正直、ゴルフブログに今回の事件のことを書くというのは私にははばかられ、他の方のように有用な情報を発信できるわけでもなく、更新するならゴルフの明るい話題にしようと考えておりましたが・・・、
福島原発に対するあまりにも信頼性の薄い政府の発表・報告、東京電力の無責任且つ無力に加え楽観姿勢の無対応振りに、非常に強い危惧を感じまして気が変わりました。
米国の報道からみる温度差の違いをお伝えしてみようと思います。
煽ることが目的ではありません。
適切な判断で必要な行動を起こすための、ひとつの見方としていただければ、と考えています。
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代表例として、現在のMSNのトップ記事です。
Japan's increasingly frantic efforts at nuke plant
U.S. officials propose a 50-mile evacuation zone for American troops and citizens
なにも記事を探して持って来たわけではなく、最初に大勢の人が普通にアクセスするはずのポータルサイトのトップ記事です。
タイトルに使われています、franticと言う単語は、(取り乱した、慌てふためいた)という意味の単語で、作戦があまり効果的ではないことを端的に表現しています。
副題には、米国軍人と日本滞在中の米国一般人に対して 50マイル(約80km)以上離れて非難するように勧告している、と書かれています。
少なくとも、水戸か宇都宮ぐらいまで離れないと危ない、と言う意味です。
日本政府の言う20km、30kmとはかけ離れた数字です。
ヘリコプターに拠る放水のビデオで見て取れるとおり、下方で散らばって風でも飛ばされミスト状になってしまい、効果的に建家にかかっていないようです。
特殊放水車(本来は強い水の放水で暴動を蹴散らす為のもの)での放水作戦も使用済燃料の保管プールにはまるで届かず、お話にならないレベルに終わっているようです。
周辺地域を米軍が放射線量測定したデータからの推測では、4号炉の使用済燃料の保管プールには水は入っておらず、放射線物質を含む使用済燃料が露出しているようだ、とされています。
(東電は、水はまだ入っているとの見解だそうですが。)
ビデオの中で解説している日系人物理学者のミチオ・カクさんの言う情報がどのくらい正しいのかは私は専門家ではありませんから分かりません。
しかし、少なくとも説得力のある解説だということは分かります。
普段、800人以上の従業員が働いているこの原子力発電所で、1台の炉がメルトダウンを起こしても対処しきれるかどうか分からないのに、4台が非常に危険な状態に陥っている中を東電が残したわずか50名の社員で対応しきれるわけがない、とコメントされています。
新たな電源を東北電力から引き、原子炉本来の冷却システムを稼動させるという対策も行われているが、損傷の度合い、そしてシステムを電源につなぐ過酷な作業を被曝しながらの15分交代の作業で正常に修理そして機能させることは、long shot(勝ち目のほとんど無い博打)だとも指摘しています。
むしろ、3号炉は稼働中であったため(1号炉2号炉も)、炉内の燃料棒を冷やす事が必要なはずで、だからこそ必死にポンプで水を入れようとしています。
空から落とした水が炉内に入る可能性はほとんど無いばかりか、仮に水が炉内に入るのだとすればそれはすでに炉の圧力容器に亀裂または穴が開いているということな訳です。
(4号、5号、6号は、地震時停止中だったそうで、問題は上階部分にある使用済燃料の保管プールだそうですから上からの水も有効足り得るとは理解できます。)
むしろ、ヘリコプターが危険を省みずもっと近づいて投下し、効果的に水を投入できたとしても、保管プールに水漏れがない方がおかしいぐらいの建家の損傷の仕方のように私にも思えます。
水が燃料棒を覆うぐらいに溜まるのだろうか?
