基本的には、その人の体力で打てるはずの飛距離を引き出すドリルということで、なにも魔法のドリルではありません。
私がゴルフを始めたばかりの若かった頃(22年位前)に、スクラッチプレイヤーだった方に教えていただいたドリルを基本に組み立てたもので、かなり古い話なのですが、ご紹介します。
たぶん道具の進化した今でも役に立つだろうと思います。
当時の私には、抜群に有効でしたよ。(^^)
当時7番アイアンで100yだった私が、短い期間(1ヶ月くらい)で140y打つようになりましたので。
(その後、オーバースイングで振り回すようになった若い頃の私は、パーシモンのドライバーをフックでぶっ飛ばすのを楽しみにゴルフしておりました。その頃は7番ももっと160yとか飛びましたが、今はもうちょっと体力も落ちて大人らしく振るようになりました。(笑))
今は(ドライバーのスイング・スピードが94-95mile/hour(約43m/s)ほどで)7番のフルスイングは150yですが、普段は140yぐらいで打ちます。
(ちなみに私の7番アイアンは、ロフト35度ですので、ブリジストンViQフォージドなんかの7番のロフト31度と比べると4度、ちょうど1クラブぐらい寝ています。)
こういったドリルの類は、人によって合う合わないがあるかとは思いますが、どなたかの参考にでもなったりできましたら幸甚です。(^^)
基本的にボールは打ちませんので、練習場でやる必要がありません。
だた、ちょっと道具を用意しないといけませんので、工夫が必要になります。
1. 砂袋(あるいは重めのそば殻枕とか)のようなものを、インパクトの位置で打つ。
6-8番ぐらいの番手が良いと思います。私は昔の1番2番なんかをセットに入れていた時期のお話でしたので、4番アイアンでやりました。
ちょっと重めの、叩いても動かないような砂袋のようなものを用意します。枕ぐらいの大きさの。
これを、クラブでバーンと叩くのです。
インパクトでの腕や足、腰の位置は自分の理想の形を用意しまして、“その形で”ズドーン、と叩くようにするんです。
マットレスとかでも良いです。
どうやるとインパクトで力を入れることが出来るか、大きな音が出せるか、いろいろ工夫してみます。
力の入る形というものが分かってきます。
グリップはゆるく握り、バーンという瞬間だけしっかり握ります。
2. タイヤのようなものを叩いて、スクエアなフェースを認識する。
1.の練習の延長です。
ズトーンと力強く叩けるように練習するのですが、もう一段要素が加わっています。
よく昔の公園などにあった、タイヤが半分地面に埋まっているような感じのものがあると一番良いですが、代替品は工夫なさってください。
(キャディバッグの底にクッション貼るとかね。)
1.の要領でクラブで叩くのですが、このときに、クラブフェースが飛球線にスクエアになるように、クラブのリーディングエッジに当てる真っ直ぐな面が欲しいのです。
1.の練習では、まずは力強さを学ぶ事が最優先で、砂袋のようなものなら打ち込めますから、バーンっという感じさえつかめればよいのですが、この練習では、力強く叩いた時にクラブフェースがスクエアに入るように叩き、インパクトの形でクラブを止めます。というか当たって止まりますので、そこで抑えつけます。
3. 砂袋(あるいは靴袋とかでも良いです)のようなものを、インパクトの位置で押す。
やはり、6-8番アイアンくらいが良いと思います。 袋の方は1.の練習よりは軽いものが良いです。
ご自分の理想の“インパクトの形”を作り、クラブフェースをシューズバッグとかに当て、その位置から左に数cmほど押します。
ひざも使って、右足の親指の蹴りもフル活用して、左のグリップ、右のグリップもしっかり握って、押し込みます。インパクトから数センチ。
実は押し込むのに一番力が要るのは「腹筋」と「背筋」だったりします。
(右足の親指や、脇の締めも重要ですけどね。)
このドリルで、そのことがリアルに体感できます。
バックスイングは一切ありません。
インパクトの形を作り、そこから押すようにします。
ボールを打った先の数センチの動きですから、出来ればインパクト位置から下へ低く押していくイメージが大切です。
このドリルで、ボールの飛距離を伸ばすのに一番重要な、インパクトとインパクト直後の体の使い方、筋肉の使い方が体感して理解できます。
