実は「パット・エイミング教本」の著者、細貝隆志さんから、先だっての「G-Macの強さの秘密」という記事を読んでくださったということでメールを頂きました。
中身は、人類が到達できる限界のパッティング精度というお話です。
(クリックで細貝さんのHPに。)
非常に興味深い内容とデータですから、私だけが楽しむのでは勿体ありませんので、みなさんにご紹介しようと思います。(^^)
---
まずは、ベースになりますのが、細貝さんのホームページ、
パットのお悩み相談室
の、よくあるQ&Aコーナーの最新更新Q&A、「パットが入る「確率」についてもっと説明して下さい。」 (←クリック)と言う記事を読んでいただく必要があります。
ちょっと難しい内容ですが、細貝さんが統計計算上で予測したパットが入る確率を、アベレージ・ゴルファーと、プロレベルの正確なパッティングに分けて想定し、標準偏差の正規分布を基本にして計算してみた、というデータです。
さらにジャストタッチ(30cmオーバー)で打つ場合で想定される差でありますとか、また、3パットが出てしまう確率の計算ですとかが、計算結果として表に整理されています。
プロとアマではどの距離でどのくらいの差があるのか。
3パットの確率は?
どの距離はどのくらいの確率でカップインするものなのか?
非常に面白い考察です。
私が今年の目標を書いた記事の中で、
> 「1歩に寄せていれば85%はカップイン出来る確率が、2歩ですと約50%、3歩残すとカップインは20%弱になってしまうのが私くらいのアマチュアの平均値ですから、そこの微妙な差が大きく打数には反映します。」
と書いておりましたのですが、ずばり細貝さんの想定で計算されたアベレージのアマチュアの数字と適合しています。
これが前提です。
(リンク先の詳細の内容はちょっとハードル高いですかね?)
---
そして、私のG-Macの記事で、PGA Tour.comで非常に詳細なデータを公開していることを知った細貝さんが、上記の想定して計算で出てきたデータと、PGAのデータとの照合にトライしてみた、ということでわざわざメールを下さったのです。
メールの中の、そのデータ照合の部分の記述をそのまま載せます。
先日の私の記事の関係で、私自身は「putting」の中の
距離ごとのワンパット成功率(Putting from xx feet)と、
距離ごとの3パット確率(3-Putt Avoidance xx-xx feet)の二つに
特に興味を持ちました。
各該当項目の中のランキングトップと100番目のプレーヤーの
データを抜き出して、先日の私の記事中の数値モデルから得られた、
「トッププロ」(あるいは『人間の限界』)レベルの計算値(理論値)と
対比してみたのが次表です。
Putting from ○○feet(カップインした確率)
パット距離 #1確率 #100確率 理論値
--------- ------- -------- ------
0.9m以下 100 % 100 % 99.8 %
0.9~1.2m 99.0 91.0 97.4
1.2~1.5m 95.5 80.6 94.2
1.5~1.8m 87.8 69.0 85.3
1.8~2.1m 81.5 58.6 78.0
2.1~2.4m 66.7 49.1 71.2
2.4~2.7m 69.0 45.0 64.6
2.7~3.0m 60.9 40.7 58.9
3.0~4.5m 37.7 29.8 45.4
4.5~6.0m 30.5 17.5 30.8
6.0~7.5m 21.3 12.1 22.6
7.5m以上 10.1 5.4 (約12mで10%)
3-put Avoidance (3パットする確率)
パット距離 #1確率 #100確率 理論値
-------- ------ -------- ------
1.5m以下 0 % 0 % 0 %
1.5~3.0m 0 0.46 0.0
3.0~4.5m 0 0.97 0.6(未満)
4.5~6.0m 0 1.47 0.7
6.0~7.5m 0 2.50 1.0
7.5m以上 3.80 9.71 (約13mで3.8%)
上記の二つの比較表で見るように、数値モデルで
『人間の限界』として計算した理論値に、各スタッツ項目の
ランキングNo.1のプレーヤーの成績は非常に近いと思いました。
驚くべき合致だと言って良いと思います。
細貝さんがおっしゃっているとおり、各距離における、PGAでトップのプレイヤー(それぞれの距離で別々のプレイヤーです)のデータの最高のデータを集めますと、ほぼ細貝さんが理論上で組み立て想定した数字と互角に渡り合えるのですから、この辺りがまさに人間としての限界値であろう、と断言してしまって申し分ないだろう、という結論に達します。