ミチオ・カクさんの提言は、航空自衛隊、陸上自衛隊を動員して、1-6号機全体に対して大量の「砂、(放射能物質の反応を抑制する働きのある)ホウ酸、そしてコンクリート」を投入し、エリア全体を固めて封鎖してしまう、という方法です。
この作戦に、どの程度の実現性があるかどうかの検討も必要でしょう。
しかし、事態の逼迫さ加減からすれば、現在の日本で行なっている対応はほとんど役に立っていないことは明らかです。
何しろ原子炉は地震直後に緊急停止を始めてからもう丸1週間も悪化し続けるばかりで、一向に停止していないのです。
一般の日本滞在中の米国人に対して日本から撤退するように呼びかける一方、
米軍は、無人偵察機グローバルホークを福島原発の上空に飛ばして、赤外線に拠る撮影などデータ収集に協力したり、米軍所有の消防車を数台提供したり、出来る限りの協力をしてくれて居ます。
放射性物質が大量に放出される事態になれば、80kmはおろか、風向きによっては東京に振りかかるような状況もありえない話では全くありません。
この関連のニュースに関しては、英語での情報にもアンテナを張り、なるべく正確な情報を集めるようにしたいと思います。
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追記:(3・17・11 16:05)
こちらのガジェット通信の記事に、
「退避すべきかとどまるべきか」放射線被ばくを深く心配されている方々へ(2011年3月17日午後時点の情報を踏まえて)
原子力工学の研究者である北村晴彦東北大学名誉教授の説明で、100kmも離れておればそれほど心配はないのでパニックせずに落ち着いて行動してください、と言う趣旨のお話が書かれています。
同時に、このお話の中にも30kmで十分であるとは書かれておりませんですね。
落ち着いてジャッジなさって下さい。
また、私の手元には、こういったメールも届いています。
Sent: Thursday, March 17, 2011 7:24 AM
Subject: Potassium Iodide Tablets For Japan
Subject: Potassium Iodide Tablets For Japan
Hello Distribution,
I have been working with The American Red Cross, The Japanese Red Cross Society and CIDI along with supplement manufacturers in our industry in order to be ready to manufacture potassium iodide tablets for the Japanese people.
Although we are volunteering to provide tablets, so far there has been no request from Japan. However, if we do receive a request there will be very little time to respond, so we want to be prepared. Several manufacturers have already stepped up to offer their assistance, and we are very grateful for their generosity.
Should we be called upon, we have a very challenging problem that needs to be resolved. We have been unable to located available raw material for the manufacture of the tablets.
I am reaching out to all manufacturers who would like to help and asking them to utilize their purchasing expertise and resources to try and locate raw material in the event that it is needed.
Please advise if you are successful in locating material.
Thanks again for your time and consideration.
Best Regards,
この彼は、仕事上の友人で、メールから個人名は外してあります。
米軍の軍人たちが飲む、放射性物質が体内に入ったときに浄化作用をしてくれる、ヨウ化カリウムの錠剤を供給するための原料確保のお願いのメールです。
日本からはまだ依頼が来ていない、と書かれています。
しかし米軍ではすでにこのタブレットを任務に当たる全員に供給していると別のニュースで報道されています。
飲んで8時間くらいの間、予防作用があるそうです。
この期に及んでいても、日本側から要請がないというのはどういうことなのでしょう?
すべての消防士、自衛官、警察官、東電の社員などなどの人々に十二分な量の錠剤が確保されてでもいるのでしょうか?
人々をいたずらにパニックに陥らせないようにするため、かどうか判断しかねますが、政府及び東京電力には、もう少し正確な情報の開示と、もう少しproactive(先手に回る)な対応策の用意をしてもらいたいと切に願うばかりです。
8 件のコメント:
やきそばパンZさん
こんばんわ!
卒業生などが沢山、関東方面に在住していますから、
心配しています。
他目8目とよく言われていますが、返ってUSなどでの
情報で判断した方が、的確ではないでしょうか。
また、お暇な時にでもお立ち寄りください。
この種の記事にコメントを書くのは慎重になります。(正直。普段もそこそこは慎重ですけどね。)
今回の原発事故の発表に関しては、3者(政府、原子力保安院、東電)の連携、あるいは情報管理の体制欠如の問題なんだと思います。
こんな大きな問題の場合、発表する内容は慎重にならざるを得ないし、時間遅れの発表になるのは一定の範囲内で仕方ない部分かと思います。ただ、あまりに3者の連携が悪いと皆さんが呆れるのも仕方ない部分かも知れません。
そんな中で、普段の原発安全性に対するセンシティビティ(ほんのチョットで大騒ぎ)と、今回の事故が起きた後のそれ(非難対象地域が思ったより狭い)に大きなギャップがあって、それぞれの、その時の都合に合わせてCriteriaが変わると思った事も事実です。その点では、外野である外国政府の判断は客観性があるのかも知れません。
塾長殿、こんにちは。
私もお友達などの心配をしています。
政府としては、現実的に避難できるできないも含めて難しい決定になりますが、
個々人で避難できる人は安全目に非難しておけたらした方が・・・
と思う次第です。
正直、誰も本当に正確なところは分かっておらないのじゃないでしょうか?
