
ここでさらに注意していただきたいのは、manage your score という言い方もしない、という点ですね。
manageできるのは、yourself と your gameです。
一方、golf において、makeするのは、「birdie」とか、「putt」です。
made birdie [バーディーを取った]、made the putt [パットを決めた]とか。
(外したは、missed the putt になります。)
おそらく、この辺りから誤解されてしまって日本で make を score に使われたものかと想像しますが、なぜにスコア・メイクの順にひっくり返っているのかは・・・?
もうひとつおまけに、スコアアップという和製英語もありますが、もしも英語でいうなら、
down your scoreです。
アップではなくて、ダウン。
(先ほどもありましたように lower your score です。)
なぜにアップになってしまったのか、はたまたスコア・アップの順にひっくり返っているのか・・・?
このシリーズでは、過去にもなんどか書いておりますけれど、和製英語と言うのは英語ではなく英単語を元に作られた日本語です。 むしろ英製和語と呼ぶべきもののような気がします。
ですから、私の見解としては、和製英語は日本語と心得て使えば何の問題もない。と思っています。(^^)
ただし、よく出来ている(笑)ものというのは、ついつい英語圏でも使ってしまいがちですので、英語をしゃべるときには厄介ですから注意が必要です。
アゲンスト/フォロー・ウインドとか、ワン・オンとか、スライス/フック・ラインとか、そういうヤツですね。
つい、使いそうになっちゃうんですよ。(笑)
他に日本ですごい間違われている例としては、
「
グリーン上のディボット(divot)」なんていうのがありますね。
グリーンにボールが落ちて出来るのは、ピッチマークです。
ちなみに、divotと言うのは「クラブヘッドで削り取られた芝片」のこと(飛んでいく方)でして、フェアウエーの地面の土が出てしまった凹みの方は、
divot
跡 と呼ぶのが正しいです。
あとは、「
オーバー・ドライブ」とか。
overdrive は自動車用語でして、1:1のギア比よりも動力側の歯車が小さい状態を指しますよね。
相手が自分のボールを超えて飛ばしてきたときには、outdrive (
アウト・ドライブ)された、と言います。
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(英語シリーズの過去ログ・リンク)
第1回:
Good Drive!!
第2回:
いやん、バンカー!
第3回:
パットのOKを英語で
第4回:
ゴルフ・ジョーク2本
第5回:
ダフる
第6回:
フック、ドロー、フェード、スライス
(番外):
タイガーのインタビュー(at&tでの優勝スピーチ)
第7回:
大叩き
(番外2):
ホーガンとジンジャーエール
第8回:
クロハンディド・グリップ
(番外3):
タイガー、ナイキの新CMが物議
※なお、私の学んだ英語は基本的に、西海岸のロサンゼルス中心の南カリフォルニア地域の米語が中心です。