trimetalさん、2つ前の記事では嬉しいコメントを、ホントにありがとうございました。♡
さて、題記の件ですが、お友達のひゃっぽさんが強風の中をプレーされて、そのときに出くわした珍しいルールの事例を書いていらっしゃいました。
疑問にお答えすると言うような権威は私にはまるでございませんが、いつも楽しくルール談義をし、理解を深めて行くことを我がゴルフ・モットーのひとつに掲げている者として、この良い機会に是非私の見解を書かせていただこうと思い至りました。m(__)m
これは余談ですが、以前はルールブックをキャディバッグにいつも携帯していたんですが(今もしてますが)、ひゃっぽさんもおっしゃっているとおり、それだけではどうにもジャッジできない事例が多いです。
裁定集を持っていくとけっこうジャッジ出来るんですが、分厚すぎます。
で、最近は、blackberryをいつも持っていますので、USGAの裁定集のURLをbookmarkして置いています。
これは便利。
調べる時間はラウンド後とかになっちゃうかも知れませんが、分厚い裁定集を携帯しているようなものですね。(^^)
という訳で、まずはひゃっぽさんのブログ記事から問題の部分をコピーして再録。
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9番 Par5
ティショット1Wがヒールシャンクっぽくなり左ラフ
シッター中の子が「左のバンカーのレーキが立ってる!」
よく見るとクシの部分をアゴに突き刺したのか柄が上向き
誰がやったんだろうねーと話しながら打った3打めが
横風に乗って左にバウンドしてそのバンカーへころりん・・・・
今のってレーキに寄りかかってボール止まってそうだよね
近づいてみると
アゴに刺さってるレーキに乗っかるような形になってたけど
これを抜くと自動的にずっぽりと斜めに深くついた
足跡の中に落ちて止まるのが誰の目にも明らか
レーキはムーバブル・オブストラクション。
よけて転がった球はリプレースできるけど
アゴに刺さったレーキに転がる途中で止まってたから
リプレースは絶対無理で全部足跡に落ちちゃうよね
ハザード内の止まらない球は元の場所に一番近い止まるところに
リプレースできるけど
最初のリプレースが足跡の穴で止まるからそこから打つ?
この足跡はアブノーマルグラウンドコンディションになる?
うーんやっぱりアンプレになっちゃうのかなぁ・・・・・
どう処置するのが正しいんだろう??????
後続がまだ9番ティにいないので
ルールブック引っ張り出してみたけど結論が出ないまま。
仕方ないので
リプレースの球が絶対に止まってしまう足跡の穴から
2打かかって脱出して7歩ちょい上りスライスを
Aで打ちショートして残り1.5歩。
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この場合のルールの解釈ですが、レーキがあごに刺してあったということは、バンカー内の斜面になっている砂の部分にレーキが刺さっていた状況と理解しますね。
砂の上にボールが居てレーキに寄りかかっている場合と、レーキの上に完全に乗っかっている場合で、微妙に処置が違ってきます。
前者の場合は、用心深くレーキを取り除きますが、障害物が無くなった結果ボールが動いてしまう場合には、元の場所に「リプレース」することになります。
後者の場合は、バンカー内にあるものと「みなされ」(13-5)、グリーン上“以外”のスルーザグリーンやハザード内では、元の場所に最も近い真上に当たる場所で「ドロップ」をすることになります。
前者のリプレースの場合、砂が硬くなってて転がってしまってどうしても元の場所に置けない(止まってくれない)場合、おっしゃるとおりバンカー内でホールに近づかず、一番近くの物理的にボールを置ける場所にプレースすることになりますよね。
レーキを抜いた穴or凹みがあろうかと思いますのでそのあたりで上手く置けるんじゃないかなー?って思ったりしますが(^^;、足跡以外で砂の微細な凸凹とか無かったんでしょうか?
後者の場合は、2クラブレングス以内でホールに近づかず、バンカー内の場所に止まったのであればドロップの結果はOKで、そこからインプレーになります。
(この方が平らで良さそう。)
もし2クラブレングス以内に止まらない場合はもう一度ドロップ。 それでも止まらない場合はドロップしようとした位置(つまりは元の位置)から一番近くの物理的にボールを置ける場所にプレースですので、この場合には結果的には、前者と同じ位置に帰着します。
砂がずいぶん硬かったんでしょうかね?
残されていた深い足跡の中よりももう少しは打ちやすくて元の位置に近い場所にボールが置ける(物理的に止まる)位置を探すのが最善策だと思います。
どうしても無ければ、その足跡の中の打ちやすそうなところを利用して置くことになろうかとは思いますが。
砂にちょっとでも押し込むのはもちろんNGです。
ちなみにですが、ドロップと異なり、リプレースしようとした球が転がって止まった位置(今回は足跡の中)は、2クラブレングス以内だろうが30cmだろうが関係ありませんです。
転がって止まった位置がインプレーになることは無いという意味で。(←要確認。)
それと、もうひとつ。
刺さったレーキや、バンカー内の均していない足跡は、非常に理不尽ではありますが、
これがゴルフ・ルールのやや納得行かないところでして、異常な地面には該当しません。
グリーン上のスパイクで出来た跡に付いても同様で、直せませんのはみなさんご存知ですよね。
マナーに属する問題、として片付けられてしまうんですね。
プロ・トーナメントなんかで、忘れたふりしてバンカーにわざと足跡を残しておけば後続の組みに不利になりますから、私はプロならそういうのもありかも知れないと思ったりするんですけど(冗談です。)、そこはゴルフの精神に拠り所を求め、ゲームを成立させているんですよね。
例えば、片っ端からカップの周りをソフトスパイクで引っ掻いておいてもかなり後続に影響すると思いますしね。
判りやすい例に、こんなのがあります。
裁定集、1-4/3。
1-4/3 Flagstick Stuck into Green Some Distance from Hole by Practical Joker
Q. A practical joker removes the flagstick from the hole and sticks it into the putting green some distance from the hole. The players approaching the green are unaware of this action and they play towards the flagstick and not the hole. Do the players have the option to replay?
A. No. In equity (Rule 1-4), the players must accept the resultant advantage or disadvantage.
(JGAの和訳)
1-4/3 ホールから離れた所に旗竿が突き刺してあった場合
質問: 誰かがいたずらして、ホールから離れた所に、旗竿を突き刺してあった。そのことを知らずに(ホールにではなく)旗竿に向けてプレーしたプレーヤーは、本人が望めば再プレーできるか。
回答: 再プレーは認められない。公正の理念(規則1-4)にしたがって、プレーヤーは結果的に有利な場合も不利な場合もあろうが、それを甘受しなければならない。
・・・なんだこれ?(笑)
Practical Jokerて。(x_x) ・・・実害のあるいたずら者ですからね。
どうも、英語でいう「equity」と、日本語でいう「公正の理念」の間には、
・・・微妙で深いニュアンスの溝があるような気がいたします。(笑)
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シリーズの過去ログ
・バンブル・ビー(裁定集から-1)
・ルース・インペディメント(裁定集から-2)
・ボールはあるがままにプレーすればいいってもんじゃないんだよ?!(裁定集から-3)
・池の方に打ったとき(裁定集から-3の2)
・誤球のプレーをやってしまった思い出
・誤球のプレー、最近のニアミス編 (裁定集から-4)
・マッチプレーではルールが違う?!(裁定集から-5)