trimetalさん、こんにちは。
私は学校の先輩にもかつての日本原子力研究所の人がふたり居りましたし、弟の一人も東電のもつ電中研に居りまして、いわゆる「原子炉に対して騒いで怖がる派」ではありません。
しかし、この状況は本当に危惧してます。
固形燃料はジルコニウム管に入っていますし、99年にJOCが人為的に起こした東海村の事故と比べますとチェーンリアクションの恐怖はあの時ほどではないと思いますが、放射性物質の量としては桁違いに多いですから本当に心配です。
避難範囲については、それぞれの立場がありますけれども、個々人で避難が可能な人は100kmは離れたほうが良いと考えます。
ここはゴルフブログですから、まずはお友達の心配をしているのです。
本当のところどうなのか、専門家の意見を聞いても分かっていない部分が多いと感じます。
地震の発生時から、ずっと日本のニュースを観ています。
神戸の災害時の二の舞を踏まないようにと、心から願っていましたが。。。
アメリカ側が、強度な水圧のある放水車の提供を申し出た時も、日本側は日本の放水車で大丈夫だという事で最初は断ったそうです。
上手くいかないという事がわかった時点で申し出を受け入れたらしいのですが。
原発に関しては、一刻を争う状況なのに。。。
日本政府のしている事に疑問が一杯です。
被災地の方達の事を思うと、本当に心が痛みます。
とにかく、日本政府には被災地の方々の為にも、国民の為にも最善を尽くしてもらいたいです。
bunkataisiです。
福島原発で大変な事になっていますから、世界中の皆さんにご心配をおかけしています。
私も父が中電の水力で、電力会社や原発には親族で何人かかかわっていますので、原発に対してはそんなに恐ろしい物と思っていません。
一番分かっているメーカーの技術者が先頭に立って、建屋を水素爆発させて最悪の事態を回避する処置をとってくれましたし、放水と電源の手当もなされていますので、一安心と思います。
残念ながら東電のトップや学者、政府は現場の状況を良く掴んでいないから、まともに聞いていてはよく理解できない点が多いですね。
私も昨日「原発事故に思う」をアップしています。
bunkataisiさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
新しい方のブログも訪問させていただきますね。
どうも関係者は自身過剰なほどに安心だと思うような感じがなきにしもあらずみたいですね。
実はうちの弟もそうです。
私などの素人とは違い、微に入り細に入り詳しいですし、よく知っていますけれども。
今放射線の恐怖と闘いながら日本を救おうとしている人たちの恐怖とは、乖離がありますね。
悪い意味ではなく。
地震の直後、緊急停止を完了することに注力するのではなく、電力確保のためになるべく早く再起動すべきだと主張していたらしいんですが、これは確かに一理あると思います。
米軍の車両と、東京の高層ビル用の消防車が来て、やっとまともな放水が行われるようになったようです。
ここからは復旧が大変ですね。
電力供給から始まっていますが一つ一つ片付けていかなくちゃなりませんね。
私もようやく安心してきましたので、元のゴルフブログに戻ろうと思います。m(__)m
ストーンマンさんへのコメント、出先で入れたんですが失敗してました。(^^;
何書いたか覚えてません。(^^;
政府がなんでも分かっているかというと、そうでもなくって、
例の暴動制圧用の水圧だけ高い役に立たない車持ち出したり、訳分かんないことやってましたね。
もうちょっと専門家チームを政府に置くわけ行かないでしょうかね?
もう山場は越えた様ですから、かなり安心出来るようになって来ました。(^^)
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