どこに力を入れれば良いのか。
ここまでは全くボールが必要ありません。
4. インパクトの姿勢から、フォロースルーだけでボールを飛ばす。
仕上げのドリルです。実は飛距離を伸ばすには、このドリルが一番有効に効果が出ます。
8番か9番くらいがいいでしょう。
しかしながら、1.~3.のドリルをやらないと、練習場で出来そうだからといっていきなり4.をやろうとしても、ボールが飛んでくれないと思います。
4.が出来る人は、すでにかなり効率よく筋力・体格に比例した飛距離を出せている可能性が高いのです。
ご自分の理想のインパクトの形を、練習場でボールに対してスタンスし、セットします。
セットアップの構えではなくて、インパクトの形です。少しハンドファーストかな。
そこから、一切のバックスイング無しで、フォロースルーをしてクラブを振りぬきます。
最初は、無理せずにボール無しでやってみましょう。
ここで一番重要になってくるのは、左脇の締め、背筋力、それと右の大腿(太もも)の筋肉と、右足親指の蹴りです。
ここに書いた順番に重要です。
バックスイング無しでフォロースルーが取れるようになりますと、これだけのスイングで8番か9番でボールが50yほども飛ばせるようになります。
最初は20yぐらいしか飛ばないかも知れませんけど、慣れてくると飛ばせます。
このドリルは、実は飛距離を出すには最も重要な、インパクト以降、フォロースルーでの体の使い方、それにボールの掴まえ方を体感できます。
ここまでドリルをやりますと、持てる筋力の範囲で非常に効率の良いパワーのボールへの伝え方が出来るようになっているはずです。
補足:
これまでは、どの筋肉を如何に効果的に使うか、という観点のドリルになっています。
加えまして、タイミングを作るドリルを付け加えておきますね。
ドライバーのヘッドの方のシャフトを持ち(逆さまに持つんですね)、軽い棒の状態になったものをほぼ左手だけで振ります。
ビュンッと音が出るように、振るのが目的です。
このドリルは、すごくポピュラーですので、すでにやっておられる方も多いかと存じます。
なるべくインパクトからフォロースルーにかけて、ビュンッという音が出るのが理想的。ダウンスイングで音が出てしまうとボールに効率よく力が伝わってくれません。
このドリルは、確認程度に5-6回振れば十分だと思います。
偉そうに書いているように読めちゃうかもしれませんが、方法を説明するためにそうなっているだけです。 ご容赦を。
私は大した飛ばし屋ではありません。(^^)
(例によって、スイング理論については言及いたしません。(^^))
***
追記です。
米国では、1. & 2.の練習を行えるような、「インパクト・バッグ」という商品が、USGAでも推奨されていて(USGAが新しく出したレッスンビデオにも登場します。)、一般に販売されています。
Impact Bag
http://www.practicerange.com/detail.aspx?ID=620
他にも最近は、キャラウエイなんかでも商品を出しているようですね。
IZZO
http://www.golftrainingaid.biz/2006/04/izzo_power_zone_impact_bag_1.php
Callaway
http://shop.callawaygolf.com/Accessories/Training_Aids/Impact_Bag.html
そういう訳で、日本でも売ってるみたいです。
インパクト・バッグ
http://www.rakuten.co.jp/htcgolf/633719/633720/523748/
砂じゃなくて、ぼろきれとかを詰めるんですね。
思えば、これを教えてくださったスクラッチプレイヤーは22年も前にこのような練習を知っていたと言うことになりますね。ちょっとびっくり。
最初に教わったグリップも、今でこそ主流ですが、当時はあまり居なかったストロング・グリップでした。(そういう名前では教えてもらいませんでしたけれど。)
今でも教わったグリップの手順は細部まで細かく覚えています。
ひょっとするとその方自身かその方のお父さんか誰かがアメリカでスクラッチプレイヤーになった、そんな経歴の方だったんでしょうか・・・? とか思いました。