5/06/2011

PGAの新スタッツ: Strokes Gained - Putting


これは是非にご紹介しなければなりません。


私のゴルフ仲間の間で現在話題持ちきりなのですが、PGA Tourが導入した新しいスタッツのひとつで、パッティングのスコアに対する影響を表す数字です。

Strokes Gained - Putting  (PGATour.com)


タイガーはラウンド数が足りなくて入っていませんが、仮にリストに入っても今年のようなパッティングぶりでは、かつてのようにトップ3にランクされることはないでしょう。


どんなスタッツなのか、の説明が表の下の方に書いてあります。

The number of putts a player takes from a specific distance is measured against a statistical baseline to determine the player's strokes gained or lost on a hole. The sum of the values for all holes played in a round minus the field average strokes gained/lost for the round is the player's Strokes gained/lost for that round. The sum of strokes gained for each round are divided by total rounds played.

(プレイヤーが、特定の距離からパットしてかかったストローク数を量り、統計的ベースラインに対してどれだけストロークを稼いだかあるいは落としたかを判定します。 1ラウンドすべてのホールで出た値を合計し、そこからその日の全員の平均値を差し引きした数値が、そのプレイヤーのその日のストロークを稼いだか/落としたかの指標になります。
それぞれのラウンドでストロークをどれだけ稼いだか合計し、ラウンド数で割ったものがこの数値になります。)

The Strokes Gained - Putting concept is a by-product of the PGA TOUR's ShotLink Academic program, which encourages members of the academic community to perform research against the wealth of ShotLink statistical data. Professor Mark Broadie from Columbia Business School developed the early concept which was later refined by the TOUR (2564)



ということでですね、これはパッティングがどれだけスコアに貢献したか・足を引っ張ったかを判定する、非常に優れた指標ということになると思われます。

野球のオフェンスで言う、Run Creationという指標にちょっと似ていますですね。
(単純な打率や打点とかではなく、どれだけチームの得点につながるパフォーマンスをしたか、個々人のプレイヤーベースの数値だけで割り出すスタッツです。)


ちょっとオタッキーな感じがしますが(笑)、これはパット&データ好きな私としては大興奮して注目しなくてはなりません。





以前、「パットってどのくらい入るもんなの?」という記事で、

>「パットがうまい人」と言った場合には、一体どんな人を指すのでしょうか?

・・・という考察をしてみたことがありますが、今回導入されたこの指標、まさにパッティングの上手いプレイヤーのイメージに合うランキングになるように思いました。


例えばタイガー。

データのある2004年から今年まで、

2004     2位
2005     9位
2006   22位
2007     3位
2008      -    (ラウンド数不足?データなし)
2009     2位
2010      -     (ラウンド数不足?データなし)
2011      -     (ラウンド数不足?データなし)

といった感じになってます。

2008年はおそらく隠れ2位とか3位だったんじゃなかろうかと想像しますが、2010年、2011年はラウンド数が足りていても楽々50位以下に低迷しているのではなかろうかと思ったりします。 もっと下かも。


2009年と2010年の1位はルーク・ドナルドです。 今年は今のところ8位。

パットの上手いプレイヤーということで、「G-Macの強さの秘密」と言う記事で取り上げましたよね。

もうひとり取り上げましたブライアン・ゲイも常にトップ10に入っています。


リュージ・イマダも、ここ4-5年10位台20位台に安定して入っていて強いところを見せていますね。



今週はすでにTV放送でもこの新しいスタッツのことが取り上げられていまして、ミケルソンに対して「今週はStrokes Gained - Puttingがマイナスのデータになっていますね。 パッティングが上手く行っていないようです。」 なんてコメントされていました。


私の仲間内からも、この指標をもう少し計算しやすい簡略化したアレンジにしてスタッツ採ってみようか? なんて案が出たりしています。(^^;





~~~


具体的な計算法ですが、実はアマチュアが自分のデータに応用するには少々複雑です。

Andrew Rice Golfのサイトに、このスタッツに関する記事が上がっていましたので、ご覧になってみてください。

http://www.andrewricegolf.com/2011/05/pga-tour-adds-new-putting-stat/


此処に書いてあります説明に拠りますと、

例えば 7フィート10インチの距離からのパットの統計的ストローク数平均がちょうど1.5になります。
1パットと2パットがちょうど半々で発生するということですね。

この距離から1パットでカップインすればそのホールは0.5打のgain、2パットなら-0.5打のloss、と言う風に数えて行き、全ホールのパットを合計した上で、その日の全プレイヤーの平均に対してどれだけ有利だったか不利だったかを計算されます。


各カップからの距離によるカップインの確率自体は私のブログでもすでに何度もグラフ化されたものをご紹介していますよね。(^^)



5 件のコメント:

hyappo+ さんのコメント...

この新stats、私も知ってました。
"baseline"になってる各パッティングの基準自体はわかりやすくても
その日のプレイヤー全員の平均値云々なんて一般アマチュアの人には使えないし結構複雑ですよね。

まぁ同じような数値は出せないにしてもbaselineに出てくる距離別の基準を使って自分なりにStatsで応用できそうな気はします。

73ftから3パットするのが3分の1とかありますけど、
それを計算に入れる前にツアープレイヤーがそこまで離れた位置に落とす機会ってどのくらい?とか思っちゃいます(^^;

yspw さんのコメント...

ひゃっぽさん、こんにちは。


これね、おっしゃるとおり自分にあてはめて使うのちょっと面倒だと思うんですよ。

私の友人もトライし始めてますが。


ただ、ツアーでそういう指標を使って分析してくれると、楽しく見られる要素はあると思います。


私、タイガーの不調の最大の原因はパッティングだと思っていまして。
あいにく今回の指標では欄外扱いですけど、足りないラウンド数でも数字を出してもらったらものすごくランキングが下がっているのが見えると思うんですよね。


ショートゲームとかパットが上手いと思われている(?)フィル・ミケルソンが、

実はパー5で稼ぎまくってるロングヒッタータイプだってのも、けっこう面白いデータだと思ったりしてます。(^^)

yspw さんのコメント...

この2日のトラブルで、入れたコメントが消えてしまいましたね。
まぁでも消えたのが私のコメントひとつだけでよかったです。



ひゃっぽさん、こんにちは。


私の友人の一人もこのスタッツを個人に応用しようと考えていると書きましたが、自分に応用するのは簡単ではないスタッツですね。

むしろ、どのプレイヤーがどういうパッティングをしているか見るのに楽しそうです。


記事に書きましたが、私はタイガーの最大の懸念事項はパッティングだと思っています。

膝の故障とドライバーが取りざたされますが、一番深刻なのはパッティングだと思うのです。
ショーン・フォーリーにはパッティングは直せなさそうですし。

trimetal さんのコメント...

少々古い記事に対するコメントで恐縮です。

今日、PGAのStatsを見ていて、この新しい指標の順位を確認しました。Tigerは26位ですね。そんなに悪くないと言う事は、今年少し復活した証かも知れません。でも、未だ未だな感じがします。昔ほど、大事な所のパットが入らなくなりましたからね。

yspw さんのコメント...

trimetalさん、こんにちは。

私はいつも内容によって古い記事のリンクを貼ったりしていて、リンク切れとかもできるだけ直すようにしています。(^^;

要するに大歓迎です。


タイガーは良くはなっていますよね。

今季はトーナメントで3勝をあげているわけですし、26位相当の結果は出せていると思うのですけれども、

trimetalさんもおっしゃっていたとおり、26位はPGAの中でも良いプレイヤーだけど、我わらが思うタイガー像のタイガーじゃない、ってことですよね。