お友だちのsyoballさんが、「ショートパットは運だ」という言わば哲学をブログに書かれていまして。
私なりにすごく思うところありまして、引用させていただいた上で私のゴルフの場合を考察してみたいと思います。あくまでも私個人の場合です。
こちらがそのブログ記事です。
「ゴルフスコアを極めるための究極はそもそも不可能側にあるのだ」
... by syoball
・ゴルフスコアとは、結局、いかにSPが入るか?というところに行き着く。
・残念なことに、SPが入るかどうか?は、結果論であり、入るか入らないかのデジタルである。
・とんでもなくソッポ向いたり、ありえないほどひっぱたいたりすることは論外である。
・そうじゃなくて、スコアを良くしようと、真剣にSPをきっちりきめようとするのが普通だ。
・SPが入ったことを自分の能力のおかげだと思ったり、SPが入らなかったことを自分の責任だと思ったりするのは
・ナンセンスである。
・入る確率があがるべく努力するのはゴルファーとして当然である。
・しかし、しょせん、スコアはSPが入るかどうかでかなりの程度決まってしまう。
・よって、スコアだけにこだわると、なぜSPがもっと入らないか?という議論に必ずなってしまう。
・それで私は、SPは運だということに決めた。以後、いやになりかけたゴルフが楽しめるようになった。
・真剣にSPを入れようとする(過程)けれども、入ったかどうか(結果)で自分の責任と思うのをやめたのである。
syoballさんはパッティング技術に関しては非常によく研究なさっていて、道具としてのパターやラインの読み、距離感なども含めて実はきめ細かくパッティングなさっているのですが、こと SP (ショートパット) に関しては、達観して運が良ければ入るが運が悪いと外れることもある。という風に考えていらっしゃる、ということですね。
私はsyoballさんが書かれていることに概ね同意です。
真剣に競技ゴルフを楽しんでいらっしゃる方の中には完全ホールアウトでプレーし、時にはイップスなどとも戦いながらショートパットに向き合っていらしゃる方も少なくないでしょう。
私も、そういうグループのゴルファー友だちもおりまして、そういったゴルフをたまにはいたします。
私自身、パッティングを考えることがとても好きでして、当ブログにもパッティング関連の記事が93件もあります。
しかしその93件の中で、ショートパットに焦点を当てている記事は2つくらいしかありません。
実際普段の友人とのラウンドでは、完全ホールアウトせずOKありで手短にプレーしています。
こちらに過去ログのショートパットの記事がひとつあります。
「ショートパットをオートマチックに決める」
フォロースルーしたパターヘッドが、カップの上を通り抜けるイメージで打ち抜くパッティングがショートパットに有効だよ、というビデオだったのですが8年も前でしたので動画は消えているようです。
この時に私がイメージしていた距離は、2フィート (約60cm)くらいのショートパットでした。 広げたとしても 3フィート (約91cm)。
決めたい気持ちが強い残り距離ですね。 寄せとしても成功したという感触の状況です。
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ちょっと考えてみたのですが、1ラウンドにショートパットは少なくとも18回はありますね。 OKも、タップインも全部含めて、です。 グリーン外からのチップインとか、ロングパットが入ったりがありますと、その分減りますが、ショートパットを外すとその分増えます。
アベレージプレイヤーだと大体、18-21回くらいと思ってよいでしょうか。
ロングパットとミドルレンジのパットを外せば、これもショートパットを残すわけです。
願わくば、タップインの距離が残ってほしいですが。
さて、ここで非常に疑問になってきますのは、いわゆる「ショートパット」ってどの距離以下を指すのだろう?ってことですね。
ざっと検索してみますと、日本では、1.5m-2mをショートパットと表現している模様です。
米国では、6フィート (1.8m) 以下という認識が一般的なショートパットのイメージの模様です。
でも私の認識では、2mもあるとカップインする確率は通常のアマチュアの場合せいぜい20%です。 90%入る60cmとは全然パットの種類と意味合いが違います。
過去ログにありますデータを振り返ってみましょう。
「パットってどのくらい入るもんなの?」
記事を自分で読み返してみても興味深いですね。記憶っていうのはおぼろげです。
図をクリックで拡大します。