と、同時に、100位のプロと1位のプロのあまりの差に少々驚きますね。
もっとも差が大きいのが、2m前後のパットです。
1.8~2.1m 81.5% 58.6% (78.0%)
トップのプロは、人間の限界の理論値を上回り81.5%を決めていますが、100位のプロ(ということは十分にシード権が取れる堂々たるPGAのツアープロということですけれども)は、58.6%しか決めていないのです。
この差は大きいですよー。
たかが2mのパット、されど2mのパット、という訳です。
---
いつも引き合いに出しております こちらのグラフ、デーブ・ペレツがいうところの「ザ・ゴールデン8」という領域の距離での凌ぎ合いが、スコアには非常にクリティカルに反映されるわけなんですね。
これは、ツアープロでなくても同じです。
我々アマチュアであっても、2mのパットをどのくらい決めるか決めないか、その辺りがスコアには非常に大きく影響してくる、という訳なのです。(^^)
---
ところで、「パット・エイミング教本」ですが、在庫切れしてヤフオクで倍を越える3,500円とかの値段が付いて売られているようですが、細貝さんが増刷の英断をなさいました。
製本分全部売り切った後にやっととんとんの慈善事業なんだそうですけどね。
パッティングへの情熱で純粋に動いていらっしゃるお姿に胸を打たれます。m(__)m
私なら、(読んだ後の今でも)3,500円でも買うなぁ、という シンプルかつ貴重な内容の本です。
7 件のコメント:
凄いです。理論値と、実際の数字がこれほどの一致するとは。
それにしても、PGAトッププロは凄まじいパット能力なんですね。2m前後を81%も入るって、一般アマチュアですと20%も入らないでしょうにね。
我々がオリンピックアスリートの身体能力を見るに、一般人の遥か上を行く能力に唖然とします。例えば、High Jumpの世界記録は2m45cmです。ありえないですよね。Long Jumpが8m95cmです。これも有り得ない距離ですね。もっとも驚くのが、マラソンを2時間3分台で走るんです。このスピードには200mで負けてしまいそうです。
このような一般人とのギャップがゴルフにもあるのでしょうね。PGAトッププロの能力は、オリンピック選手を見たときと同じで、常人では想像できないレベルにあるのでしょう。
確かに、ドライバやロングアイアンの弾道を見ると、そのギャップを実感しますが、パットについては、誰でもが入る可能性があるために、そのギャップに気が付いていないだけで、実際に統計を取ってみると、そのギャップを再認識させられるのだろうと感じました。
trimetalさん、こんにちは。
トップ中のトップの、人間の限界値を見る、と言う観点からしても、おっしゃっているようにオリンピックのトッププロの数値と比較してみることは、とてもとても妥当だと思いました。
しかしそれと同時に、十分にシード権内の100位のプロの数字が50%ちょっとだ、ということも逆の意味で驚きです。
trimetalさんは、すでに細貝さんのお本を購入して読んでいただいていますから、細貝さんのこのあたりのシミュレーションのモデル設定の上手さは知っていただけていると思います。(^^)
あと以前にtrimetalさんがコメントで、「2mのパットさえ練習して自信をつければ圧倒的にパット数が減る」とおっしゃっていたことが非常に正しい、と、再認識いたしました。m(__)m
私、Zさんのこの本に関する記事を初めて読んだ時に、即日本の友達にネットでこの教本買ってもらいました!。。。。が、
まだ、シアトルには届いてませ~ん。
まっ、催促しない私も、問題なんですけど。。。
今からメイル友達に出します!
そして、パットについてZさんともっと熱く語りたいと思いまーす。
スノーマンさん、こんにちは。(^^)
ををー! スノーマンさんもお買い求めになったのですね!
細貝さんの本は必見ですよ。
特にデーブ・ペレツのパッティング・バイブルを読んだことがない方にとっては、グリーンの見え方が変わるほどの本ではないかな、と思います。(^^)
パッティングに関する記事、さらにアップしていく予定です。
熱く語りましょう!
(この記事より、次のパッティングの記事の方が内容的に(物理系ではなくて)情熱系でスノーマンさんに合うかも知れません。)
情熱系、うん、うん!ピッタシ! 期待してまーす!
最近パターがぜっ不調なので参考になりました。もっと勉強しないといけませんね。
HIROさん、こんにちは。
読んでいただいてありがとうございます。(^^)
この後も、パッティングに関する記事はすでに2つほど用意しております。
ご参考になるかどうか分かりませんが、またよろしくお願いします。m(__)m
コメントを投稿