記事中に抜き出された数字を再掲載してみます。
ツアープロは、
3フィート(約91cm)で90%、
6フィート(約1.8m)で50%、
9フィート(約2.7m)が30%、
12フィート(約3.6m)が20%、
18フィート(約5.4m)で10%、
30フィート(約9.1m)で5%、
42フィート(約12.7m)でも約4%がカップインします。
一方のアマチュア(HDCP15-25)では、
3フィート(約91cm)で75%、
6フィート(約1.8m)で25%、
9フィート(約2.7m)が10%、
12フィート(約3.6m)が5%、
18フィート(約5.4m)で2%、
30フィート(約9.1m)で1%、
42フィート(約12.7m)では0.5%しかカップインしません。
で、過去のランド記録も見てみますと、1歩の距離 (70cm前後) がラウンドに大体3回程度で、もちろんラウンドによっては9回もあったりと大きく違うのですが、イメージ的に言いますと(私の場合ですが)、
タップイン含めた3フィート (約91cm) 以下が10回くらい、4~5フィート (約1.2m~1.5m) が6回くらい、6~7フィート (約1.8~2.1m) くらいの厳しい残り距離が3~4回くらい、ショートパットとして 1ラウンド中に発現する、というイメージのようです。
そうすると、パットがよく入る日とショートパットをよく外す日とで、スコアにして 約 +/- 4ストロークの差が出ます。
パットが調子よい日のスコアと悪い日のスコアは、8打くらいの差になって出てしまうという訳ですね。
上の表の数字から見てみますと、
0~3フィート (約0~91cm) は、100~75%入るということで、大体 90%、
4~5フィート (約1.2~1.5m) は、45~60%入るということで、大体 50%、
6~7フィート (約1.8~2.1m) は、15~25%入るということで、大体 20%。
という風に考えられます。
(ローハンディキャップの方はこれよりも入る確率がもう少し上ですが、PGAのツアープロのデータよりは下になるでしょう。)
つまりですね、6~7フィート (約1.8~2.1m)を、入れなければならないショートパットと考えてしまいますと、非常にいらいらした心理状態のラウンドを強いられることになってしまいます。 20%しか入らないんですから。 PGAのツアープロでもこの距離は 40-50%ですから、ローハンディキャップの方でも 30%くらいなものでしょう。
入るか入らないか 50-50ってなるのが、4~5フィート (約1.2~1.5m) くらいです。(HDCP15-25)
逆に言いますと、8フィート (約2.4m) 以上あるパットはすべて、もう全部どんな距離であってもラインであっても、3フィート(約90cm) 以内につけておく、できれば 2フィート(約60cm) 以内に付けておいて、セカンドパットを確実にしたい、というのがスコア・ダウンのための鍵ですので、パッティング練習はこの部分に尽きると思いますし、読みやストローク技術、グリーンの知識などパッティングの科学が効いてくるのは、この部分です。
syoballさんの言葉を借りますと、運ではない部分。
2mの距離をひたすら練習する、ってよく言われたりしますが、7フィート (約 2.1m) のパットを、ものすごくひたすらに練習して練習してたとえ極限まで上手くなれたとしても、PGAのツアー・プロの平均値の45%を超えることはまずありません。
猛練習で 15%が30%に近付けば御の字ですから、ラウンドにこの距離が2-3回あったとしてスコア改善の期待値としては、0.4ストロークくらいでしょうか。
パッティングには傾斜・ラインがありますから、一概に距離だけで言っても、とても入りやすい軽いのぼりのごく軽いフックラインの 2mは20%よりももっとずっとカップインしやすいですし、たとえ 60cmでも横のしかも下りのラインでカップを外して狙わなければ入らないようなパットは 90%も入りません。
でも一般的な概念として、こういったデータは把握しておいても良いんじゃないでしょうか。
ショートパットを外してしまって、ラウンド中に必要以上にフラストレーションを感じないため (自衛のため) にも、外してすごくがっかりするのは 3フィート (約91cm) 以下くらいにしておいた方が、精神衛生上よろしいんじゃないかと考えました次第です。
楽しいゴルフライフ、人生にとってとても重要です。 (^^)
*パーセンテージは、ラウンド中のパッティングが前提です。 曲がりとスピードのラインが分かっている場合にはもっとずっと高い確率で入るはずです。